転職やキャリアアップを考えるうえで常に意識しておきたいのが、自分自身の人材としての市場価値です。市場価値とは、言い換えるならば人材市場における希少性です。
希少性が高く、替えが利かない人材に対しては企業も高い報酬を支払ってでも採用したり自社に留めたりしようと努力するため、結果として待遇面や仕事面における満足度を高めることができます。
それでは、自分自身の市場価値を高めるためには、どのような点を意識すればよいのでしょうか。今回はそのポイントについてご紹介したいと思います。
キャリアは足し算ではなく掛け算で考える
自身の市場価値を高めるうえで意識したいポイントは、自分のキャリアを「足し算」ではなく「掛け算」で考えるという発想です。時間をかけて一つの分野を極め、エキスパートになることは素晴らしいのですが、もし自身の強みが一つだけしかないとすると、その分野でトップクラスの人材とならない限り、希少性を高めることは難しいのが現実です。
しかし、一つの分野をある程度極めたら、次は全く違う分野のキャリアを選び、再びその分野について極める、という選択をすることで、強みが一つから二つへと増え、人材としての希少性はより高まります。
例えば、最初のキャリアを大手企業の経理担当としてスタートする場合、20代は経理分野を極め、30代はそのスキルを活かしてIT業界のスタートアップ企業に転職し、次はスタートアップの世界について詳しくなるという具合です。転職先のスタートアップである程度経験を積むことで、「経理 × スタートアップ」という全く異なる分野の専門性が身につき、その分野における市場価値は大きく高まり、次に転職するときは、スタートアップ企業のCFOといったポジションで採用される可能性もあります。
100万分の1の人材になる方法
株式会社リクルート出身で、その後は公立中学校の民間人校長となり教育改革を進めたことでも知られる藤原和博氏は、自身の著者や講演活動の中で「100万分の1の人材になる方法」についてよく話をしています。
藤原氏が主張するのも同じ「掛け算」のメソッドです。一つの分野で100万人中1位になるのは難しくても、100人に1人の分野を3つ掛け合わせることで「1/100× 1/100× 1/100=1/1,000,000の人材になれるというのが同氏の考えです。
藤原氏の場合は、「営業」×「マネジメント」×「民間人校長」という3つの経験をかけ合わせることで100万分の1になったとのことですが、このように自分の希少性を高めていくためには、異なる分野のキャリアをかけ合わせていくことが近道となるのです。
掛け算をするときの注意点
それでは、キャリアの掛け算をするときは、どのような点に意識をすればよいのでしょうか。ポイントは、掛け算の元の値が大きいほうが、掛け算をしたときの積が大きくなるという点です。これは、言い換えれば特定の分野でまだ十分な経験やスキルを身につけていない段階で違う分野に移ってしまうと、元の値が小さいため、結果としてそのキャリアに何を掛け合わせても希少性が生まれにくくなってしまうということです。
藤原氏が指摘するように、その分野で100万人に1人のレベルまではいかなくとも、少なくとも100人に1人のレベルになるまでは努力をし続け、しっかりと経験とスキルを身につける。そのうえで違うキャリアに足を踏み出すことが重要となります。
まとめ
いかがでしょうか?今回は市場価値を高めるうえでキャリアの掛け算をすることの重要性についてお伝えしました。ぜひ上記の考え方を参考にして、今後のキャリアについて考えてみてください。
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