地方公務員試験は難関と言われることもありますが、都道府県や市町村などの地方自治体単位で採用活動を行っており、同じ職種でも上級・中級・初級のように試験が区分されているため、実際の難易度を相対的に図ることはなかなか困難です。
そこで今回は地方公務員試験について試験の概要を確認し、区分ごとの地方公務員試験の難易度や合格率、おすすめの勉強方法を紹介します。
1.地方公務員試験について知ろう
地方公務員試験は各地方自治体で職種や試験区分に応じて行われ、職種や職務内容によって地方上級試験(大卒程度)と地方初級試験(高卒程度)に分けて採用試験が行われます。
1-1.地方公務員の職種と試験内容
地方公務員の職種は都道府県庁や市町村役場の職員から警察官や消防官まで地方行政に関するサービスのほとんど全てが対象となります。都道府県庁や市町村役場では一般的な事務職だけでなく、土木や建築のような技術分野、カウンセリングなどを行う心理や獣医などの専門的な職種まで募集しています。また、採用に関しては各地方自治体に裁量が与えられており、必要な職種を必要な人数だけ募集するため、年度によって募集人数などが異なることもあります。
地方公務員の地方上級試験は基本的に1次試験として「教養試験」「専門試験」「論文試験」が行われ、1次試験に合格すると面接などの2次試験が行われます。
一方、地方初級試験では1次試験として「教養試験」と「作文」が課され、通過すると面接などの2次試験が行われることが一般的です。
ここからは、試験範囲が広く対策が難しい地方上級試験について詳しく内容を確認してみましょう。
1-2.教養試験
教養試験は数的処理や文章理解を求める「一般知能分野」と物理や法律などの「一般知識分野」の2分野、22科目で行われます。教養試験は基本的に5肢択一のマークシート方式で実施され、約6割の正解率が合格のボーダーラインとなります。
試験の出題傾向は、一般知能分野で出題される数的処理と文章理解に関する出題が多く、教養試験の得点を左右する重要なポイントとなっています。一方、一般知識分野からは15科目が偏りなく出題される傾向が目立ち、深い知識よりも浅く広い知識の習得が必要です。
1-3.専門試験
専門試験では法律系(憲法や民法)や経済系(ミクロ経済やマクロ経済)といった専門性の高い知識が問われます。受験する職種などによって出題傾向が異なるため、職種別に試験傾向を把握することが重要です。また、専門試験は大学レベルの専門的な知識を要する試験となっているため、広い学習範囲をやみくもに学習するのではなく、試験に合わせたポイントを確実に押さえて学習することが重要になります。
専門試験は教養試験と同じように択一式で出題されることも多いですが、受験する自治体によっては記述式で出題されることもあります。記述式は択一式よりも深い理解度が求められるため、過去問などを参考に徹底した対策が必要です。
1-4.論文試験
論文試験では、各地方自治体の抱える社会問題や経済白書などの資料をもとに受験者の考えを論述して回答します。論文試験の難しいところは、問われる論点を的確に押さえて正確に記述するだけでは評価されない点です。受験者個人の問題解決に向けた考え方やアイデアが含まれているかどうかも合否を分ける重要なポイントとなり、正確かつ論理的な文章作成が求められる試験です。
1-5.2次試験
2次試験では1次試験の合格者を対象に面接試験などが行われます。面接試験の方法は地方自治体によってさまざまで、個別面接や集団面接、ときにはグループ討論という形で行われます。面接試験では、試験官とのやりとりの中で会話を通して意思疎通が図れるかどうかがポイントになります。また、その地方自治体や職種を選択した理由や、採用後のビジョンなども問われます。地方公務員としてふさわしい資質を備えているかどうかが試される試験となります。
2.地方公務員試験の難易度・合格率は?
地方自治体ごとの合格率などを確認しながら難易度についてみてみましょう。
まず、平成30年度東京都職員の地方上級試験にあたるⅠ類B採用試験(一般方式)採用状況では、林業や畜産、栄養士、薬剤Bなどの専門職は10倍を超える高い倍率となっていますが、募集人数が少ないことも原因です。募集人数が多い職種では行政(一般方式)が6.1倍、土木(一般方式)が3.5倍となっています。
続いて、長野県の地方上級試験の採用状況を見てみましょう。
長野県でも行政Bや管理栄養士で倍率は12倍を超えます。行政Bは自己アピールの論述試験と教養試験などで合否が判定される比較的珍しい試験方式といえます。一方、行政Aは一般的な試験内容となるため、平均的な受験倍率にとどまります。東京都と比較すると長野県の倍率は全体的に低く、募集人数が多い総合土木などでも倍率1倍程度の職種を探すことも可能です。
このように区分(上級・初級)や職種によって試験内容や倍率が大きく異なるため、地方公務員試験の難易度を相対的に評価することは難しいですが、例えば難問が出題される上級試験に臨む場合だとしても、倍率が低ければ合格点が低くなることもあります。一方、東京・大阪・名古屋のような大都市の採用試験は人気があり、応募者が多く、競争率も高いため、相対的に難しくなります。
地方公務員試験は、倍率を加味するとおおよその合格難易度を測ることができます。
3.地方公務員試験におすすめの勉強法とは
地方公務員試験では受験する地方自治体と職種の出題傾向を把握し、それに合わせた対策を行うことが大切です。しかし、地方上級などは試験範囲が圧倒的に広く、全てを独学で網羅することは容易ではありません。特に、倍率・難易度の高い東京都などを受験する場合は、他の受験生から一歩リードした学習が必要になります。
3-1.1次試験合格者数3256名の資格スクール大栄
資格スクールの大栄では職種別のコース選択が可能で、本科講座で実力を身につけ、公務員試験の出題傾向を徹底的に分析した2種類の模擬試験(定例模擬・公開模擬)によって自分の弱点を的確に把握することができます。その結果、2018年度の1次試験合格数は延べ3,256名に達し、大栄講座を受講する効果の高さを証明しています。
3-2.大栄なら「2次試験対策の壁」を超えることも可能
近年の公務員試験は「学力重視」から「人物評価重視」に変わりつつあるため、2次試験対策を独学で対応するのは今後さらに難しくなると言われています。
大栄では早期に取り組むカリキュラム(自己分析、エントリーシート、面接対策、集合セミナー)によって「2次試験対策の壁」を超えることを可能としています。
3-3.合格するまでモチベーションを高く維持することが可能
大栄のキャリアナビゲーターは受験生の挫折しやすいシチュエーションを分析し、個人に合った学習進捗の管理と目標達成に向けたサポートを行います。そのため多くの受験生がモチベーションを高く維持したまま学習を続けられています。まずは、希望する職種を定めて、大栄の説明会や無料体験を活用することでご自身に合ったコース選択を検討してみてください。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。地方公務員試験の難易度は最終的な合格倍率なども考慮することで、ある程度推測することが可能です。応募する職種が決まっている方は、募集している地方自治体の情報を収集してから試験合格に向けたプランを立てる必要があります。試験種別ごとのカリキュラムを用意している資格スクールの大栄を上手に活用することで、より合格に近づくプランが立てられるはずです。地方公務員試験対策で悩んでいる方はぜひこの記事を参考に自分に最も合った勉強法を選んでみてください。
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