2017年に政府が設置した「人生100年時代構想会議」は将来へ向けた経済と社会システムの在り方を示した「人づくり革命基本構想」を公表しました。日本では男女ともに平均寿命が80歳を上回り、100年という長い人生をいかに生きるかという行程表を、自ら設計することが求められる時代になったと言えます。今回は人生の設計図を作成する手法ともいうべき「キャリアプランニング」について、メリットや作成方法をまとめました。今後のキャリア設計の仕方について悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
1.キャリアプランニングとは
人生100年時代構想会議の委員でもあるロンドンビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、「平均寿命が延びることによる変化を考えれば、老後の生活そのものにとどまらず、就労時からのライフスタイルの変換に注目することが必要」と述べています(著書「LIFE SHIFT」より)。定年退職後の時間が長くなり、生活資金の確保が現実の問題となる中、年金受給開始年齢の引き上げだけではなく、将来生活に必要となる金額水準を考えれば、就労期間の長期化は避けられないでしょう。
「何歳までに」「何を」「どこまでするのか」について考えることに早すぎることはありません。20代、30代、40代、50代、60代の各節目でこれまでのキャリアを振り返り、今後は「何のために」「何をするべきか」を考えるのがキャリアプランニングのキモといえます。
2.キャリアプランの作り方
キャリアプランニングの具体的な方法は次の3つのステップになります。勤め先での業績や雇用環境、入社から現在の経歴・スキル・資格の保有等を含めた自身の現況を押さえたうえで、転職・独立の意思があるようならタイミングを想定することが必要です。
- 自己分析
- ライフプランの作成
- キャリアプランの作成
2-1.自己分析
東京商工リサーチの「業歴30年以上の『老舗』企業倒産調査」によれば、2017年に倒産した企業の平均寿命は23.5年とされています。現在在籍している会社が今後も存続しつづけるかどうかは誰にも分からない状況です。
そこでまずは「現在の会社で定年を迎える意思があるか」について客観的に考察します。「自分は何ができて何ができないのか」「会社は自分をどう評価していて何を望んでいるのか」を考え、期待に応えられるだけの意思と能力があるかどうかを分析します。
会社に在籍している人の場合、今後のキャリアの選択肢は次の3つです。
- 会社に残ってキャリアを積む
- 転職する
- 独立・起業する
いずれを選択する場合でも目標を達成するためには「今の自分に足りないもの」を把握することが大切です。「専門スキルを磨く」「資産を増やす」「人脈を広げる」など手段は様々ですが、現在の年齢と照らし合せ、自己の価値を高めていく方法を模索しましょう
2-2.ライフプランの作成
次に自身の100年ライフを想定します。出世・昇進、結婚・出産、定年・独立などのライフイベントを押さえながら、豊かな人生を送るための要素とタイムスケジュールを整合させていきます。100年ライフプランを作成すると、今の自分に必要なスキルや目標が明確になります。お金などの物的資産や人脈・スキルなどの無形資産、さまざまな要素を「どのタイミングで獲得して」「どの時点から活用するのか」が可視化できるので、ぜひ作成してみてください。
2-3.キャリアプランの作成
ライフプランがまとまれば、ライフプランのスケジュールに合わせたてキャリアプランを具体化しましょう。例えば次のようなキャリアプランが典型的です。
- 「20代までにやりたい仕事を見つける」
- 「30代で専門性を高めて転職する」
- 「40代で独立・開業する」
- 「子育てが一段落したら仕事復帰する」
- 「定年退職後は新しい仕事にチャレンジする」
人生100年時代を想定して高齢となっても自分が働ける機会を担保する為のキャリアパスを作り上げることが目標となります。自らが目指す姿を明確に描き、資格スクールやリカレント教育制度の活用を視野に入れたキャリアプランを作り上げましょう。
3.キャリアプランニングをする2つのメリット
キャリアプランニングをするメリットは次のとおりです。
- 目標に対して必要なことが整理される
- 自分に適した職業を見つけることができる
3-1.目標に対して必要なことが整理される
現在の職業に満足していない人や昇進を重ねて一定の地位にいる人などは、先を見据えたプランニングによって、「自分に欠けているもの」「備えてはいるが十分とは言えないもの」が明確になります。例えば、資格の取得状況について業務の都合上取得を義務付けられた「必置資格」なのか、それともスキルアップの目的で取得しようとしているが、会社のキャリアパスには関係がないのかなど、スキルや資格に関する評価をすることで、自らのキャリアプランを実現するためのヒントが浮かび上がってきます。
3-2.自分に適した職業を見つけることができる
スキル、知識、資格、人間関係など、入社してからの自分を振り返ることで、自分と仕事のミスマッチに気づくことがあります。長い就労期間や好不況によって転職や起業を検討することは必然になりつつあります。ところが起業などは一部の例外を除けば、ライフサイクルや資金調達力、人脈など、環境がある程度整った時点で決断しなければならないため適齢期があります。そういう意味でも、キャリアプランニングは「良い気づき」の機会となります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。人生100年時代は近い将来訪れるものではなく、すでに到来しています。「人生100年時代構想会議」は「より長いスパンで個々人の人生の再設計が可能となる社会を実現するため、何歳になっても学び直し、職場復帰、転職が可能となるリカレント教育を抜本的に拡充する」として、教育訓練給付拡充、産学連携によるリカレント教育への支援を打ち出しています。このような中、ビジネスパーソンはサスティナビリティ(持続可能性)という視点からも自らの意思で将来を描く時代に入ったと言えます。これからの自分に必要なものは何なのかを見極め、ぜひ新たな学びに挑戦しましょう。
パソコンスクールアビバ・資格スクール大栄では、キャリアナビゲーターがキャリアプランニングの相談・サポートも行っているので、自分だけでキャリアを考えることが難しいと感じている人は、ぜひ一度パソコンスクールアビバ、資格スクール大栄まで足を運んでみてください。
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