行政書士試験は過去問だけで合格できる?過去問の重要性を徹底解説

年間4万人前後が受験する行政書士試験は、合格率1割程度の難関国家資格試験です。試験科目は行政書士の業務に関する専門科目から一般知識まで広範にわたるため、効率的な対策が求められます。そこで、この記事では行政書士試験の概要や範囲と、過去問学習のメリット、過去問の活用や試験傾向の掴み方などをご紹介します。行政書士試験における過去問対策の重要性について知りたい方は、参考にしてみてください。

1.行政書士試験の試験範囲・概要

行政書士試験は、行政書士の業務に関して必要な知識及び能力について毎年1回一般財団法人行政書士試験研究センター(国の指定試験機関)により行われています。

受験資格 年齢、学歴、国籍等に関係なく、誰でも受験可能です。
試験日及び時間 毎年1回、11月の第2日曜日、午後1時から午後4時まで(3時間)
試験科目と内容等(法令の対象は、試験の実施日の属する年度の4月1日現在の施行内容) 行政書士の業務に関し必要な法令等(出題数46題) 憲法、行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法が中心)、民法、商法及び基礎法学
行政書士の業務に関連する一般知識等(出題数14題) 政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解
試験の方法 筆記試験により実施。法令等は択一式及び記述式(40文字程度)で、一般知識等は択一式です。
試験場所 試験場所は毎年7月の第2週に公示されます。(※住所地以外の試験場での受験も可能)
受験手数料 7,000円

法令等からは、5肢択一式の40問中、行政法20問・民法10問程度が出題されています。一般知識等では14問中の半数が政治・経済・社会から出題されているのが特徴です。

なお「一般知識等」で出題される政治は、政治制度・選挙制度・行政改革について、情報通信は、情報・ITに関する知識について、個人情報保護は、個人情報保護法・行政機関個人情報保護法などの条文理解について、文章理解は、並べ替え型・空欄補充型などの形式による文章理解について、それぞれ問われます。

1-1.行政書士試験の合格率と合否基準

行政書士試験の受験状況は下表のようになっており、直近5年の合格率は10~13%程度となっています。

年度 受験者数 合格者数 合格率
平成26年度 48,869人 4,043人 8.3%
平成27年度 44,366人 5,820人 13.1%
平成28年度 41,053人 4,084人 10.0%
平成29年度 40,449人 6,360人 15.7%
平成30年度 39,105人 4,968人 12.7%

なお、平成30年度の行政書士試験では、300満点中180点以上が合否基準となりました。

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、(244点満点中)122点以上
  • 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、(60点満点中)24点以上
  • 行政書士試験全体の得点が、(300点満点中)180点以上

上記の通り、法令と一般知識のどちらにも超えるべき基準点が設定されており、なおかつ全体で6割以上の得点が必要となります。一般知識に関する出題は14問と少なく配点の割合も低いですが、基準点が設けられている以上、おろそかにはできません。

このように行政書士の試験対策では苦手分野を作らないことが重要であり、そのためには過去問対策が重要になります。

2.行政書士試験の過去問で学習するメリットとは?

行政書士試験の過去問を学習するメリットは次の通りです。

  1. 本試験の内容、傾向が把握できる
  2. 効率的な学習が可能になる
  3. 実戦対応力を養成できる

2-1.本試験の内容、傾向が把握できる

試験範囲は憲法から民法といった法律から一般知識まで幅広いため、無計画に全範囲を学習しようとすると非効率です。限られた学習時間で試験対策をするには、本試験の内容、ポイント、難易度、傾向などを事前に把握した学習が不可欠であり、その対策として過去問学習が効果を発揮します。

過去問学習を通じて本試験のどの分野を重点的に学習すればよいのかが把握できたり、出題のポイントやレベルに対してどう準備をすればよいのか、逆に必要ない分野はどれかなどのヒントを掴めるようになります。

2-2.効率的な学習が可能になる

過去問の問題演習は知識を定着させるのにも効果的です。もちろん市販のテキストを使って試験範囲の重要ポイントをインプットするのも大切ですが、テキストの内容を暗記しようとしても知識の定着や理解が薄かったりすることもあります。

しかし、過去問を繰り返し解くことで学習した内容の理解を深め、知識を定着させるだけでなく、自分の苦手分野を把握することができます。問題の傾向も見えてくるので「必要な知識」と「不要な知識」の取捨選択もできるようになります。

2-3.実戦対応力を養成できる

テキスト等で必要な知識を暗記しても実際の試験問題を解く力がつくとは限りません。そこで、過去問学習により本試験問題を解く力を養う必要があります。本試験の問題には必要な知識を知っているだけでは正確に辿り着きにくいタイプもあるため、問題を解き正解に行きつくための解答力が重要になります。

問題文の内容からどのような答えが求められているのか、どのような知識を問題に適用させればよいか、などを判断できる能力を過去問学習で身につけることが大切です。

3.行政書士試験の傾向を掴むために過去問を利用しよう

本試験の内容、ポイントや傾向等を効果的に掴むための学習方法をご紹介します。

  1. 科目別の学習
  2. 問題演習の繰り返し
  3. 間違えた理由を分析する

3-1.科目別の学習

どのようなレベルや傾向があるのかを掴むためには、過去数年分の本試験問題を科目別・体系別に学習するのも効果的です。

過去問と正答については行政書士試験研究センターのサイトにも掲載されていますが、過去5年などの複数年分について科目別・分野別で学習したほうが、より問題の内容や傾向などを把握しやすくなります。

また、同じ分野の問題をまとめて学習することで体系的な理解や暗記が強化されるとともに、出題数が多い行政法や民法などの対策も集中的に行えます。特に解説が詳細に加えられたテキストを併用すると効果的でしょう。

3-2.問題演習の繰り返し

行政書士試験の傾向等を掴み、対応力を蓄えていくには過去5年程度の過去問を最低2回以上は繰り返し解くことが重要です。

受験者によっても異なりますが、法律系の知識や暗記力に不安のある方などは過去問を繰り返し学習することが、理解を深め、知識を定着させるのに有効です。

また、過去問の繰り返しは時間配分の予行演習にもなります。どの問題にどのくらいの時間を使えるのか、時には思い切って捨てるという判断も本試験では必要な戦略になります。

3-3.間違えた理由を分析する

過去問学習では正答の確認をするだけではなく、なぜ間違えたのかをきちんと理解することが大切です。

過去問を繰り返し解いても正解を暗記しては学習効果が薄れることになります。正解を確認した後は、なぜその選択肢が正解なのか、ほかの選択肢はどこの記述が不正解なのかを説明できるようにする訓練も必要です。そうすることで問題のポイントとなる知識を正確に把握して記憶に定着させることができるようになります。

4.まとめ

行政書士試験に合格するためには、テキストだけでなく過去問による学習が重要になります。問題演習を繰り返すことで知識の理解と定着を図るだけなく、出題傾向を掴めるようにもなります。自分の苦手分野が把握できれば集中的に対策し、得意分野ならさらにその力を伸ばすことも可能です。過去問を不安なく解けるようになれば自信を持って本試験に臨むことができます。行政書士試験対策終盤の追い込みでも、過去問学習は効果を発揮しますので、ぜひ悔いの残らないように試験対策をして本番に臨みましょう。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、行政書士試験の初学者でも安心して学習できるよう、市販教材は使わず、過去の出題傾向やポイントの分析を反映させたオリジナル教材を使っています。さらに、信頼と実績のある講師陣がバックアップ・サポートしてくれます。

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