地方公務員の仕事って?仕事の種類や人気の職務内容を徹底解説

社会不安や経済状況が悪化するとあらためて注目される職業が公務員です。その安定性ゆえに、就職先として根強い人気を誇りますが、近年は、新卒の地元回帰というトレンドも手伝って、地方公務員に熱い視線が注がれています。

そこで今回は、公務員を目指す方、転職を検討している方のために、地方公務員の仕事内容や人気の職種について詳しく解説していきます。

1.地方公務員の種類とは

地方公務員は、各都道府県や政令指定都市、市区町村、特別区(東京23区)で、その採用を例年募集しています。それぞれの職務や仕事内容は多少の違いはあるものの、主に次のような職種があります。

・地方公務員の主な職種

その他資格免許職と言われ、国家資格や免許が必要となる部署で働く公務員です。県立病院や図書館等の看護師、薬剤師、獣医師、保健師、栄養士、司書

職務内容 具体的な職種
行政職 技術、公安、心理・福祉、その他のいずれにも該当しない職員で、まちづくり、福祉、ごみ処理、戸籍、住民の健康等広範にわたってその地域の住民の社会生活を支える業務を行います。 事務を行う一般行政職
技術職 農業、機械、建築・土木、化学等の区分ごとに採用されるいわゆる理系職員で、専門性の高い技術系職員として地域産業の発展と住民の安全な暮らしを確保するための研究を行います。 農林水産技術の研究職、水質管理・保全等
公安職 地域の治安を担う職務に就きます。 警察官、消防士、消防吏員
心理・福祉職 心理職は、地方上級心理職と呼ばれ、都道府県や政令市等に所属して、児童心理司等として児童相談所のケースワーカー等の業務に就きます。福祉職は、都道府県、政令市等において社会福祉施設や児童相談所などに配属され、指導、相談、調査等を担います。 ・心理職:児童相談所ケースワーカー、県立病院等における心理判定担当等
・福祉職:各施設の指導員、相談員

地方公務員の採用試験は、「上級」「中級」「初級」の3つに区分されており、どの区分の試験に合格するかによって職務の内容やその後のキャリアに影響します。難易度については、上級試験は大学卒業程度、中級試験は短大・専門学校卒業程度、初級試験は高校卒業程度の受験者を想定した試験がそれぞれ行われます。

2.地方公務員の仕事内容

地方公務員では行政職や技術職が人気の高い職種となっており、採用試験の競争倍率も高いのが特徴です。その具体的な仕事内容について見ていきましょう。

2-1.行政職

都道府県の行政職で採用された場合、まずは知事部局や企業庁、教育機関などの本庁機関や出先機関に配属されることになります。そこで、日本の最優先課題でもある少子高齢化や人口減少時代への対応、地域の産業構造の転換、環境問題への対処等々に対処すべく、諸施策の企画立案や広報活動、調査研究、法令等に基づく許認可、国や都道府県内市町村との連絡調整等の仕事をします。

知事部局は、総務、安全防災、環境、農政、福祉・健康、産業、医療、土木、会計等都道府県における政策を立案・推進する部署全てが該当します。企業庁とは、水道事業や電気、その他公営事業を直接運営する部署です。

2-2.技術職

農業政策を例に挙げると、地域の農業を持続的に発展させるための諸施策の企画・立案、地域内農産物の公報や新規就農支援等に取り組む業務です。新品種や新しい栽培技術の開発研究、作物の病害虫防除等に取り組む中で、直接地域の農業者とコミュニケーションをとりながら、地域農業の発展に寄与する仕事です。本庁の農政部局(農政課や農業振興課など)や農業に関する技術センター、ブロック別に設けられた農林事務所等に配属されることもあります。

3.人気のある一般職とその理由

民間の調査会社が行った「第6回就職したい企業・業種ランキング調査」(2020年2月 リスクモンスター社調べ)によると、第1位は2年連続で地方公務員となりました。また、公務員志望者の学生を対象にさらに職種を細分化して調査したところ、地方公務員は2位(1位は国家公務員行政職)でしたが、市役所勤務とその他行政職が最も志望者が多く、次いで小中学校教員・保育士の順となっています。

3-1.市役所の一般職員

公務員志望の学生が都道府県職員よりも市役所を選ぶ理由は、勤務エリアにあります。「地元で働きたいから」「通勤時間が短いから」といった地元回帰志向に起因する理由のほか、比較対象となる都道府県職員との給与格差が少ないという点も影響しています。

どちらも給料と身分保障の安定性という意味においては格差がなく、元来、育児休業などの福利厚生制度がしっかりしている公務員職においては、生涯にわたって勤務しようと思えば、「近いほうがいい」と考える学生が多いのが主な理由です。

3-2.教育職員

男女別に上記の調査結果を見ると、男性には市役所・その他行政職の人気が高く、女性には小・中・高校教員・保育士、公的医療機関勤務の人気が高くなりました。この結果から、男性は地域の行政に対する貢献意欲の高さが表れ、女性は教育や医療に対する関心度が高いと言えます。

教員や保育士については、公務員に限らず、子どもにも人気の職業です。就職時期が近づくと、職業や給料の安定性を求めて、民間よりも公務員としての教育者を目指す学生は多くいます。明確な職業像と目的を持ち、夢の実現に向けて必要な資格を取得した上で公務員試験に臨むため、競争倍率の高い採用試験となっています。

3-3.警察官

地方公務員の中では警察官も人気の職種です。採用試験の倍率は各都道府県や市区町村で異なりますが、例年5~7倍で推移しています。

なお、警察庁が2013年5月に公表した「警察における女性の視点を一層反映した対策の推進に関する報告書」には、ダイバーシティを受容して組織力を強化する方向性が示されています。

この報告書においては「強く優しい警察と安全・安心な社会」の実現を目指す姿勢が鮮明となり。これを受け、都道府県警察においては、女性警察官増員とともに警察官採用活動の多角化が進められています。例えば、兵庫県警察においては、警察官採用試験制度の見直しとして次の4点を挙げています。

  • 試験回数を年2回から3回に増加
  • 身長及び体重基準の撤廃
  • 体力検査実施基準の公表
  • 情報処理区分にB区分(大学卒業者以外)を新設

これは試験内容自体を甘くするのではなく、受験機会を増やすことで多様な人材を確保しようとする姿勢を明確にした見直しと言えます。試験から採用後の対応として、警察官に特化した独自の適性検査の実施や、採用後の初任教養の強化と初任科生の体力向上対策の強化などを推進することで、むしろ警察官としての資質向上を鮮明にした内容となっています。

これまでの「職人気質」ともいえる性向が強かった時代に比べれば、職務の特殊性はあるものの、働き方や待遇自体は他の公務員と格差がないこともあり、警察官の人気は上昇傾向にあります。

4.まとめ

国や地方自治体は、最近、社会人経験者枠採用を積極化するなど、企画力やマネジメント能力のある人材確保に力を入れており、ダイバーシティを意識した採用にも積極的に取り組んでいます。公務員は身分や給与の安定性ばかりが注目されがちな職業ですが、その仕事内容は国民全体の奉仕者として公共の利益に尽くすという意義の高い職務です。特に地方公務員はその地域に密着して市民の声に真摯に耳を傾けることが求められます。

地方公務員を目指す際は、まず募集職種をチェックし、自分の専門性が活かせる、または自分のやりたい仕事を明確にすることから始めましょう。

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