社会人経験採用で公務員試験を受ける際の2つの注意点

公務員試験には、民間で社会人経験のある方を募集対象とした「社会人経験者の採用枠」が設けられています。新卒者の方が受験する「一般枠」の採用者試験とは募集要項が異なり、受験資格や試験内容なども異なります。この記事では、社会人経験採用で公務員試験の受験を考えている方に、公務員になる方法や社会人経験採用のメリット、社会人経験者枠で公務員になる際の注意点について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.公務員になる方法とは

公務員になるためには公務員採用試験を受験して合格することが必要です。国家公務員と地方公務員の採用試験はそれぞれ別々に行われており、募集要項や試験日程などもそれぞれの省庁や地方自治体によって異なっています。また、公務員の採用枠についても主に新卒者などを対象とした「一般枠」と社会人経験者などを対象とした「経験者枠」に分かれ、それぞれ募集要項が定められているのです。

1-1.一般枠

主に新卒者などを対象とした公務員採用枠となり、募集職種ごとに年齢制限が設けられています。国家公務員は30歳未満の年齢制限が多く、大卒程度一般職での募集も30歳未満が上限です。また、地方公務員もそれぞれの地方自治体によって定められた年齢制限があり、職種によって異なりますが概ね29歳までが上限となっています。

一般枠の試験は年齢制限をクリアすれば誰でも受験できる試験が多く、新卒者だけでなく既卒者や社会人経験者も受験することが可能です。

1-2.経験者枠

主に民間での社会人経験者を対象とした公務員採用枠です。一般枠と同様に年齢制限が設けられていますが、それ以外に民間での職務経験なども受験資格として必要になります。経験者枠の年齢制限は一般枠よりも年齢の上限が高いのが特徴です。また、民間で職務従事した勤務年数の要件も職種や自治体によって別々に定められているので、それぞれの募集要項を詳しく確認する必要があります。経験者枠は、一般枠で年齢制限を超えた転職希望者や民間の社会人経験を活かしたい方が受験するのに適した試験となります。

公務員試験は日程が重複しない限り複数の試験を併願することができます。そのため、応募したい職種や地方自治体などの募集要項を確認し、試験の出題科目などが重なる希望職種の試験を併願する応募者が多数を占めます。

2.社会人経験採用枠で受験するメリット

一般枠での公務員受験とは異なり、社会人経験採用枠で公務員試験を受ける場合は以下のようなメリットがあります。

  1. 択一式の教養試験のみで専門試験がない場合が多い
  2. 民間での職務経験を活かして就職活動ができる
  3. 給与は年齢と職歴に応じて決定される

2-1.択一式の教養試験のみで専門試験がない場合が多い

社会人経験採用で公務員を受験する場合、択一式の教養試験と論作文で1次選考を行うことが多くなります。一般枠の大卒程度では1次選考で専門試験が課されることも多く、在職中に受験しようとすると、学習時間を要し負担となることから、専門試験を課されずに受験できるのは大きなメリットといえます。
しかし、一部の専門職では択一式や記述式の専門試験が課される場合もあるので、希望職種の募集要項を詳しく確認する必要があるでしょう。

2-2.民間での職務経験を活かして就職活動ができる

社会人経験採用では、民間での職務経験を活かして就職活動を行うことができます。例えば採用試験で課される論作文で「職務経験を活かしてどのようなことができるか」といった出題がされるため、今までの職務経験を活かした作文でアピールできるのは大きなメリットです。

また、2次試験以降の面接や小論文などでも職務経験を活かしてどのような公務を行えるかが問われる傾向にあるので、職務経験を活かして有用な提案ができる方にとっては、アピールポイントになるでしょう。

2-3.給与は年齢と職歴に応じて決定される

公務員の給与は法律や条例などに基づいて年齢や役職に応じて決定されます。地方自治体などによって違いはありますが、社会人経験採用で合格した場合は基本的に職歴による給与の加算が行われます。同じ職歴であっても一般枠で合格した場合には職歴による給与の加算が行われないため、採用時の給与が一般枠よりも高くなるということが社会人経験採用の大きなメリットです。

上記以外のメリットとして、公務員試験は一般的に土曜日や日曜日に実施されることが多く、民間からの転職者にとって在職中でも受験しやすいことが挙げられます。ただし、社会人経験採用は一般枠での採用よりも募集人数が少ない場合が多く、採用人数に対して応募者の倍率が高くなる狭き門となる傾向がある点も留意しておきましょう。

3.経験者枠で公務員になる際の2つの注意点

社会人経験者枠で公務員になる際には「年齢要件」と「勤務年数要件」の採用条件に注意が必要です。ここでは、具体例を挙げながら注意点について確認してみましょう。

3-1.年齢要件

公務員の募集要項には必ずと言っていいほど年齢要件が記載されています。一般枠での採用は概ね30歳前後が受験できる上限年齢ですが、経験者枠でも受験できる年齢に上限が設けられている点には注意が必要です。

国家公務員の国家一般職(係員級)では40歳未満が年齢要件として設けられており、地方公務員では35歳〜40歳を上限とする自治体も多数あります。最近では、民間から優秀な人材を登用するために年齢要件を59歳まで緩和する自治体も増えていますが、年齢要件が残っている自治体が多いのも実情です。

政令指定都市でも年齢要件の残っている自治体はあり、神戸市は平成30年度実施の試験で昭和54年4月2日〜平成3年4月1日までに生まれた人(27歳〜39歳まで)に年齢要件を定めて試験を実施しました。

このように年齢要件によっては希望する試験を受験できないこともあるので、経験者枠で受験する場合には年齢要件を確認することが重要です。

3-2.勤務年数要件

社会人経験者枠で公務員になる場合のもう一つの注意点が勤続年数要件です。概ね5年以上の経験が募集条件となっていますが、募集する省庁や地方自治体によって条件が異なります。例えば、横浜市では受験する年までの7年間で5年以上の民間企業等での勤務経験、または青年海外協力隊(JICA)などの海外での国際貢献活動を2年以上継続していることが勤務年数要件です。民間企業等での経験には会社員や自営業者、アルバイト、パートタイマーでの経験が全て含まれ、雇用形態によらず週30時間以上の勤務を2年以上継続した経験が通算で5年以上あることが必要になります。なお、勤務先は一般事業会社だけではなく、財団法人や社団法人、NPOなどでの勤務経験も含まれるとなっています。

勤務年数要件に関しても、民間からの優秀な人材を登用するために条件を緩和する傾向がみられます。例えば上述の神戸市は年齢要件が設けられてはいましたが、勤務年数に関する要件は一切なく、専門職では建築士などの保有資格による試験の優遇措置が設けられています。

このように、社会人経験枠で公務員試験を受験する場合は省庁や各自治体によって定められた勤務年数要件があるので、応募前には詳しく確認しておきましょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。社会人経験採用で公務員を受ける際の注意点について確認しました。公務員試験は募集する省庁や自治体によって募集要項が細かく定められているため、なかなか理解しづらい点があるのも事実です。しかし、社会人経験採用においては今回説明した年齢要件と勤務年数要件が最も注意すべきポイントとなります。試験科目などの試験内容と併せて事前に細かく確認するようにしましょう。

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