マイキャリアスタイルでは、変化する社会のなかで自力で学びキャリアを培う「アイカンパニー」のキャリア視点にもとづいて、学習方法などの情報をお子様を持つ方に向けて発信しています。
サピックスでは5年生になるところで優秀なお子さんが転塾してくることが多く、そのためクラスが下がることも多いと聞きました。クラスの昇降にはとても気をつかうので、今から5年生に向けてできる事があれば教えてください。ちなみに、現状でも何とか一週間のスケジュールをこなしているような状況です。5年生になると、質、量ともにアップするようなので、不安です。
ご相談ありがとうございます。暑さも和らぎ、過ごしやすい時期になってきましたね。気候的にも少し落ち着いたこの時期に、じっくりと今後の学習について考えることは非常に良いことだと思います。
一般的にどの塾もそうですが、サピックスでは特に5年生になると、学習内容の質・量に加え、スケジュールも過密になります。また、毎月のマンスリーテストなどに対するプレッシャーもかかり、体力だけでなく精神的にも負担が増すことが予想されます。その上、5年生になると他塾からサピックスに転塾される方が増えるため、クラスが下がってしまうのではないか、という不安を抱かれるお気持ちはよく分かります。4年生の今から、5年生の内容に向けてどうすれば効率的に学習を進められ、より良い状態で5年生を迎えられるのか考えていきたいと思います。
まず、5年生になるまでにしていただきたいことは、基礎学力(学習姿勢)の定着と、これまで学習した中で「理解できていない分野」つまり、「苦手科目・苦手分野」の克服になります。
4年生の学習は、どの教科も受験に向けての「基礎学力」を定着させる時期です。この「基礎学力」が身に付いていることを前提として、5年生の授業は進んでいきます。そのため、きちんとした土台があれば、5年生になり授業のレベルがアップしたとしても、しっかりと授業についていくことができるでしょう。さらに、安定して上位クラスに入ることも期待できます。
ただ、「苦手科目・苦手分野の克服」と言っても、「言うは易く行うは難し」ですので、『各科目の苦手分野の再チェック方法』と『苦手克服のための具体的な計画の立て方』に分けて考えてみます。
各科目の苦手分野の再チェック
【算数】
算数では「計算力」を確実にすることが何よりも大切になります。そのため、”基礎力トレーニング”や”基礎力定着テスト”などで出てきた「分数や小数のかけ算・わり算を含む計算」で、間違った問題の分析を行ってください。
「なぜ間違えたのか」「二度と同じミスを繰り返さないためにはどうすればいいのか」などです。計算ミスは、つい「ちょっとミスしただけ、次は大丈夫!」と軽く考えてしまいがちです。しかし、この「ちょっとしたミス」は今後クラスが上がるかどうか、しいては、受験で合格するかどうかを左右する重要な要素となります。計算ミスにはそれぞれ原因があるので、5年生になる前の今の段階で、お子様の「計算力」を振り返ってみるのは非常に有効です。
次に、レベルアップのために「発想力」の確認をしていきます。\「つるかめ算」「過不足算」といった面積図で考える問題、「和差算」「やりとり算」といった線分図で考える問題、「植木算」「方陣算」といった、きまりを見つけて考える問題など、手を動かして考える問題でお子様が苦手としている(手が止まってしまう)分野の確認をしてみてください。
さらに、お子様に時間的・体力的・精神的に余裕があれば、「思考力問題」に改めて触れておくこともお勧めします。「思考力」は自分なりにあれこれと試しながら鍛えられていくものです。4年生のうちに答えを焦らずにじっくり考え、試行錯誤をしてみる習慣をつけておくことも、5年生からのスタートを有利にします。
【国語】
4年生の今の段階では、語彙力を増やすこと(漢字・慣用句・ことわざなど)、文の構造を理解すること(主語・述語・修飾語)が重要となります。
まずはAテキストの問題で理解できていないところがないか再度確認してみてください。「慣用句・ことわざ」などの場合、難しくなってくると意味が理解出来ていないにも関わらず、ただ内容を丸暗記している可能性があります。その状態だと文章中に出てきた場合、意味が分からないということになりかねません。
そこで、ご家庭で「どんな時に使う言葉なの?」「それってどういう意味なの?簡単に言ってみて」など自分の言葉で説明してもらうという方法が、本当に理解出来ているのかどうかを判断するためにお勧めです。
次に、最近の中学受験の国語の問題は、字数指定がなく、文章中の表現を根拠にして、答えのボリュームを自由自在に操ることができる能力を求めています。サピックスでもその点を考えており、5年生になるとBテキストの問題が非常に難しくなります。物語文では登場人物の心情を正確に答えさせ、随筆文では筆者の主張、詩では情景や比喩が何を表現しようとしているのかを問い、実際の入試問題を意識した構成となっています。
そこで、4年生で学習したBテキストの問題の中で、キーワードが抜けているなどの、本人が正確に答えることが出来ていない問題を、再度解き直してみてはいかがでしょうか。
【理科】
4年生では、身のまわりの自然環境や現象を「観察する力」を中心に学習が進められていると思います。多くの知識を、きちんと頭の中で整理することが必要不可欠になります。
理科は暗記が中心であることは確かですが、最近の入試問題は暗記だけでは太刀打ちできなくなっていることも否定できません。そして、基礎的な「知識力」に加えて「観察力」や「洞察力」、「分析力」や「計算力」といったいろいろな能力が必要とされます。過去に学習された内容において、観察や実験での事象の共通点や相違点をまとめ、その理由を自分の言葉で説明する練習をしてみてはいかがでしょうか。
【社会】
4年生で学習する地理分野は、中学受験生が苦手とする分野の一つです。実際の受験では、非常に細かい内容を問う学校もあります。そのため、覚える量が膨大になり混乱してしまうことがあり、又、あまり細かい内容にばかり目がいってしまうと、「木を見て森を見ず」という状態に陥ってしまう可能性もあります。
そこで、地理分野については、優先順位をしっかりと決め、学習されることをお勧めします。具体的に、1.都道府県の場所と名前(漢字)と形、2.県庁所在地(漢字)、3.日本の気候(雨温図)、4.日本の工業と産業、5.川や山脈・山地、6.各地方の特色、という順番できっちりとマスター出来ているのか確認されてはいかがでしょうか。
最近の社会の入試問題では、歴史人物の出身地を問う問題が多くなってきています。5年生になり、歴史を学習する上でも、基本的な地理の知識は必須になります。
苦手克服のための具体的な計画の立て方について
各科目の苦手分野を把握した後は、その克服のために「何を」「どこで」「どのように」「いつ」(いつまでに)というポイントを意識し、スケジュールを立ててみましょう。その際の手順を以下に挙げさせていただきます。
(習い事の整理、遊ぶ時間の減少など)
(集中して取り組めるのか)
などが挙げられます。
お子様にとってベストな計画を立てることが、これからの受験勉強をスムーズに進めていくコツだと思います。そして、計画を立てる際はお子様の意見も聞きながら一緒に考えられることをお勧めします。
ただ、お子様によっては反抗期などできちんとした話し合いが難しいというお悩みや、どうしてもスケジュールを立てるのが難しいということもあると思います。そのような場合は、塾の先生に計画の立て方について聞いてみたり、一人一人のお子様に合った最適な学習プランのお手伝いをさせて頂くSS-1の学習カウンセリングをご利用ください。お気軽にお問い合わせください。
(※SS-1(エスエスワン)「5年生になってクラス落ちしないために、今からできる事があれば教えてください。」より転載)
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