ウィズコロナ時代に注目される「ジョブ型雇用」、ニューノーマルに向けた対策とは

少子高齢化により従来型の新卒一括採用では優秀な人材の確保が困難となっている中、個人の職能に特化した「ジョブ型雇用」という雇用形態に注目が集まっています。特にウィズコロナの環境下において、同じ職場に集まって一定時間勤務するという従来型の働き方では、対応しきれない場合もあるため、各企業は時差出勤やテレワーク、ソーシャルディスタンスなどの対策を施した新たな雇用環境への対応が急務となっています。

そこで今回は、ウィズコロナのニューノーマル時代に向けたジョブ型雇用のメリット・デメリット、ジョブ型雇用を活用する際のポイントについて詳しく説明します。新たな業務を取り入れて社員の働き方や評価・管理の方法などを改善したいという方は、参考にしてみてください。

1.ジョブ型雇用の特徴

ジョブ型雇用とは職務内容を明確にして、その仕事を遂行できる最も適した人材を配置するためにとる雇用形態のことです。欧米などでは一般的に採用されている雇用形態であり、職務内容・勤務地・労働時間などを明確にして雇用契約を結ぶのが特徴です。そのため、ジョブ型雇用は「限定正社員制度」とも言われており、次のようなメリット・デメリットがあります。

1-1.ジョブ型雇用のメリット

ジョブ型は職務内容に適した人材を必要に応じて雇用する形態であり、企業側にとっては機動的な人材確保が可能になり、雇用のミスマッチも防止できます。また、新卒者を一から教育して戦力化しないで済むため、育成する負担が軽くなるのもメリットです。

雇用される側にとっては、専門性をさらに高められる上、スキルの向上が賃金アップに結び付き、転職もしやすくなります。

1-2.ジョブ型雇用のデメリット

ジョブ型は職務内容や勤務地を決めるため、異動や転勤などを企業の都合で実施するのは困難になります。

また、過度な成果主義は離職を高める可能性もあります。成果だけで評価するとそれが従業員の負担になり、離職率が高まるおそれがあります。さらに従業員の専門性・熟練度次第で転職が容易となるため、転職リスクも高くなります。

一方、従業員側にとっては、特定の職務内容をもとに雇用契約するため、該当職務がなくなれば退職に追いやられるおそれなどがあります。

2.メンバーシップ型雇用の特徴

メンバーシップ型雇用とは、職務内容や勤務地を限定せず採用者の潜在能力や性格・意欲等を評価して広く人材を採用する雇用形態で、日本では古くから多くの企業で採用されている雇用形態です。

2-1.メンバーシップ型雇用のメリット

メンバーシップ型は、終身雇用を前提として社内教育、ジョブローテーションなどにより必要人材を中長期の経営計画に基づき育成でき、将来の幹部候補も育成しやすいのが特徴です。

職務や勤務地を限定しないため、会社の状況に応じて柔軟な配置換や異動ができ、人的資源を有効に活用できます。

また、終身雇用制度なのでメンバーシップ型は長期に勤務するほど処遇がよくなるため、会社への帰属意識が高まりやすく、社員の忠誠心を向上させやすいといったメリットもあります。

一方、従業員側にとっては、終身雇用や年功序列の雇用慣行であるため、労働の確保と一定の報酬が約束され、安定した生活が見込めます。

ジョブローテーションなどにより多様な職能を経験でき、将来的に会社の幹部に昇進する道も描けるので、キャリアアップしやすいのが特徴です。

2-2.メンバーシップ型雇用のデメリット

新規学卒採用で人材を確保し必要人材を一から育てるメンバーシップ型では、即戦力の人材確保に向いていません。

また、年功序列の雇用慣行は勤務年数等で賃金が上昇していくため、社員の成果と賃金は比例しません。その結果、生産性が低いままでも人件費は増大していきます。

一方、従業員側にとっては、職務や勤務地を限定しないため、会社の都合で異なる職務への異動や転勤を命じられます。新たな職務に就くと習熟するまで業務効率が悪く、残業等も増える傾向があるので、肉体的・精神的な負担になることもあります。

3.ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違いをまとめると、下表の通りです。

ジョブ型雇用 メンバーシップ型雇用
雇用形態 職務内容を明確にして、それに適した人材を募集・採用する 職務内容を限定せず広く人材を募集・採用する
仕事の範囲 特定・限定的 不特定・総合的
採用時期や人材の流動性 通年採用や随時の採用が多く、転職が比較的容易であるため人材の流動性は高い メンバーシップ型は春季学卒一括採用が多く終身雇用や年功序列を前提とするため人材の流動性は低い
評価・処遇の決まり方 成果主義 年功序列

4.ウィズコロナでジョブ型雇用が注目される理由

ウィズコロナで人々は他者との接触を少なくした生活が余儀なくされ、仕事、買物やレジャーなども今までとは違った方法にせざるを得ません。

企業においても、社員同士や社員と顧客など各々接触を極力避けて職務を遂行することが求められ、在宅勤務、短時間勤務や社外勤務といった柔軟な働き方が要請されます。

また、店舗販売からネット販売へ、店内サービスからオンラインサービスなど業務内容に変更を加える場合、新たな職務が発生するためその人材確保も必要です。

このような環境下において、メンバーシップ型では勤務時間や必要人材の確保という点でスムーズに運用するのは難しく、柔軟な対応は容易ではありません。

一方、ジョブ型においては、職務・勤務地・成果等の特定条件で必要な人材を採用することができるため、急な人材ニーズの発生にも対応可能です。

ウィズコロナというニューノーマル(=新常態)の環境下で、企業が生き残るための対策として、ジョブ型雇用は一定の効果を見込めるでしょう。

5.ジョブ型雇用を進める際のポイント

従来型のメンバーシップ型雇用から無理やりジョブ型雇用を進めると企業風土を損ねたり、新たな弊害を生んだりする可能性もあります。ジョブ型雇用をスムーズに導入するポイントは以下の通りです。

5-1.職務内容の明確化

ジョブ型雇用では職務内容を明確にすることが大切です。仕事内容、勤務地、勤務時間などについて、職務記述書等を用いて具体的に示さなければなりません。

5-2.成果と評価の明確化

ジョブ型は成果に基づく雇用管理のため、評価と成果の内容を明確にする必要があります。評価は職務の種類・内容で異なってくるため、職務ごとの設定が必要ですが、各職務のプロセスも考慮し、重要な成功要因を評価項目に加えるようにしましょう。

例えば、販売担当の場合、売上高や利益額が評価や成果の対象となりますが、商談件数・成約率・単価などの要因まで含めると、より細かい評価が可能になります。

5-3.労働時間管理とメンタルケア

ジョブ型では成果の追究により長時間労働を促しかねないため、労働者の時間管理も必要です。長時間労働による疲弊は有能な人材の離職に結びついて企業の損失となるため、企業側による適切な管理は欠かせません。

また、社外勤務が多くなるとコミュニケーションが悪くなり、従業員に疎外感が生じれば離職に繋がるため、社員のメンタルケアも重要になります。

6.まとめ

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用には、それぞれメリット・デメリットがあるものの、ウィズコロナの環境下では、柔軟に対応できるジョブ型雇用が向いています。もちろん、メンバーシップ型にも安定した経営に役立つなどのメリットはありますが、国際競争力の強化等が急務となっているニューノーマルの時代を生き抜くためにも、ジョブ型雇用の導入を検討する価値はあるでしょう。

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