社労士を目指すなら知っておきたい!120年ぶりの民法改正が社労士に与える影響は?

2017年に民法の一部を改正する法律が成立しました。民法の中でも債権法は1896年に現行民法が制定されてから約120年間ほとんど改正が行われなかったため、今回は債権法を中心に大改正が行われ、社労士の実務においても影響が少なからず出ると予想されています。今回は、民法改正が社労士試験に及ぼす影響や、社労士業務に関わる民法改正の項目、効率的に社労士試験を突破する方法について詳しくご説明しますので、社労士を目指す方は参考にしてみてください。

1.民法改正は社労士試験には直接影響しない

民法は約120年ぶりに大きく改正されますが、社労士試験には民法に直接関わる試験科目がないため、試験自体に影響を及ぼすことはありません。社労士は労働関係や各種社会保険関係の法律に精通する専門家であり、社労士試験の出題科目・範囲は以下の通りです。

  1. 労働基準法及び労働安全衛生法
  2. 労働者災害補償保険法※
  3. 雇用保険法※
  4. 労務管理その他の労働に関する一般常識
  5. 社会保険に関する一般常識
  6. 健康保険法
  7. 厚生年金保険法
  8. 国民年金法

※労働者災害補償保険法と雇用保険法は保険料の徴収等に関する法律を含みます。

2.社労士業務に関わってくる民法改正の内容

社労士の実務では、直接民法の条文に関わるような業務は少ないですが、民法は生活の中でも基本となる法律です。また、社労士は業務で民間の保険会社の保険などを取り扱うこともあるので、民法と全く無関係ではありません。そのため、多くの社労士は試験の合格後や実務を行う際に民法の勉強を行っています。ここでは、今回の大幅な改正により社労士としての業務に影響を及ぼす可能性のある以下の改正項目について確認します。

  • 瑕疵(かし)担保責任の変更
  • 保証人の公正証書義務
  • 約款の明文化
  • 短期消滅時効の廃止
  • 法定利率の変動制への変更
  • 譲渡制限特約付債権への変更

2-1.瑕疵(かし)担保責任の変更

瑕疵担保責任とは、引き渡された商品などに欠陥があった場合に売主が負う責任のことです。従来の民法では明文化されておらず、判例などに基づき運用されているルールがあります。明文化することで買主がどのような救済を受けることができるのかを明確にするため、民法の条文が変更されます。

2-2.保証人の公正証書義務

保証人の公正証書義務は、事業を行っている会社や個人事業主の債務について個人が保証を行う際に保証人の保護を進めるために行われる改正です。会社や個人事業主などが事業用の融資を受ける際に第三者などの個人が保証人となる場合、公証人による保証意思確認の手続きが必要となります。

この手続きでは、公証役場で保証意思宣明公正証書の作成が必要となりますが、手続きを経ず公正証書も作成していない保証契約は無効となります。ただし、法人が債務者でその法人の取締役が保証人となる場合や、個人事業主が債務者の場合に共同事業者や事業に従事している配偶者が保証人となる場合は、手続きが不要です。

2-3.約款の明文化

生命保険や損害保険などのように、不特定多数の顧客を相手に行う取引ではあらかじめ約款で契約条項などを定めて契約を行うことがあります。ただ、改正前の民法ではこのような約款を用いた取引については基本的なルールも定められていません。そのため、今回の改正は約款取引について基本的なルールを明文化して定めるものです。

基本的なルールとして、顧客が約款の内容を詳しく認識していなくても当事者間でその約款を契約の内容とする合意をした場合や、約款を契約の内容とする旨を顧客にあらかじめ表示して取引を行った場合は、個別の約款の条項について合意したものとみなされます。ただし、顧客の利益を一方的に害するような不当な条項は認められず、約款の変更についても顧客の不利になる可能性がある変更については事前の周知が必要です。

2-4.短期消滅時効の廃止

消滅時効とは、債権者が一定期間取り立てなどの権利行使をしないことによって債権が消滅する制度です。現行の民法では、消滅時効は10年間と定められていますが、例外的に医師の診療報酬は3年などと職業別に短期間の消滅時効も設けられています。この職業別の時効を短期消滅時効と呼んでいますが、今回の改正ではこの短期消滅時効を廃止し、民法上の消滅時効を原則として5年間とする変更が行われます。

2-5.法定利率の変動制への変更

現行の民法では、契約で貸付金の利率や遅延損害金に関する合意がない場合、5%の法定利率が適用されます。しかし、現在は超低金利の状態が長く続いているため、この金利を3%に見直すことになりました。また、今回の金利の変更は将来的に金利情勢が大きく変わる可能性もあるため、3%に固定することなく市中の金利情勢に応じて自動的に変動するように変更されています。

2-6.譲渡制限特約付債権への変更

譲渡制限特約付債権とは、債権の譲渡禁止や制限を債権者と債務者間で合意し、特約として付加した債権です。最近は大手企業などの債権を譲渡担保として金融機関から資金調達する手法が中小企業などで活用されつつあります。しかし、譲渡制限特約付債権は債務不履行の際に将来の債権譲渡が可能であることが民法で明文化されていないため、譲渡担保として金融機関に受け入れてもらえずに資金調達の妨げとなるケースがあるのも実情です。

そこで、債権の譲渡制限特約の効力を見直し、特約が付されていても債権譲渡の効力が妨げられないように変更することで、中小企業などが円滑に資金調達できるよう後押しするものです。

3.効率よく社労士試験を突破するには、資格スクールも選択肢に

2017年の民法改正は社労士試験に直接影響を及ぼしませんが、他の法改正についてはしっかりとした試験対策が必要です。資格スクールの対策講座などでは、過去問を徹底的に分析し、効率よく学習を進めることができますし、最新の法改正にも対応できるようにカリキュラムが組まれているので、効率よく社労士試験を突破したいと考えている方は、学習方法の選択肢として資格スクールの対策講座受講も考えてみてもいいでしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。将来、社労士の実務で影響を及ぼす可能性がある民法の改正項目をご紹介しました。本試験では民法改正による直接的な影響を受けることはありませんが、民法以外の法改正については効率的な対策が必要です。資格スクールでは法改正にも対応できる充実したカリキュラムが組まれており、継続した学習を可能にするサポート体制も整っています。自分に合った最適の学習方法を選択し、万全の態勢で社労士試験の合格を目指しましょう。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、社労士資格講座を用意しており、効率よく社労士資格試験の学習を行うことができます。過去問分析や最新の法改正にも対応しているカリキュラムなので、仕事をしている社会人や学生で時間が限られている方で、効率よく学習を進めたいと考えている方は、ぜひ一度資料請求や無料体験をお申し込みください。

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