公務員は様々な行政サービスを通じて国民や地域住民に貢献できる仕事です。親が子供になってほしい職業で常に上位にランクインしており、以前から安定した職業として人気があります。
そこで今回は公務員の仕事内容から、根強い人気を誇る理由について分かりやすく解説します。公務員への転職を考えている方や、就職したい職業が決まっていない方は参考にしてみてください。
1.公務員の仕事とは?
公務員とは国や地方自治体などの職員として勤務する職業です。公務員の種類は、主に国の職員として勤務する国家公務員と、地方自治体などで勤務する地方公務員に大別することができます。
国家公務員には様々な職種があり、それぞれの職種ごとに人事院が実施している国家公務員試験に合格すると国家公務員となることができます。
一方、地方公務員にも様々な職種が設けられており、地方公務員はそれぞれの自治体が実施する採用試験に合格することで地方公務員になることができます。
国家公務員と地方公務員のそれぞれの仕事内容は以下の通りです。
1-1.国家公務員
国家公務員は内閣府や外務省、財務省などの行政府で働く職員のほか、司法府である裁判所で働く職員、国会などの立法府で働く職員に分かれます。
行政府の職員
行政府の職員も国家総合職と国家一般職、国家専門職に分けて採用試験が行われます。それぞれの仕事の内容は以下の通りです。
国家総合職 | 政策の企画や立案、これらに関わる事務などを執り行います。国の将来に関わる政策を担う仕事で、内閣府や外務省、財務省などの1府12省の幹部候補です。 |
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国家一般職 | 政策を実行するために必要な行政事務を主に取り扱う職種です。行政事務のスペシャリストとして様々な勤務先で活躍しており、1府12省だけでなく税関や労働局などの国の出先機関でも活躍している職種になります。 |
国家専門職 | 国家専門職とは特定の行政分野における専門的な職務を執り行う職種で、国税専門官や労働基準監督官、外務専門職員、航空管制官などとして活躍できる職種です。例えば、国税専門官は税務のスペシャリストとして国税局や税務署に勤務するほか、適正な申告が行われているかどうかを調査指導する国税調査官として、または納税に関する指導や税金の督促などを行う国税徴収官として業務を行います。 |
司法府の職員
裁判所の円滑な運営を図るために活躍する裁判所職員などが司法府の職員です。裁判所における事務作業や裁判手続きなどの補助業務を主に執り行う職種となっています。
立法府の職員
立法府である国会で働く国家公務員で、衆議院事務局一般職や参議院事務局総合職などの職種があります。主に、国会における議会運営などをサポートする役割を担っており、日本の議会制民主主義を根本から支える重要な職種です。
1-2.地方公務員
地方公務員とは都道府県や市町村、政令指定都市、東京特別区などの職員として活躍する仕事です。
都道府県職員 | 主に広域的な行政サービスを担っており、市区町村の区域を超えた業務などを執り行います。具体的には、都道府県庁や出先機関などで治水事業や道路・河川などの管理のほか、義務教育や社会福祉に関する業務などに従事します。 |
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市町村職員 | 地域住民に密着した行政サービスを担う職業です。行政の窓口として主に戸籍登録などの手続きや各種施設の運営、まちづくりなどの業務を担います。市町村役場や関連施設での勤務となり、窓口業務などの地域住民に近い場所で行政サービスを行う職業です。 |
政令指定都市職員 | 人口50万人以上の大規模都市である政令指定都市で働く職員で、都道府県と市町村の機能を併せ持つ行政サービスの提供を行います。市町村の業務である行政の窓口業務のほか、都道府県の役割である都市計画や福祉などの行政サービスも執り行う職員です。 |
特別区職員 | 東京23区の特別区に勤務する職員で、主に市町村が提供する戸籍登録などの手続きや各種施設の運営、まちづくりなどの業務を担います。 |
2.公務員のメリット4選
