就職・転職時や業務上で活用できるFP2級を取得する方が多い中、合格後の活用方法を知りたい方や、FP2級と併せて取得したい他資格を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、FP2級を取得した後の進路やキャリアアップの方法、ダブルライセンスを取得するメリットについて詳しく解説していきます。FP2級を仕事で最大限活かしたい方、さらなるステップアップを目指したい方は、ご参考ください。
1 FP2級合格後の流れ
FP2級合格後の主な進路は、大きく2つあります。1つ目は、FP2級を活かせる職場に就職して働くという選択肢です。FP2級を取得すると、資金計画、年金・保険、資産運用、税金、不動産、相続・事業承継などの知識を取得でき、個人・法人に関する資金計画や税金などの問題に対してアドバイスをしたり、提案したりできるようになります。
FP2級取得の際に学んだ知識を活かせる業種も様々なので、活躍できる職場も多いのが特徴です。
2つ目は、他の資格を取得してステップアップを図ったり、業務の幅を広げたりする選択肢です。他の資格取得を目指すことで、FP以外の知識も身につけられるため、スキルアップにつながります。
他の資格を取得することで業務の幅をより広げることが可能になり、そのぶん、収入源も増えるため、将来的にFPとして独立しやすくなるのもメリットです。
2 FP2級合格後の就職先
FP2級の資格を活かせる業界・業種は、以下の通りさまざまです。詳しく確認してみましょう。
2-1 金融・保険業界
FP2級を活かせる就職先としては、銀行や証券会社などの金融業界が代表的です。銀行では、住宅ローン、マイカーローン、カードローンなど各種ローンサービスやクレジットサービスを提供しています。銀行に就職して、上記の業務に携わる場合、ローンやカードに対する知識が求められます。
FP2級の試験でも、「ライフプランニングと資金計画」の分野でローンとカードに関する知識が問われます。そのため、FP2級取得の際に学んだ専門知識を銀行業務の中で活かすことが可能です。
金融業界で働く場合、資産運用に関する知識も業務上で必要になります。FP2級取得の際、「金融資産運用」の分野で、投資信託、株式・債券、外貨建商品などの各種金融商品の内容および運用方法などを学びます。その為、銀行や証券会社に就職後、資産運用のサービス業務に携わる際に専門知識を活かせます。
また、保険会社で保険営業をする場合、顧客の人生設計に適した保険商品を案内することが求められます。FP2級取得の際には、保険商品とそのリスク管理やライフプランニングついて学ぶため、それらの知識を保険営業の業務に活かせます。
2-2 不動産業界
不動産業界もFP2級を活かせる就職先です。不動産会社で物件を購入する顧客の中には、投資目的の場合もあります。投資用物件を購入する際、物件の収益利回りや節税対策など、資産運用に関する相談を顧客から受けるケースもあります。
一方、FP2級では、「不動産の賃貸や有効活用」「不動産取得時や保有時の税金」「所得税やその控除」などの知識を学ぶため、上記内容の相談を受けたときに的確なアドバイスやサービスの提供を行えるようになります。
また、マイホーム取得目的の顧客へ対応する際にも、FP2級の知識を活かせます。マイホームを購入する際、ほとんどの方が住宅ローンを利用しますが、住宅ローンの借入額によってマイホーム購入の資金計画も変化するため、これまでの家計収支を見直さなければならないケースも出てきます。
しかし、銀行などの金融機関が提供する住宅ローンの仕組みや種類は複雑なため、初めての方が自身に適したローンを選択するのは容易ではありません。
FP2級を取得していると、上記内容に関する相談を受けた際、FP2級取得の際に学んだ「ライフプランニング」「ローン」等の知識を活かしながら対応できるため、相談者の不安や疑問の解決に役立てることが可能です。
3 FPからのステップアップ
FP2級の取得後にさらなるステップアップを図りたい場合、他資格の取得を目指すのもおすすめです。
FP系資格の中でも取得しやすいのが「AFP」です。AFPとは、日本FP協会が認定する民間のFP資格です。FP2級の試験に合格した上で研修を受講すれば、AFPの資格を認定してもらえます。そのため、AFPは、FP2級からステップアップを図りやすい資格として活用されています。
また、日本FP協会が認定する民間のFP資格として、AFPの上位資格に当たる「CFP」があります。CFPは、世界25ヵ国・地域で通用する世界水準のFPサービスを提供できることを証明してもらえるFP資格です。
CFP認定者の数は、国内全体で約2万3000人(2021年3月時点)となっています。AFPの認定を受け、6課目の資格審査試験に合格後、エントリー研修を受講した上で一定の実務経験を積むとCFPの認定を受けられます。FP2級を取得してAFPの認定を受けた後、さらなるステップアップとしてCFP認定者になるのもおすすめです。
このほか、FP2級取得後、同じ技能検定であるFP1級を目指す方法もあります。FP1級の技能検定では、資産相談業務だけではなく、資産設計提案業務の知識も問われるため、資格を取得することで、FPとしてのスキルをさらに向上させられます。
4 FPと親和性の高い資格
FPと相性のよい資格を取得すると、業務上で活かせるため活躍の場が広がります。以下の資格は、FPと親和性が高く、業務の幅を広げる目的でダブルライセンスとして取得するのにおすすめです。
4-1 宅建士
宅建士は、不動産仲介業務を行う際、専門家として取引に携わることができる国家資格です。FP業務を行う際、不動産投資家から不動産賃貸業の収支に関する相談を受けるケースもあるので、宅建士の資格を持っていると、不動産取引に関する知識もあわせて提供できるため、対応できる相談内容の幅も広がります。
4-2 中小企業診断士
中小企業診断士とは、中小企業の経営について診断や助言を行い、その問題の解決に当たる専門家です。中小企業診断士とFPの資格を保有していると、企業経営、資産運用、生活設計などの相談に対してまとめて対応できるようになります。企業・個人双方のコンサルティングを行えるようになるため、業務の幅もより広がります。
4-3 社労士
社労士は労働・社会保険に関する専門家であり、その分野での手続きやコンサルティングが主な業務内容です。社労士の仕事では年金分野での知識が要求されるものの、FP取得の際にも年金について学ぶため、その知識を活かせます。
また、社労士の顧客には経営者も多く、相続、事業承継、税金などの相談も少なくありません。FP資格があると、上記分野の相談にも対応できるため、他の専門家につなぐ必要もなくなります。
5 まとめ
FP2級取得後は、金融・保険業界や不動産業界に就職して、その資格を活かすことが可能です。また、他のFP資格を取得してステップアップを図れるほか、親和性の高い資格を取得し、FP2級とのダブルライセンスという形で活躍の場を広げることができます。
このように、FP2級の取得後に活躍できる業界や進路はさまざまあるので、自身に適したステップアップを検討してみてください。
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