公務員を目指されている方であれば、既にお気付きの方が大半だと思われますが、『受験先に提出する受験申込書=エントリーシート』は、大変に重要なものです。
就職先としての公務員は、先行き不透明な経済社会のなかにおいても、基本的にリストラがなく安定したキャリアを継続できる。また、人事制度・福利厚生も充実していることから、人気があり難易度は高くなっています。つまり、かなりの『売り手市場』ということです。
そんな『売り手市場』である公務員試験では、筆記試験で高得点を取ることは当たり前であり、人物重視での採用となっているのが現状です。人物重視の採用のために、面接官としては沢山の応募者全員に、十分な時間を掛けて「人となり」を判断したいと思っているのですが、残念ながら難しいのが現状です。
そこで、事前に提出する『エントリーシート』で事前情報を確認し、限られた時間の中で「人となり」を知ろうとされています。受験生側としては、面接官に「この学生に会ってもっと話を聞いてみたい」と思っていただけるような『エントリーシート』を提出することが大切ですね。
エントリーシート記載の大原則
- 自己分析を行う
- 志望先の情報収集
- エントリーシート作成
難関の公務員試験を突破するために、『エントリーシート』をどのように書けばいいのか、誰もが頭を抱える問題です。原則は、『エントリーシート』の目的、「自分らしさを伝える」ことを忘れずに取り組むことです。
具体的には、まず、いきなりエントリーシートを書き始めるのではなく、自分の棚卸から始めます。自身の得意・不得意を書き出し、そう思った経験を思い出しましょう。これは、いくつでもOKです。過去を遡って思い出せるだけ思い出しましょう。
次に、志望先の情報を集めてください。志望先の公式Webがあれば、閲覧は必須です。
いよいよ『エントリーシート』を書き始める段階では、まずは、心を込めて、自分史上最大限に丁寧な字を書きましょう。丁寧な文字は『読む相手に配慮している』ことに他なりません。書く文章は、最も伝えたいことを冒頭に端的に記載し、その理由やエピソードをコンパクトに続けます。最後に、そこから学んだことを仕事にどう活かすか、とまとめることで、面接官に「この人はどんな働き方をするか」を想像してもらい易くします。
借りてきた自己PRはPRになりません
「自分らしさ」は自分の経験からしか生まれません。市販の対策本の文章をそのまま載せても、いずれ面接で質問をされて困るだけです。そもそも、これから長い間、一緒に働くうえで、時間を掛けて「人となり」を知ろうとしている相手、面接官に対して失礼です。
過去の経験を遡ることで、自分の好き・嫌いを知る。また、自分の得意・不得意を知る。この過程こそが、仕事をしていくうえで培われていく「自分創り」に繋がるはずです。筆記試験対策と同様に、時間を掛けて取り組みましょう。
ちゃんと調べた志望動機を書きましょう
そこで働きたいという想いが真剣であれば、働く先のことを知りたいと思うのは当然ではないでしょうか。面接官は、受験生が自分たちのことをどれだけ知ってくれているのか、を、そのまま受験生の本気度、と受け取ります。
受験先によって、欲しい人材は異なります。まずは、相手を知ることから始め、その中で自分がどう貢献できるのかを考えることが大切です。
最後に、「志望のキッカケ」と「志望動機」では求められている回答が違います。「志望のキッカケ」は、なぜ公務員を目指そうと思ったのか?であり、「志望動機」は、自分のどんな能力を活かして、どう貢献していきたいと思っているのか?です。混同しやすいので、整理して記載していきましょう。
エントリーシートを完成させるまでには、悩んだり、何度も書き直したりすることもあるでしょう。「自分らしさ」には明確な答えがない、また、自分のことを振り返る機会が少ない、ことなどから、筆記試験対策よりも大変だと感じる人もいるかもしれません。
様々なスクールで提供している、『自己分析』や『エントリーシート対策』を利用するのもひとつの方法です。また、視点を変えて「自分なら、どんな人と一緒に働きたいだろう」「誰かのために働ける人って、どんな能力がある人なんだろう」と考えてみることもいいでしょう。全力で取り組んで、ぜひ「自分らしさ」を知ってもらいましょう!