公務員は職種に応じて様々な仕事に取り組む職業です。国政に携わる仕事や地域住民に貢献できる仕事は非常にやりがいのある仕事ですが、その反面結果も求められる難しい仕事でもあります。それでも、公務員が人気の理由は以下のメリットがあるからです。
- 雇用が安定している
- 福利厚生など待遇が良い
- 仕事を通じて社会貢献ができる
- 社会的な信用が高い職業である
2-1.雇用が安定している
雇用が安定していることは公務員として働くメリットの一つです。民間企業では業績悪化や経営不振によって職を失う可能性もありますが、公務員は景気の悪化などによりその職を失うことは基本的にありません。理由として、不況のときはより充実した行政サービスの提供などが求められるため、公務員には景気などに左右されず、長期にわたって職務に取り組める環境が整えられているからです。
公務員は国家公務員法や地方公務員法などによって身分が保障されており、景気の動向等でその職を失うことは基本的にありません。また、公務員は安定した収入も保証されており、民間企業の正社員と同水準の給与や年2回のボーナスも支給されるため、収入面でも安定した職業と言えます。
このように、公務員は強力な身分保障によって長期にわたって安定的に行政サービスに取り組むことができる上、一定水準以上の収入も得られるため、安定した職業として人気があります。
2-2.福利厚生など待遇が良い
公務員として働く場合、福利厚生や退職金などの労働環境が整っている点もメリットの一つです。公務員は基本的に週休二日制で、産休や育児休暇などの福利厚生も充実しており、子育て世代にも働きやすい職場環境が整えられています。民間では整備されていない企業もある介護休暇や育児の短時間勤務などの制度も充実しており、男女を問わずプライベートと仕事が両立できる職場環境が整っている点は大きなメリットです。
また、公務員には退職金制度も完備されており民間企業の統計を超える水準の退職金も支給されるため、老後の心配なども少なく長期的に働ける環境が整えられています。基本的に、国や地方自治体は民間企業のお手本となるように福利厚生を充実させなければならない立場のため、そこで働く公務員は手厚い福利厚生によって厚待遇のもとで働くことが可能です。
2-3.仕事を通じて社会貢献ができる
公務員は仕事を通じて社会貢献ができる職業です。社会貢献は民間企業でもできますが、民間企業は基本的に慈善事業ではないため営利を目的とします。そのため、社会貢献度の高い事業であっても採算がとれない事業を行うことは容易ではありませんが、公務員なら社会貢献度の高い事業を優先的に行うことが可能です。
そもそも、公務員に求められている仕事は安定的な行政サービスを提供することであり、福祉や教育などを筆頭に営利目的ではない行政サービスが大半を占めます。その中で求められるのは、公平かつ貢献度の高い行政サービスをいかに効率的に提供できるかです。
各事業には限られた予算もありますが、その範囲内であれば社会貢献を優先した事業を行えることは、公務員として仕事に取り組む大きなメリットとなります。
2-4.社会的な信用が高い職業である
公務員は国家公務員法・地方公務員法などでその身分が保障されているので、長期間にわたって安定的な収入を得ることが可能となり、景気の悪化などによって職を失う可能性の少ない職業です。そのため、社会的な信用力が高く、住宅ローンなどの審査にも通りやすいと言われています。
特に、民間企業では勤続年数が短い場合などは住宅ローンの審査に通りにくい傾向もありますが、公務員は安定的な収入が長期間にわたって保証される職業のため民間企業と比較すると審査も通りやすくなります。
このような社会的な信用の高さは将来の人生設計にも大きな影響を及ぼすため、信用が高いと評価される点は公務員として働く大きなメリットの一つです。
3.まとめ
いかかでしたでしょうか。今回は、公務員が人気の理由と公務員として働くメリットについて解説しました。公務員は安定的な雇用や待遇の良さが特徴の社会貢献もできる職業です。常に結果が求められる厳しい職業ではありますが、「公共の福祉に貢献する」という使命感を持って取り組むことのできるので、やりがいを感じることができます。
将来の就職や転職を考えている方は、老若男女問わず人気の公務員も検討してみてください。
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