国の機関で働く公務員を国家公務員と呼ぶのに対し、都道府県や市町村などの地方自治体で働く公務員は地方公務員と呼ばれています。一言で地方公務員といっても、その職種や区分は幅広く、様々な仕事内容を担っています。
そこで今回は、地方公務員の職種や仕事内容について解説していきます。
地方公務員の仕事・職種って?
地方公務員は役割から大きく分けて、4つの枠組みに分けられます。
- 社会の安全を守る
- 子供の保育・教育に携わる
- 住民の医療・健康に携わる
- 地域住民の生活を支える
以上4つの枠組みに職種や仕事内容を当てはめながら見ていきましょう。
社会の安全を守る公務員
社会の安全を守る地方公務員は、警察官や消防士などが挙げられます。
警察官
都道府県警察署に配属される警察官は地方公務員です。
交番勤務のお巡りさんなども住民に身近な地方公務員といえるでしょう。
住民の安全を守るため、110番通報への対応やパトロール、違反者の取り締まりや各種犯罪調査、防犯への取り組みなどが主な仕事内容です。
また、都道府県警察署で働く警察官以外の職種(事務・総務・会計)なども地方公務員にあたり、警察署運営のために必要な業務などを行っています。
消防士
地方自治体の消防本部や消防署に勤務する消防士も地方公務員です。
主に火災発生時の人命救助や消火活動に加え、火災予防への取り組みや建物や組織の防火対策の調査・改善指導を行います。
都道府県警察と同じく、消防署に勤務する他職種も地方公務員に分類されます。
子供の保育・教育に携わる公務員
子供の保育・教育に携わる地方公務員として、保育士・幼稚園教諭や、教師、養護教諭などが挙げられます。
保育士・幼稚園教諭
保育士とは、乳児から幼児までを預かり、身の回りの世話をしながら成長発達にアプローチする職業です。保育士の中でも、市立・公立保育園で働く保育士は公務員保育士と呼ばれ地方公務員に分類されます。幼稚園教諭も保育士と同じく、市立・公立幼稚園で勤務する場合は地方公務員です。
幼稚園教諭と保育士の仕事内容に大きな違いはありませんが、対象とする子供の年齢が、保育士は0歳~小学校就学前まで、幼稚園教諭は3歳~小学校就学前までと規定されています。
また、世話をする子供に接する目的も少し異なっており、基本的な生活習慣を養う保育士に対して、幼稚園教諭では小学校就学のための準備を目標としながら子供たちに接します。
教師
公立・市立の小学校・中学校・高等学校で勤務する教師は地方公務員です。
勤め先の学校によって業務は変化しますが、共通しているのは学校に通う生徒に教育を行う仕事だということでしょう。
また、特別支援学校や特別支援学級の支援員も公務員に分類されます。
特別支援員の場合は、一般的な教育とは異なり、障がいを有した個々の生徒に合った教育を展開する仕事です。
なお、私立の教育機関で働く教師は地方公務員にはあたりません。
養護教諭
養護教諭とは、学校内で養護に携わる職業です。保健室の先生というとイメージしやすいでしょう。
子供たちの健康や安全を守るため、けがなどの応急処置や医療機関受診の判断、健康診断や健康相談、学校によっては性教育などの保健科目に携わることもあります。
養護教諭の場合も、市立・公立校に勤務する場合は地方公務員に分類されます。
住民の医療・健康に携わる公務員
住民の医療・健康に携わる地方公務員には、看護師や保健師、栄養士などが挙げられます。
看護師
看護師とは病院や診療所に勤務し、医師の診療補助や患者さんのケアを行う職業です。
主に国公立病院や、公立の保育園・幼稚園に勤務する場合は地方公務員となります。
医療機関では看護計画の立案や薬の管理、患者さんへのケアなどが主な仕事となりますが、保育園看護師の場合は子供や保護者、保育園職員の健康を守るための仕事に携わります。
保健師
保健師は、行政が設置する保健センターや保健所に従事し、地域住民の健康診断や保健指導などを行います。
また、地方自治体によって異なりますが、妊婦さんのためのマタニティ教室や新生児家庭への訪問、児童・高齢者虐待の予防や対応なども仕事内容に含まれるケースがあります。
保健所・保健センターなど行政の機関で働く場合は地方公務員です。
市が管轄している地域包括支援センターで従事する場合も地方公務員となりますが、産業保健師として一般企業で働く場合や、市営以外の包括支援センターなどは地方公務員とはなりません。
栄養士
栄養士とは、食事や栄養の指導、献立作成や食材の発注などの仕事を行う専門職です。
栄養士の勤務先として、病院や学校、保育園や老人ホーム、一般企業などさまざまな活動場所が挙げられますが、このうち国公立の職場に関しては地方公務員と分類されます。
例えば、国公立病院や市立小中学校など、地方自治体運営機関で働く栄養士は地方公務員です。
地域住民の生活を支える公務員
地域住民の生活を支える地方公務員には、市役所の職員や施設職員が挙げられます。
市役所職員
市役所に勤務する職員の方々は地方公務員です。日常生活のなかで最も身近な地方公務員かもしれません。
市役所職員といってもその仕事内容は様々ですが、多くは各行政関連の事務を行っています。
市役所においても、税務課・年金課・保険課・総務課・環境課などさまざま分野に分けられます。様々な部署において、事務手続きや生活相談・サポート、地域のまちづくりなどに従事することが仕事内容です。
施設職員
施設職員とは、各地方自治体が運営する様々な施設に勤務する職員を指します。
例えば、学校や病院、図書館や市民センター、ホールや体育館などが挙げられますが、地方自治体が運営する職場に勤務する職員は地方公務員です。
事務業務などを行いながら、地域住民を支えるまちづくりに貢献しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。地方公務員は、勤務先や仕事内容が多岐にわたります。今回ご紹介した主な職業以外にも地方公務員の仕事は数多く存在します。
全ての職業に共通するのは、最も近いところで地域住民を支えることができる、やりがいのある仕事だということと、地方公務員試験を受験する必要があることです。各専門職の資格試験以外にも、公務員試験に合格しなければ地方公務員になることはできません。
安定した生活や仕事でのやりがいから、地方公務員を目指す人は増加傾向にあるので、しっかりと試験対策を行って万全の態勢で地方公務員試験に臨みましょう。
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