人事担当者から見た魅力的なキャリアとは?

人生100年時代の到来と、グローバル化・イノベーションの急激な進展によって、企業の人事制度は大きな転換期を迎えています。どのような人材を獲得し、そのキャリア形成にどのように関わるかが経営上の重要課題となってきました。人材育成・キャリア形成について、政府は省庁横断的な課題として政策を打ち出しており、国内における人材育成・キャリア形成に関する注目度の高さを伺い知ることができます。今回は魅力的な「キャリア」の考え方について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

1.キャリアとは

厚労省はキャリアについて次のように定義しています。

『キャリアとは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。キャリア形成とは、このようなキャリアの概念を前提として、個人が職業能力を作り上げていくこと。すなわち、「関連した職務経験の連鎖を通して職業能力を形成していくこと」と捉えることが適当』
(参照:「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書

これまで曖昧だった「キャリア」という概念が、個人が自らの将来設計をもとに主体性を向上させ、職業能力を作り上げ成長していくことであると定義されたことで、企業は、従来とは違ったスタンスで「社員のキャリア形成」に関わることになります。

従来のキャリア形成:個人のキャリアが、終身雇用を前提とした仕組みの中で“会社”が作ってくれるもの

今後のキャリア形成:キャリアオーナーシップのもとで“自分”が作るもの

このように個人のキャリア形成は、「会社主導」から「個人主導」に変化することで、企業の役割も雇用そのものを守ることから「社員のキャリア形成を支援」する立場に変わるとも言えます。

経済産業省が公表した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」報告書(平成30年3月)には、第4次産業革命や人口動態の変化に伴う事業環境の変化に対して、企業が採るべき人材戦略の要点が示されています。その一つとして、スキルや知識の賞味期限の短期化が進むという前提に立ち、働き方やキャリアの多様化に対応するための基盤である「社会人基礎力」の強化を挙げています。

2.社会人基礎力とは

「社会人基礎力」とは、2006年に経済産業省が提唱した概念で、3つの能力と12の能力要素から構成される、いわば「人間力」向上のためのベースとなるものであり、企業・若者・学校等をつなぐ「共通言語」として位置づけられるものとなります。

・3つの能力

  • 前に踏み出す力(アクション):一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力
  • 考え抜く力(シンキング):疑問を持ち、考え抜く力
  • チームで働く力(チームワーク):多様な人々とともに、目標に向けて協力する力

社会や経済の変化、そしてイノベーションのスピードが予想以上に加速していることを踏まえ、従来の「大学教育→就職→新卒研修」の期間という限られた年代から、全ての年代が意識すべきものとして社会人基礎力の重要性が指摘されています。今後の人材育成の場では「知識」「スキル」などを「適時に自らアップデートできる力」として確保するとともに、どのような環境下でも能力を最大限発揮することができる基盤としての「社会人基礎力」の強化が必要となっています。

・12の能力要素

前に踏み出す力
(アクション)
主体性 物事に進んで取り組む力
働きかけ力 他人に働きかけ巻き込む力
実行力 目的を設定し確実に行動する力
考え抜く力
(シンキング)
課題発見力 現状を分析し目的や課題を明らかにする力
計画力 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
創造力 新しい価値を生み出す力
チームで働く力
(チームワーク)
発信力 自分の意見をわかりやすく伝える力
傾聴力 相手の意見を丁寧に聴く力
柔軟性 意見の違いや立場の違いを理解する力
情況把握力 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
規律性 社会のルールや人との約束を守る力
ストレスコントロール力 ストレスの発生源に対応する力

(参照:経済産業省「社会人基礎力」2006)

3.転職市場で評価されるキャリアとは

キャリア形成に関しては官民挙げて「人間力」の向上に軸足が移っています。「社会人基礎力」「基礎学力」「専門知識」を要素とし、その基盤として「人間性・基本的な生活習慣」があるという構図です。
「基礎学力」とは、学校教育(小・中・高校)で得られる水準を、「専門知識」は、いわゆる「後期高等教育」といわれる大学や専門学校で習得する知識水準を指しており、学校教育から社会人への移行期までにキャリアデザイン力を形成するためのプロセスとして組み込むことが想定されています。
「人間性・基本的な生活習慣」とは「思いやり」「公共心」「倫理観」「基礎的マナー(身の回りのことをしっかりやる)」などで、文科省は学習指導要領を見直す中で、家庭教育や社会教育との連携で取り組む姿勢を見せるなど、社会人になるまでの過程で醸成していくべき要素と位置付けています。

転職市場を含め、今後個々のキャリアの評価基準は、これらを総合した「人間力」、中でも「社会人基礎力」に重きが置かれることが予想されますが、12の要素の中で特に重要なのは、「主体性」と「実行力」になると言えます。独自性の高いキャリア形成支援策の策定と実効性を担保する意味でも、「主体性」「実行力」の有無は重要な判断基準になるでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。これまで曖昧だった「キャリア」の位置づけが明確になり、今後の人事制度の方向性が見えてきました。個人のキャリア形成に企業が積極的に関わることで、社員のモチベーション向上とリテンション(組織への定着)強化が期待されます。これを機にもう一度自分の今後のキャリア形成について考えてみてはいかがでしょうか。

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