【公務員試験を受験する方必見】民法改正の公務員試験への影響と対策まとめ

民法の改正法案が平成29年に国会で成立しました。公務員試験を受験する方は、一般教養試験や専門試験において民法改正による影響がどの程度あるのか気になるのではないでしょうか。この記事では、民法改正の概要や公務員試験への影響について詳しく解説していきます。改正民法をはじめとした公務員試験に対応するため、資格スクールの活用をおすすめする理由についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.民法改正の概要

平成29年5月に民法の一部を改正する法律が成立しました。今回の民法改正は、明治29年に民法が制定されて以来、およそ120年間ほぼ改正されていなかった債権法が大幅に改正されたことから、ニュースなどでも大きく取り上げられました。

債権法とは、債権や債務について定めた法律で、契約等に関する最も基本的なルールなどを定めた法律です。法律制定以来ほとんど見直しが行われていなかったため、現在の社会や経済情勢に合わせるべく改正が行われました。また、裁判の判例や実務で運用されている基本的なルールなどを民法の条文で明文化することも大きな目的です。

メディアでは債権法の改正が大きくクローズアップされていますが、平成30年7月には相続法改正の法案も成立しました。公務員試験に影響を及ぼす可能性のある民法の改正内容についてそれぞれの概要を確認してみましょう。

1-1.債権法の改正

今回の債権法改正は、改正項目が多岐にわたりますが、大きな改正項目としては次の4点になります。

消滅時効に関する見直し

消滅時効とは、債権者が一定の期間債権回収等の権利を行使しなかった場合に金銭などを請求する権利が消滅する制度です。改正前の民法では権利が消滅するまでの期間を10年と定めていましたが、これを「5年」に変更する改正が行われました。改正後も場合によっては10年間が時効となるケースもありますが、医師の診療報酬は3年などと職業別の債権について例外的に事項を設けていたものも全て「5年」に統一するのが、今回の改正です。これにより、商法で規定されている商取引により発生した商事債権の消滅時効5年とも統一され(=商事消滅時効制度の廃止)、法律で定められる債権の消滅時効は、基本的に5年間となります。

法定利率に関する見直し

あらかじめ利率の定めがない貸金や遅延損害金に適用される法定利率が5%から3%へ引き下げられます。旧債権法によって定められていた法定利率は、長い間5%で固定されていましたが、現在の金利情勢を反映させて引き下げを行うものです。今後も金利情勢によって自動的に変動する仕組みが採用されています。

保証に関する見直し

保証人を保護するために、極度額の定めがない個人の根保証契約は、改正後の民法では無効となります。また、個人が事業用融資の保証人となる場合は公証人による保証意思確認と公正証書の作成が必要になります。

約款(定型約款)に関する規定の新設

電気やガスなどの不特定多数の顧客と取引を行うケースでは、個別に契約書を締結するのではなく、詳細な契約事項を定めた約款に基づいて契約を行います。改正後は、約款に定めがあったとしても顧客の利益を害する不当な条項については、無効となります。また、約款の変更についても、顧客の利益を害する変更については事前に通知するなどの一定の手続きが必要です。

その他にも債権譲渡に関する見直しや意思能力制度の明文化、錯誤に関する見直しなど改正は多くの項目に及んでいます。

1-2.相続法の改正

相続法の改正では「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」と「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が法案として成立しました。相続法とは、相続に関する基本的なルールを定めた法律で、主な改正内容は次の3点です。

配偶者居住権の新設

配偶者が相続開始のときに被相続人(無くなった方)所有の建物に居住していた場合は、遺産分割で配偶者居住権を取得することが可能です。現行では、居住していた建物を遺産分割で受け取らない限り、居住する権利はありませんでしたが、改正後は配偶者居住権を取得することでその建物に終身または一定期間無償で居住することができます。

自筆証書遺言の方式緩和

現行制度では自筆証書遺言書を作成する際、財産目録についても全て手書きで作成する必要がありました。改正後は、署名押印をすることを条件にパソコン等による目録の作成が可能となりました。

法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設について

自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局へ遺言書の保管を申請することができるようになります。保管された遺言書は遺言者の死亡後に、相続人等が遺言書の写しの請求や閲覧を行うことが可能です。

このほか、預貯金の払戻し制度の新設や遺留分制度の見直しなどの相続法の改正が行われています。

2.公務員試験への影響は?

公務員試験を検討している方にとって、今回の民放改正が公務員試験にどのように影響するかは一番気になるポイントだと思います。既に、平成30年度(2018年度)東京都Ⅰ類B採用試験(一般方式)の一般教養では債権法に関する民法改正の問題が出題されています。

基本的に全ての公務員試験において必要となる教養試験では、時事問題または社会科学分野として民法改正に関する問題が出題される可能性はあります。しかし、時事問題や社会科学分野で出題されるとしても問題数は限られており、一般的な概要に関する基礎知識を蓄えることで対策は可能です。

一方で、影響が大きくなると予想されるのは専門試験における民法分野です。専門試験の法律関係では、基本的に試験が行われる時に施行されている法律から出題が行われます。そのため、国家一般職や国税専門官、裁判所一般職、地方上級などの専門試験では民法に関する出題が行われるので、受験する時期によっては改正民法の対策が必要です。

債権法に関する改正は、一部の規定を除いて令和2年(2020年)4月1日から施行されるので、2020年度以降に対象となる専門試験を受験する方は、改正された債権法に関する対策が必要になります。
相続法に関しては、自筆証書遺言の方式緩和に関する改正が2019年1月13日から施行されているので、2019年度の試験から出題される可能性があります。
その他の相続法の改正については、基本的に令和元年(2019年)7月1日から、配偶者居住権については令和2年(2020年)4月1日から施行されます。そのため、2020年度の試験から対策が必要です。

しかし、民法などの専門試験では改正直後の論点は、すぐに出題されない傾向があります。現時点では試験の傾向が大幅に変わるほどの出題は予想されていませんが、債権法は近年まれにみる大幅な改正となっているため、基本的な概要を押さえる対策は必要でしょう。

3.公務員試験に臨むなら資格スクール大栄がおすすめ!

公務員試験では受験する職種などにより出題傾向が異なっているため、それぞれの試験に合わせた対策を行うことが必要になります。また、専門試験においては、今回改正が行われた民法分野をはじめとして、出題範囲が広いため効率の良い学習が必要です。

資格スクールの大栄では公務員試験の過去の傾向を徹底的に分析し、それぞれの試験に応じたテキストや講義により効率的に学習することが可能です。さらに、長期の試験勉強でもモチベーションの低下が起こらないように、継続して学習できる環境を整えている点も受験生にとっては頼りになるでしょう。

今回の民法改正のように、大幅な改正については全ての改正項目を独学で学習するには限界があります。資格スクール大栄を活用した効率の良い学習も学習方法の一つとして検討してみてください。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。専門試験では改正直後の論点が出題されにくい傾向にありますが、今回は全ての改正内容が出題されないことは考えにくいほど、大幅な改正が行われています。2020年度以降の公務員試験を受験する方は、資格スクールを活用して本試験に臨むことをおすすめします。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール「大栄」では、公務試験試験対策用のコースが用意されており、受験する職種別に合格ノウハウの詰まったカリキュラムを選ぶことができるので、公務員試験の受験を考えている方に広く対応することができます。民法改正の影響が大きいと考えられる、専門試験で民法分野が出題される職種を受験する方はもちろん、効率よく公務員試験対策を行いたいという方も活用を検討してみてください。

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