新年度から気持ちを新たにして仕事や資格取得に取り組んだ方も多いのではないでしょうか。しかし、大型連休のゴールデンウィークが明けた後に、新年度のモチベーションを維持できず「やる気がでない」「仕事が楽しくない」など、5月病に悩まされる方も少なくありません。また、今年は、新型コロナの影響もあってテレワークでの働き方も影響されるでしょう。
そこで今回は、5月病を防ぐためポイントとして、普段の仕事や取組姿勢の見直し方、時間の使い方、生産性の向上に繋がるコツなどについて詳しくご紹介します。新年度の高いモチベーションを維持したい方、仕事のやり方で悩んでいる方などは参考にしてみてください。
1.社会人が陥りがちな5月病
5月病については明確な定義付けがされているわけではなく、ゴールデンウィーク明けから6月頃にかけて新社会人に多く見られる症状と言われています。「やる気の欠如」「なんとなくだるい」「食欲減退」「不眠」などが典型的な症状ですが、言葉自体は医学用語ではないため、原因が特定されているわけではありません。
なお、5月病は新社会人のみならず中堅に差し掛かったビジネスパーソンにも言える問題です。毎年しっかりとした目標や使命感を持っていないと、流れ作業のように仕事をこなす中でゴールデンウィークを迎え、長期休暇からのスイッチを切り替えられずに5月病に陥るケースも少なくありません。
5月病の原因としては、「新しい職場環境と人間関係への不適合」「社会人生活に対する想定と現実のギャップ」「入試や就活という競争を勝ち抜いた後の脱力感」「ゴールデンウィークで途切れた緊張感の修復ができない」などが挙げられており、本来は全て自分でコントロールしなければならない問題とも指摘されています。
また、偏差値教育で中学・高校・大学と苛烈な競争試験を突破し、就職戦線においても同様の競争を勝ち抜くというプロセスの中で、自分の個性を知り、それを活かした生き方を模索する時間的余裕がないまま社会人になることに原因があるとも言われています。
外国でも5月病に似た症状が出ると言われることがあります。日本との違いは、長期休暇を楽しく過ごした後のクレジットカードの精算への経済的不安や、一時的な生活パターンの変化などが原因といわれていることです。例えば、ブラジルでは「カーニバルロス」という言葉があり、文字通り命がけでカーニバルを楽しんだ(祭りの)あとの寂しさ、虚しさ、侘しさから仕事が手につかない状態がしばらく続くこともあります。
しかし、日本のように社会人生活の始まりや、職場環境と人間関係へのストレスを原因とするケースはあまり見られないため、日本独自の新年度システムや風土が生んだ症例だとも指摘されています。
日本人が社会人になるまでのプロセスを見ると、ライフステージのどの段階にあってもしっかりとした目標を持つことが大切であることがわかります。将来へ向けた明確なビジョンを持つことが、5月病を予防することにも繋がります。
2.5月病を防ぐ3つのポイント
新社会人にとっては、入社式から始まり、様々な研修を経て第一線に配属され、不慣れな道を歩き始める時期ですが、すでに社会人歴を積んでいる社会人にとっては、仕事上の目標はある程度決まっており、人によっては多少打算的な気分が芽生える時期でもあります。
新年度を迎えて新たな気持ちで仕事と向き合うにあたり、仕事の質を上げるための、もしくは自分自身を高めるための新たな目標を設定することで5月病の予防になります。
社会人が新たな目標を設定し、達成することを目指すには、日々の仕事を効率的に行い、目標達成のために費やせる時間を捻出することが必要になります。
以下で、忙しい中でも効率的に仕事を行い、時間を捻出するための3つのポイントについて見ていきましょう。
- タスクを小分けにする
- ポモドーロ・テクニックで取り組む
- 完了タスクを書き出す
2-1.タスクを小分けにする
資格取得を目指す場合、資格の種類は難関の国家資格から比較的取得しやすい業界認定資格まで幅広くあるので、自らのスキル向上のためにどのような資格を目指すのかを十分に考える必要があります。その上で、合格までのアウトラインを描き、仕事をしながら学習時間を確保することが大切です。
忙しい中でも学習時間を確保するには、まず、仕事のやり方について整理し、PDCA(Plan「計画」・Do「実行」・Check「評価」・Action「改善」)を明確にすることが重要です。出勤から帰宅までの一日のプロセスを把握することで、必要のある作業・ない作業を明らかにします。
