医療機関において診療報酬算定などの業務に従事する医療事務には、そのスキルや知識を証明する資格が存在します。
代表的な医療事務資格は4種類存在し、それぞれ運営主体や概要・試験日程が異なります。この記事では、医療事務の資格の種類や各資格の特徴などについて解説しています。医療事務としての就職を検討している方は参考にしてみてください。
医療事務の代表的な4つの資格試験
医療事務の資格を取得したいと考えた場合、代表的な資格が4つあります。どれも医療事務に必要なスキルを証明する資格であることに変わりはないですが、試験方式や概要・試験日程などは異なります。
各資格試験の特徴について見ていきましょう。
医療事務管理士技能認定試験
JSMA技能認定振興協会が運営する「医療事務管理士技能認定試験」は、日本で最初の医療事務資格として幅広く医療機関に認知されています。
医療保険制度や診療報酬の仕組みを理解し、正確に診療報酬算定ができるスキルを証明する資格であり、平成17年10月に特許庁より商標登録も受けています。
例年、会場試験とインターネット試験の2種類から受験方法の選択が可能です。
試験日程 | ▷2021年 7月18日(日) 9月26日(日) 11月28日(日)▷2022年 1月23日(日) 3月27日(日) ※コロナウイルスのため会場での受験は中止。在宅試験で対応。(2021年6月現在) |
合格率 | 50%程度 |
受験資格 | 特になし |
医療事務技能審査試験
一般財団法人 日本医療教育財団が運営する「医療事務技能審査試験」は、合格することでメディカルクラークの称号を手にすることができます。医療事務業務に従事する者が有するべき知識・技能の程度を審査・証明をする試験です。
日本医療教育財団は45年間もの実績を持つ法人で、試験の審査基準・細目などの制度を長い歴史の中で厳密に策定しています。医療現場のニーズに応じた試験科目となっており、実務で役立つ能力評価が受けられる点が特徴です。
試験は在宅受験方式を採用しています。
試験日程 | 毎月第3また第4日曜日(年12回)
▷2021年 ▷2022年 |
合格率 | 掲載なし |
受験資格 | 特になし |
診療報酬請求事務能力認定試験
公益財団法人 日本医療保険事務協会が運営する「診療報酬請求事務能力認定試験」は、診療報酬請求(レセプト)業務に従事する者の技術を認定する資格です。
日本医療保険事務協会は、厚生労働省が設置した「診療報酬請求事務等に関する検討委員会」の報告書をもとに設立された協会です。当時は公益法人でしたが、平成25年4月より公共財団法人として内閣府に認められ、膨大なレセプト業務を迅速かつ正確に処理できる人材育成や確保に貢献しています。
試験方式は年2回の全国統一試験です。
試験日程 | 年2回(7月・12月の日曜または祝日)
▷2021年 |
合格率 | 例年30%前後(医科) |
受験資格 | 特になし |
医療事務認定実務者試験
全国医療福祉教育協会が運営する「医療事務認定実務者試験」は、医療事務に関する基礎知識や実務の基本熟練度を客観的に評価するための資格です。
全国医療福祉教育協会は、「特定非営利活動法人 職業技能専門教育研究機構」の認定を受け、医療事務に従事する人材の育成・確保を行っています。
年12回程度の試験日が設けられ、在宅試験・会場試験の2方式を実施しています。原則として、会場試験は認定機関で講座を受けている受講生が対象です。
試験日程 | ▷2021年 7月25日(日) 8月22日(日) 9月26日(日) 10月24日(日) 11月28日(日) 12月26日(日)※会場受験の場合は実施機関によって異なる |
合格率 | 60~80%程度 |
受験資格 | 特になし |
医療事務の資格はこんな人におすすめ
医療事務の代表的な資格を4つご紹介しました。医療事務は病院にとって欠かせない存在ですが、実際にどのような人が向いているのかが気になる方も多いでしょう。ここでは、医療事務資格をおすすめしたい人の特徴を解説します。
コミュニケーション能力がある
医療事務は病院の接客担当と言っても過言ではありません。患者さんが病院に来て真っ先に関わりを持つのが、病院の窓口にいる医療事務です。受付担当が別にいる場合もありますが、会計処理などを行う医療事務も受付窓口にいるケースがほとんどです。
時にクレーム対応をしなければならないこともありますが、患者さんへの思いやりを持ったコミュニケーション能力がある人は医療事務に向いているでしょう。
専門知識や用語に抵抗がない
医療事務が行う業務は診療報酬の算定です。診療報酬の専門知識やスキルを身につけるために、資格取得を検討される方も多いでしょう。
全くの未経験からでも医療事務を目指すことは難しくありません。しかし、専門知識や専門用語を覚えることに抵抗がある場合は、スキルの習得が難しいと言えます。対して、学習意欲が高く専門的な用語に抵抗がない人は医療事務資格の取得に向いています。
パソコン操作が苦でない
医療事務の業務はパソコン操作ができなければ仕事になりません。もちろん、基本的なパソコン操作ができれば問題ありませんが、PCなどに触れる機会が少ない人は難しいと感じる場合もあります。
膨大なレセプト業務を抱える医療事務は、診療報酬の算定を迅速かつ正確に行うことが求められます。そのため、パソコン操作が苦でない人は医療事務資格の取得に向いているでしょう。
まとめ
医療事務の代表的な資格、医療事務資格の取得がおすすめの人について解説しました。医療機関は数多くの患者を抱えています。それに伴い、レセプト業務などを担う医療事務の業務スピードや正確性が求められるようになりました。
医療事務としての就職に資格は必須ではありません。しかし、迅速で正確な業務を行うためにも医療事務資格の取得がおすすめです。ぜひ、検討してください。
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