◆仕事と直結しやすい人気の「CAD利用技術者試験」
「CAD利用技術者試験」は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催しており、1990年10月の創設以来25年間、現在までに延べ57万人を超える総受験者と、19万人を超える合格者を排出している実績のある資格試験です。試験は「2次元CAD利用技術者」「3次元CAD利用技術者」の2種類あり、それぞれレベルが設けられています。
「2次元CAD利用技術者」は「基礎」「2級」「1級」に分かれ、さらに「1級」は分野別に「機械」「建築」「トレース」に分けられます。「3次元CAD利用技術者」は「2級」「準1級」「1級」と受験者のレベルに合わせて資格取得を目指すことが出来ます。試験ではCADシステムに関連する知識の理解度はもちろん、 建築図面、機械図面だけに限らず、様々な図面の作図、トレース技術が求められます。 またパソコンに関する知識やそれに付随する業務知識などについても、幅広く出題されます。
今回は「2次元CAD利用技術者」を紹介していきたいと思います。
◆2次元CAD利用技術者試験基礎
2次元CAD利用技術者試験基礎は、CADシステムの基本的な知識を問う試験になっていて、工業高校や高等専門学校生、CADスクール受講生などのCADシステムの初学者に適した試験内容となっています。
受験資格 | 特にありません |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 4000円+消費税 |
試験内容 | ●CADシステムの知識と利用(CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ) ●CADシステムのプラットフォーム(CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、コンピュータの操作、OSの基本操作) ●製図の知識(製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法) ●図形(三角形、四角形と多角形、円、三平方の定理、三角関数、立体図形)※ 出題数:50問 |
合格基準 | 総合7割以上の正解 |
◆2次元CAD利用技術者試験2級
2次元CAD利用技術者試験2級は、半年以上CADシステムを利用している企業において、製図業務や営業・販売等の業務に従事している方や、CADシステムを学んでいる方を想定した試験内容となっています。CADに関する専門知識(CADシステム、製図)とCADシステムを利用し設計・製図業務を行ううえで必要な知識の修得を目標にしています。
受験資格 | 特にありません |
試験時間 | 60分 |
受験料 | 5500円+消費税 |
試験内容 | ●CADシステム(CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ、CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、CADシステムの運用・管理と課題、3次元CADの基礎知識) ●製図(製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法) CADシステムの知識:60% 製図の知識:40% |
合格基準 | CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上の正解 |
◆2次元CAD利用技術者試験1級
2次元CAD利用技術者試験1級は、機械・建築・トレースの3種類に分かれます。機械・建築の試験は機械CAD、建築CADそれぞれのシステムを利用していて、主として設計・製図業務に従事し、1年以上の就学・就業経験のある方を想定した試験内容になっています。トレースは汎用系のCADシステムを利用し、主として2次元図面のトレース業務に従事していて、半年以上の就学・就業経験のある方を想定した試験内容になっています。
受験資格 | 2級有資格者および過去の1級合格者に限ります |
試験時間 | 80分 |
受験料 | 15,000円+消費税 ※過去の1級合格者は10,000円+消費税 |
試験内容 | それぞれCADシステムを使用した実技問題と専門知識を問う筆記問題。 実技試験:75% 筆記試験:25% |
合格基準 | 実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上の正解 |
◆CADオペレーターを目指すならまずは2級合格を目指そう
CADオペレーターになるには、資格は必要ありません。ただ、これから目指そうとするのなら、取得しておきたい資格です。資格がなくても仕事はできますが、資格取得を目指して学ぶことで得ることは多くあります。業務の中で指示を受けながら覚えていくと、基礎的な知識を体系的に学ぶ機会はなかなかありません。CADに関して総合的に学べることは、今後CADオペレーターとして働く上での財産になることでしょう。
また、就・転職を考えるのなら、CAD操作がどれほどできるかの客観的な判断材料となります。企業によっては、資格手当がつくこともありますので、試験合格を目指す価値は十分にあります。CAD資格はその他にも「建築CAD検定」「AutoCAD2017 プロフェッショナル/ユーザ」等もあります。あなたの目的に合わせて資格選びをしましょう。何を取得すればいいのか迷う方は、スクールなどの無料体験会、説明会などに参加してみましょう。CAD業界の現状なども教えてもらえると思うので、とても役立つと思います。