この中には、日々の業務の進め方や、会議の目的と参加する際の姿勢、昼休みの過ごし方から飲み会の要・不要までを含み、それぞれのタスクを書き出して分類することから始めます。その上で、「ポモドーロ・テクニック」を駆使して時間管理による仕事の生産性向上と学習時間の捻出、学習効率の向上に繋げます。
2-2.ポモドーロ・テクニックで取り組む
ポモドーロ・テクニックとは、イタリア人起業家のフランチェスコ・シリロ氏が考案した時間管理術です。仕事、勉強、家事などのタスク(一定時間・期間内に行うべき課題や作業、仕事のこと)を、25分間続けて行った後に5分間の休憩をとり、これを4回繰り返す時間管理手法で、生産性の向上に効果があると評価されています。
ポモドーロとは、イタリア語で「トマト」のことを指し、フランチェスコ・シリロ氏がこの時間管理術を実践したときにトマト型のキッチンタイマーを使用したのが語源と言われています。時間を区切ることで、その時間の中で達成しなければならない目標が立てられ、そのタスクを終了したときの達成感や、やり遂げるまでの集中力とモチベーションの向上がこの時間管理術の最大の効能となります。
25分の取り組みと5分の休憩を「1ポモドーロ」として、4ポモドーロ回した後に長めの休憩(20~30分程度)を入れるサイクルで構成されるので、1日の就業時間の中で12程度のポモドーロ(12個のタスク)に取り組むことが可能になります。ポモドーロ・テクニックを使用する際は、次の6つのステップを踏むことになります。
行動内容 | |
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第1ステップ | 実行するタスクを決める(タスクシートを作成:今日やるべきことを決める) |
第2ステップ | タイマーを25分にセットする |
第3ステップ | タイマーが鳴るまで決めたタスクに集中して取り組む |
第4ステップ | タイマーが鳴ったら作業を終え、タスクシートにチェックを入れる |
第5ステップ | 5分間休憩(エクササイズなどでリフレッシュし、次のポモドーロに備える) |
第6ステップ | ポモドーロを4セットした後に20~30分程度の長めの休憩を入れ、頭をリセットする |
ここで注意しなければならないのが、1つのポモドーロに取り組んでいる最中に中断させないということです。これには外的要因による中断と内的要因によるものがあり、外的要因には来客や電話対応などが当てはまります。一度中断すると、1ポモドーロは最初からやり直さなければならないため、ポモドーロ時間中は電話や来客の取次を断るなど、社内やチーム内での事前の申し合わせが必要になります。
内的要因としては、ポモドーロ中にメールのチェックや、用事を思い出して誰かに電話を入れるなどの行為が挙げられます。なお、ポモドーロの中断で最も注意したいのが内的要因です。実行するタスクを決定する際には、多様な視点で計画を作成(目標設定)しているはずですが、途中で要件を思い出すこと自体が準備不足の現れとも言えるからです。
このようにポモドーロ・テクニックは、無駄のない目標設定と、決定したタスクを25分間でやり抜くというストイックな姿勢にかかっている点にも留意が必要です。
2-3.完了タスクを書き出す
25分間の目標設定にあたっては、やり抜くべき重要なタスクと必要なポモドーロを見積もります。そして、その結果が見積り通りだったかを精査し、次への対策の根拠としなければなりません。
中断の有無を含め、完了したタスクを書き出して当初の見積りとの差について分析し、設定した時間帯や事前の準備に問題がなかったかを見直すことで、タスクの特性に応じた正確な時間の見積りや、社内外の関係者とのコミュニケーションの取り方まで、改善点を見出すことができるようになります。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。ポモドーロ・テクニックを用いると普段行っている仕事の流れ・プロセスを見直し、例えば資格取得など目標達成のための時間を捻出することができます。そして、捻出した時間の範囲内で、ポモドーロ・テクニックを用いた学習のタスク設定が可能となります。仕事も資格取得のための学習もPDCAサイクルを回すことが重要ですが、Do「実行」の部分にポモドーロ・テクニックを差し込むことができれば、仕事も学習も集中力が高まり、効率的・効果的なものとなります。
新年度のモチベーションを高めたい方は、スキルアップや生産性向上のほか、5月病の予防にもつながる資格取得を検討してみてください。
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