近年、日本の社会・経済・産業を取り巻く環境は、グローバル化やICT(情報通信技術)を基盤としたIOT・AI等のイノベーションへの対応とともに、人口減少を要因とする「ダイバーシティ」への本格対応が求められるなど、急激な変化の中にあります。このような環境下、ビジネスパーソンに対しては、多様な知識や価値観に対応できる「コミュニケーション力」を求める傾向が強まっています。そこで、今回は「コミュニケーション力」で求められる本質的な要素についてまとめましたので、キャリアアップを図りたい方はご参考下さい。
1.コミュニケーション力とは?
最近の企業の事業環境は、「グローバリゼーション」「イノベーション」「ダイバーシティ」という3つの大きな変化のうねりの中にあります。これらは今後の企業経営において多様な価値がぶつかり合うことによって、個人レベル・組織レベルで対立を生む火種にもなりかねません。この対立を制して新しい価値を創り出していくために必要な能力が、今後のビジネスシーンで求められる「コミュニケーション力」と言えます。以下、そのコミュニケーションに必要な力について解説します。
1-1.コミュニケーションに必要な3つの力
コミュニケーションに必要な力として以下の3つを挙げることができます。
- ロジカルに考える力
- 傾聴力
- 効果的に話す
ロジカルに考える力
「ロジカルシンキング」とは、さまざまな情報を整理し、ロジカル(論理的)に物事を捉え、誰もが納得できる説明を導き出す力です。主体性をもって自身の考えを発信するためには、持論がなくてはなりません。この持論を形成するためには、ロジカルに物事を考える力が必要になります。
ロジカルに考える力を身につけるためには、グローバル化等を見据え、自国の歴史や文化および世界の中における日本の位置付けを知ること、また、ディベート(議論)を重ねることで、持論に対立する他者の考えを客観的に評価するという受容性と柔軟性を養うことが必要です。
傾聴力
2つ目は、「傾聴力」です。対話の場において「発信する」ことにこだわり、単に自分の考えを主張することに終始するようでは、適切なコミュニケーションは成り立ちません。「自分とは異なる価値観」があることを前提として、相手の意見を積極的に聴き、その意見の側から持論を相対的に評価することで、持論にさらなる磨きをかけ、相手との対話を深めるという姿勢が必要です。
効果的に話す
相手とのコミュニケーションを意識するあまり、「何を話すか」に終始してしまうことがあります。しかし、コミュニケーションの肝は「いかに相手の話しを引き出すか」にあります。
コーチング技術の一つで「チャンクダウン」という手法があります。相手の話しをより具体化させていく手法で、「それは具体的に言うと?」「それをどの程度やったのですか?」というふうに、曖昧な表現から始まった相手の話しを深く掘り下げることで、自分から話題を無理に提供する必要もなくなり、相手の考えをより具体的に知ることができます。
もう一つが、「スライドアウト」という手法で、「他に何かありますか?」というように、相手に更に考えさせ、話しを横拡大していく質問方法です。この2つの手法を巧みに操って、相手の性向や考え方のポイントを掴むことができます。
1-2.コミュニケーション力が必要な3つの理由
近年のインターネット社会の進展とSNSの普及は、人と人が直接対面して言葉を交わすよりも、絵文字やスタンプといったツールを多用する文化を生み出し、意思を伝えるための言葉の組み合わせや、臨機応変に言葉の使用法を考える頻度を極端に減少させました。いわば、便利さの副作用としてコミュニケーション力の低下を招いたとも言えます。
この視点に立てば、いま、コミュニケーション力を必要とする理由として、以下の3つが浮かび上がってきます。
- 情報をわかりやすく整理できるようになる
- 場面・目的に応じた話し方のポイントがわかる
- どんな人とも効率的に関われるようになる
情報をわかりやすく整理できるようになる
コミュニケーションに必要な力として挙げた「ロジカルに考える力」は、相手に対して自らが「発信する言葉」を分かりやすく伝えるために、膨大な情報や言葉の組み合わせを論理的に整理しなければなりません。ディベートの経験なども必要ですが、相手の状況や立場を理解しないと、最適な伝えるべき言葉の組み合わせは出てきません。そのため、ロジカルに考える習慣をつけることで、情報の整理と相手を知るというコミュニケーションの原点に立つことができます。
場面・目的に応じた話し方のポイントがわかる
何かを人に伝えるとき、自分が発信する情報は正しいということが前提となっていますが、実際には、自分が発した言葉に対して相手がどのように感じたかということのほうが大切です。立場や視点が違うと、物事に対する考え方や言葉の受け取り方も異なります。対話に臨むとき、相手の立場に立って、相手にとって受け入れやすく、新たな価値を感じてくれるような言葉の組み合わせや、話し方(チャンクダウン手法など)を工夫する習慣を身につければ、それが新たなスキルとなります。
どんな人とも効率的に関われるようになる
前述の「チャンクダウン」と「スライドアウト」というコーチングスキルを身につける、または意識することで、相手がどのような立場の人であってもコミュニケーションを効率的・効果的にとれるようになります。今後増えることが予想される「グローバル化」「ダイバーシティ」といった多様な価値観と出会う機会を、新しい価値を生み出す最大のチャンスに変えることができます。これは、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップを図る上で、語学力とともに身につければ最大の強みとなるものです。
2.相手に合わせたコミュニケーションを考えよう!
人には様々な性格・タイプ・考え方がありますが、コミュニケーションの最大のポイントは、いかに信頼関係を築くかにあります。前述のコーチングスキルを使おうにも、信頼関係のない中で質問を多発すれば、相手に悪い印象を与えてしまいかねません。短いやり取りの中から相手の好むワードや話題を見つけ出し、そのことについての質問をしてさらに聞くという循環を作り出し、親近感や信頼という感情につなげていくのが効果的な方法のひとつです。
また、議論を好まない人もいますので、何か指摘すべき事項があったとしても、ストレートな物言いではなく、問題の箇所についての意見を伺うと言う姿勢で会話を進めれば、「争う」ことなく、相手に悟ってもらうことも可能です。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。最近のビジネスパーソンに求められる「コミュニケーション力」について解説しました。自らのキャリアアップを図る上では、高いレベルでコミュニケーション力を身につける必要があり、そのためには必要な知識を身につけることも重要です。今後はディベートの場で実践経験を積んだり、様々なタイプの人と会話したりすることも必要になってくるでしょう。「コミュニケーション力」の重要性について思い当たる節がある方は、この記事を参考に、人との接し方・会話の仕方について見つめ直してみてください。
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