職業には様々な種類がありますが、業務で求められるスキルが特殊すぎると他の業種や職種での応用がきかず、就職・転職時に不利になることもあります。一方、業務上で培われたスキルがどこでも通用するような職業は、転職にも有利で、思い描くようなキャリアアップを図ることも期待できます。今回は、「キャリアアップに強い職業」について解説しますので、職業選びで悩んでいる方やキャリア形成に関心のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.「キャリアアップに強い職業」とはどういうことか
「キャリアアップに強い職業」とは、今後のキャリア形成において、その職業に就くことで次のキャリアへの足掛かりとなるスキルや業界知識、資金などを蓄積することができる職業と位置付けています。
将来、AI(人工知能)に取って代わられる職業が多くなると指摘されている通り、今後の国内状況やIT技術の進歩を視野に入れて「キャリアアップに強い職業」を考える場合は、「専門性(プロフェッショナル性)」のほか、収入の良さ、業界自体の発展性、スキルの汎用性、独占業務の有無などを考慮する必要があります。
「キャリアアップに強い職業」を考える上で考慮すべき要素
- 専門性(プロフェッショナル性)の高さ
- 収入の良さ
- 業界自体の発展性
- 職業で培われるスキルの汎用性
- 独占業務の有無
2.キャリアアップに強い職業3選
今後も必要とされる職業かどうか、その職業で培ったスキルが他でも通用するかどうかなどを踏まえると、「キャリアアップに強い職業」としては、以下の3つが挙げられるでしょう。
- IT系
- 士業
- 公務員
2-1.IT系
政府が日本再興戦略2016の中で、第4次産業革命に対応したIT技術者等の育成方針を打ち出した当時、不足数17万人と言われたIT人材は、2030年には約79万人に拡大するとの推計が出されていました。対応策として、サイバーセセキュリティ分野や、AIを活用して新しいビジネスを創出する「高度IT人材の育成」を最重要課題に据えました。これが、現在の「未踏IT人材発掘・育成事業(経済産業省)」となって具体的なプロジェクトが進み、事業対象者1,700人のうち今日までに250名以上が起業・事業化に成功しています。
これと同時に、政府はITスキル標準を見直し、企業等に所属する情報システム部門の人材に対し、「セキュリティ領域」「データサイエンス領域」「アジャイル領域(柔軟で効率的なシステム開発)」「IOTソリューション領域」等に関するスキル強化を目的に、学び直しの指針を公開して人材育成を進めているところです。
このように、IT関係の領域は政府が人材育成目標を定めるほど重要視している分野です。将来の発展性が高いと期待されているIT分野において、自らのITスキルをプロとして活躍できる域まで向上させることは、今後のキャリアアップに結び付くことになります。
2-2.士業
士業と言えば、「弁護士」「公認会計士」「医師」などが代表的です。法律で規定された独占的な業務を営むことで、その希少性と高い専門能力によって高額報酬と社会的地位を獲得できる職種といえます。独立開業すれば高額報酬も期待できます。
しかし、その一方で、弁護士や公認会計士は、独立して本業を営むことが難しくなっているという現実もあります。
弁護士は、増員政策が影響し、弁護士法人に就職しないとクライアントを獲得することが困難な状況となっており、独立開業者でも、これまで携わることのなかった司法書士の分野に業務を拡大する例が増えています。
公認会計士の場合、監査という独占業務に従事するためには監査法人に属する必要があるものの、監査法人への就職が狭き門となっています。そのため、税理士登録するだけで税務に関する業務も行うことができるという特性を生かし、税理士業を主業とする例もあります。
また、あえて企業に属し、その専門知識と能力を以て社内ポジションを確立するというケースも考えられます。
いずれにしても、これらの司法・法律系士業の有資格者はキャリア形成のための汎用性が高く、選択肢も豊富です。
このほか、社会保険労務士や行政書士も独立開業が可能ですが、現状では企業においてその専門知識を活かしてキャリアアップの足掛かりとし、社内のポジションを高めた方が実益は高くなる傾向にあります。
2-3.公務員
公務員はその地位の安定性と給与水準のバランスが優れた人気の高い職種です。大卒の国家公務員総合職受験で見ると、2018年度15.1倍、2017年度14.5倍、2016年度13.8倍と、高倍率で推移しています。地方公務員についても、2018年度は自治体によって4倍~16倍と差異はあるものの、人気の職種であることに変わりはありません。
国家総合職の試験概要では、法律、経済、政治・国際、教養の全区分において、1次試験は基礎能力と専門能力に係る多肢選択式、2次試験は専門知識記述式と政策論文、個別面接で構成され、高競争率と相まって難関試験となっています。
また、公務員の場合、一定の経験と年数要件を満たせば、士業資格の取得において下記のような優遇措置が用意されています。
対象となる資格 | 概要 |
---|---|
司法書士 | 裁判所事務官、同書記官などに10年以上従事した場合、法務大臣の認定を受けることで司法書士となることができます。 |
税理士 | 国税業務に23年間従事すると、職歴によっては全科目免除、その他一定要件のもとで科目免除があります。 |
社会保険労務士 | 国や地方公共団体又は厚生労働大臣が指定する団体等の業務に一定年数従事すると、科目免除があります。 |
行政書士 | 公務員(国家・地方)経験17年以上で資格を取得することができます。 |
リストラの不安が無く、給与水準が安定した公務員として勤め上げた後、各士業で独立開業して高収入を目指せるのは、他の職業に無いメリットと言えるでしょう。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。自分のキャリアプランにおいて、次のステップへと歩を進め、経歴や市場価値を高める「キャリアアップ」の観点から、メリットの大きい「キャリアアップに強い職業」をご紹介しました。
その職業に就くことで、専門性の高いスキルや汎用性の高いスキルを身につけることができたり、その後のキャリアの幅を広げたりすることができる職業をピックアップしていますので、自分のキャリアプランで悩んでいる方や、職業選択の段階で迷っている方などは、ぜひ参考にしてみてください。
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