パソコン関連の資格取得を目指している方であれば、一度は「CAD」というものを聞いたことがあるかもしれませんが、その内容については詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか?
また、CADと表記がよく似ている「CAM」や「CAE」を同じものだと思っている方もいるかもしれません。そこで今回は、CADの特徴や、よく混同されてしまう「CAM」「CAE」との違いについて解説していきたいと思います。
1.CADの基礎知識
CAD(キャド)とは、「Computer Aided Design」の頭文字をとったもので、パソコンなどを使ってさまざまなものを設計するために使われるソフトやシステムのことを指します。
建築や機械、電気など、特定の分野に特化したCADを「専用CAD」、特定の用途に特化せず幅広く使用できるCADを「汎用CAD」といいます。
また、作成できる図面が平面なのか立体なのかによって区別されることもあり、平面の図面を作成できるCADを「2D CAD」、立体の図面を作成できるCADを「3D CAD」といいます。
2D CADは、建築物の平面図や断面図、配管図、配線図などを作成する場合に使用され、3D CADはプロダクトデザインや工業製品の設計によく使用されます。
2.CADの特徴
CADの特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- 製図を簡単に行なうことができる
- 図面の修正が簡単にできる
- データを共有・管理しやすい
それぞれの特徴について見ていきましょう。
2-1.製図を簡単に行うことができる
CADの大きな特徴の1つが、製図作業を簡単に行なうことができるということです。
CADがない当時は、製図は手書きで行なわれていました。そのため、製図盤や三角定規、ペン先の太さの異なるシャープペンシルなど、さまざまな道具を揃えておく必要がありました。
また、線の太さが均一になるよう、ペンを回しながら線を引くなど、製図のためのテクニックも習得しなければなりませんでした。
CADソフトも使用方法は知っておく必要がありますが、マウスで誰でも簡単に線を引くことができるため、掛かる手間は圧倒的に少ないといえます。
コツさえつかんでしまえば、製図のスピードやスキルはどんどんアップしていくため、CADを使いこなせれば経験年数に関係なく活躍できる可能性があります。
2-2.図面の修正が簡単にできる
CADは修正したい線や部分を選択すれば、的確に手直しすることができるため、修正するのが非常に簡単です。
製図では、線の種類や太さによって意味が違うため、手書きの時代では、修正する線だけを消しゴムで慎重に消し、求められる太さの線で再び加筆する必要がありました。
また、消しゴムのカスは、手で払うと他の線がぼやけたり、図面が汚れたりする可能性があるため、掃除用の羽を使って払うなど、修正するのに非常に手間がかかっていました。
こうした手間が全くかからないというのも、CADを利用する大きなメリットといえるでしょう。
2-3.データを共有・管理しやすい
製図した図面を関係者と共有したり、管理したりするのが容易であるということも、CADの特徴です。
手書きの図面は紙で管理するため、関係者と図面を共有する場合はコピーしたものを渡ししたり、修正が入れば再度作図し直したりと、とにかく手間が掛かってしまいます。
CADで作成された図面は、電子データで保存されます。そのため、メールに添付して送ったり、外部のデータストレージに保存したりするなどして、簡単にデータを共有することができます。
また、図面を修正するときも、修正前のデータと修正後のデータの両方を残しておくことで、以前の状態の図面が必要になったときにも利用できます。
3.CAMとCAEとは?CADとの違いは?
CADと同じようなものと考えられやすいツールとして「CAM」と「CAE」があります。
しかし、実際にはそれぞれ使用する目的が全く異なるので、その違いについてある程度理解しておいた方がいいでしょう。
3-1.CAMとは
CAM(キャム)というのは「Computer Aided Manufacturing」の頭文字をとったもので、コンピューターで製品を製造するために使用されるシステムのことをいいます。
具体的には、製品の加工プログラムを作成するために使われるもので、CAMで作成されたプログラムを工作機械にインプットして、実際に製品の加工が行なわれる仕組みとなっています。
つまり、CADで作成された設計図面をもとに、CAMを使って製品を作る、ということになります。
そして、CAMにも「2D CAM」と「3D CAM」があり、製作物が平面的か立体的かによって使い分けられることになります。
3-2.CAEとは
CAE(シーイーエー)というのは「Computer Aided Engineering」の頭文字をとったもので、製作しようとしているものの性能が適切かどうかをシミュレーションするためのものです。
ある製品を作ろうとしているときに、今までは試作品を作成してから動作試験を行ない、不具合を修正しながら再設計と試作を繰り返す必要がありました。
しかし、CAEを使用することで、コンピューター上で製品の動きや特性などを計算できるようになったので、試作の手間を大幅に省くことができます。
CAMがCADで製図をした後に利用されるものに対し、CAEはCADで製図をする前に利用されるものとなります。
CAEによって適切な設計ができてからCADで具体的な製図作業に入ることになるのです。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、CADの特徴やCAM、CAEとの違いについて紹介しました。製品や建築物など、さまざまなものの設計・作図にCADは利用されています。
さまざまな業界で使われているCADのスキルを身につけることで、今後キャリアアップしたいと思った際に、今までとは違う業界にチャレンジすることも可能になります。専門性の高いスキルを身につけてキャリアの可能性を広げたい方は、ぜひCADのスキル取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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