新型コロナウイルス感染症がもたらした経済への影響は、働き方改革とともに推進中であった昭和型雇用システムからの脱却に拍車をかけています。企業にはより高い生産性が求められ、転職のハードルが下がった個人にとっては、自身の市場価値を高めるためのキャリアの多様化が進むことになるためです。将来の転職を前提としつつ、その第一歩としての就職先を考える学生が増加する一方、より安定した職業として公務員を選択する学生が増加するという2極化が進んでいます。
そこでこの記事では、公務員資格があらためて注目されている理由について詳しくご紹介します。転職を考えている方、安定した職業に関心のある方は参考にしてください。
1.公務員は昔から安定した職業として人気
公務員資格の魅力はその「安定性」にあります。公務員の安定とは、ほぼ完全年功制と言われる給与体系に基づく「経済的な安定」と、国家・地方ともに公務員法によって定められた「身分保障」にあります。これらは経済状況の変化にほとんど影響されないという意味で、民間企業との違いが際立つ特性となっています。
そのため、景気の悪化局面や世情が不安定な時代には特に公務員への志向が高まる傾向があり、国や地元のために役に立ちたいという本来の志望動機も踏まえつつも、高い安定性が公務員人気の大きな要因と言えます。
2.今、公務員資格があらためて注目されている3つの理由
この度の「コロナ禍」において公務員資格が注目されている理由についてご紹介します。
2-1.安定した雇用がある
最近の国家公務員採用者数(総合職大卒程度・法務区分除く:人事院資料)を見ると、公務員全体の採用者数は減少傾向にあります。2012年度に20,224人であったところ、2017年度では18,121人と5年間で約1割減少しています。また、地方公共団体においても、1994年度をピークとして、1995年以降21年連続で減少しています。
ただ、採用数自体は減少しているとはいえ、公務員にはいくつもの採用職種や形態があり、毎年一定の採用数が確保されています。国家公務員の総合職試験では「大学院卒」及び「大学卒程度」と言う区分があり、一般職試験においても、「大卒程度」「高卒程度」「社会人」という3区分が設けられており、行政職の受験機会は多いと言えます。
また、専門職の国家公務員という枠組みでは、「国税専門官(税務署職員等)」「財務専門官(財務省の出先機関職員等)」、労働局や労働基準監督署の職員となる「労働基準監督官」など、その役割と立場は多岐にわたります。このほかに非常勤職員という立場もあり、一口に公務員と言っても様々な形で雇用機会が確保されており、公務員と言う枠組みの中で職を得ようとすれば、選択肢が多いことが分かります。
2-2.給料が安定している
公務員の給与水準と民間との比較は、そのタイミングによって評価が分かれます。経済状況が悪化した時では民間企業よりも高いと指摘されることがある一方、景気が良い時には低くなることもあります。
公務員給与はほぼ完全年功序列型なので、民間で活用される「役職定年」などという調整機能もありません。公務員の初任給自体は高いとは言えませが、年功序列型の特性として長く務めるほど高くなります。例えば30代前半の年収は500万円程度、40歳代で600万円から700万円程度と、職業人生の前半は民間企業に比べれば比較的スローな昇給ペースと言えます。
しかし、安定という意味では景気の動向やコロナ禍のような世情に左右されることなく昇給し、公務員を全うすると最終的に高額な退職金と年金が得られるのは、大きな特徴と言えます。
2-3.地位が安定している
行政組織には民間企業よりも厳しい公平性や説明責任、行政や法令に関する知識が求められます。このような重要な役割を担う職員が安心して公務に専念できるようにするため、国家・地方公務員ともに公務員法によって次のようにその身分が保障されています。
「職員は、法律又は人事院規則(地方公務員の場合は「地方公務員法」)に定める場合(勤務実績不良、心身故障による職務遂行困難等)以外は、職員本人の意に反して、降任、休職又は免職されることはない」(国家公務員法第75条)。
公務員の安定性は働く女性にとっても有利に働きます。結婚・出産・育児というライフステージでは、一旦退職した後に同じ職場に復職することは、民間企業では困難な場合もあります。復職できたとしてもキャリアの中断は埋めがたいハンディを抱えることもあります。そのため最近は、福利厚生制度の充実している公務員を志望する受験者が増加し、合格者に占める女性の割合も31.5%で過去最高を記録しました(2019年度国家公務員採用総合職試験)。
3.資格スクール大栄ならオンラインレッスンで受講できる!
公務員になるためには、公務員試験に合格しなければなりません。国家公務員試験・地方公務員試験ともに競争倍率は高いため、体系立てた学習が不可欠となります。なお、資格スクールは沢山ありますが、新型コロナウイルスの影響で通学による受講を制限しているスクールも多くあります。
一方、資格スクールの大栄ではオンラインレッスンの対応も可能なので、自宅に居ながら学習を効率的に進めることができます。スマートフォンやPCがあればどこでも受講可能で、専門講師陣のオンラインでの質問対応や学習のためのカウンセリングなどのサポート体制も充実しています。
4.まとめ
コロナ禍の影響により、民間企業では経営破綻や業績不振に陥り、従業員の解雇に至るケースが見られます。また、解雇に至らずとも自宅待機による給与の不支給、非正規労働者の雇止めや契約解除等も発生しています。そのため、身分や給与の安定している公務員にあらためて注目が集まる結果となっています。
なお、公務員試験の合格を目指すには、学習スケジュールをしっかりと立てて、学習を効率的に進めることが大切です。必要によっては資格スクールや通信講座を活用するなどして、ご自身に最も合った学習方法を検討しましょう。
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