公務員試験では、専門知識や一般常識を問う筆記試験(1次試験)を通過すると、人物試験がメインの2次試験に進みます。2次試験では面接や集団討論ほか、論文作試験が行われる場合もあるため、それぞれに特化した対策が必要になります。この記事では、公務員試験の概要から2次試験を通過するポイントをご紹介しますので、2次試験対策としてぜひご活用ください。
1.公務員試験の概要
公務員試験は、基本的に学歴などによる受験資格を必要としない試験です。一部の専門職などでは大学卒や大学院卒などが受験資格となることもありますが、ほとんどの職種は年齢制限さえクリアすれば受験することができます。
1-1.公務員試験の年齢制限とは
年齢制限は高卒程度の試験で20代前半、大卒程度の試験では30歳から35歳までが一般的です(国家公務員一般職の上限は30歳)。一部の地方自治体は受験可能な上限年齢を59歳としているところもありますが、基本的には35歳を超えると受験できる試験は少なくなります。
1-2.公務員試験の日程・スケジュール
一般的な公務員試験は、出願後に1次試験が行われ、合格者を対象に2次試験が実施されます。2次試験に合格すると採用面接を経て採用内定となります。例年、早い自治体では4月から1次試験が実施されますが、試験のスケジュールは受験する自治体や応募する職種などにより大きく異なるため、募集要項は必ず確認するようにしましょう。
国家公務員試験については人事院よりスケジュールが発表されているので、国家公務員試験を考えている方は、チェックしておくようにしましょう。
2.公務員試験の1次試験と2次試験
公務員試験では、一般的に1次試験と2次試験の2回に分けて選考が行われます。1次試験は一般教養や学力が問われる試験で、2次試験はおもに受験者の人柄やコミュニケーション能力を確認する人物試験です。1次試験と2次試験の概要をそれぞれ確認してみましょう。
2-1.1次試験
1次試験では択一式(5肢択一のマークシート方式)の教養試験や専門試験が課されます。国税専門官や地方上級試験の一部などでは記述式の専門試験も行われますが、記述式で専門試験が行われるのは一部の試験のみとなります。なお、記述式の専門試験が2次試験として行われる職種もあります。
2-2.2次試験
2次試験では1次試験の合格者を対象に論作文試験や面接試験が実施されます。論作文試験は社会問題などの一般的な問題について、自分の意見や考えを論述式で回答する試験です。職種によっては論作文試験が1次試験と同時に実施されることもあります。
また、面接試験は個別面接や集団面接、集団討論などの形式で受験者の「人物」そのものを見る選考です。志望動機や自己PRなどの一般的な質問に対してスムーズに答えることも重要ですが、簡潔にまとめて相手に伝える能力や、聞き手としての理解力があるかなども問われる試験です。
3.2次試験のポイントと対策
以前の公務員試験では学力を重視した選考が行われていましたが、近年は人物重視の選考へと傾向が変わってきています。人物重視の選考が行われる2次試験は論作文や面接、集団討論という方法で選考が行われます。次の選考方法ごとの2次試験のポイントと対策について確認してみましょう。
- 論作文で気をつけること
- 面接で気をつけること
- 集団討論で気をつけること
3-1.論作文で気をつけること
論作文の試験時間は60~80分程度で1,000文字前後の作文が求められます。限られた時間の中で指定された文字数を作文するのは慣れが必要です。論作文では以下のポイントに注意して試験に臨む必要があります。
テーマを理解すること
社会問題などの一般的な問題が出題されるため、日頃から新聞やニュースなどに目を通して時事問題の知識を蓄えることが重要です。また、地方自治体の論作文では、自治体の抱える問題やその対策について問われることもあるので、受験する自治体が抱えている社会問題を把握しておかなければなりません。
試験時間に合わせた練習を繰り返すこと
受験する区分や自治体の試験時間や制限文字数に合わせた作文練習をします。可能であれば資格スクールなどを活用して、他の人に論文の採点をしてもらうことも有効です。他人に採点してもらうことで、読み手に分かりやすい作文の要領をつかむことができるようになります。また、論作文では数字の使い方やカッコ書きなどの最低限覚えておきたい基本的なルールもあるため、原稿用紙・作文用紙の使い方についても添削してもらうと良いでしょう。
3-2.面接で気をつけること
面接には個別面接と集団面接の形式がありますが、大半は個別面接の形で実施されます。個別面接では1人当たり15分から30分の時間で志望動機や自己PRについて質問されますが、志望動機などを自分の言葉で面接官に伝えられるかどうかが重要なポイントです。また、面接官の質問内容をしっかりと把握して、聞かれたことについて簡潔に答えられるようにすることも大切です。公務員試験の面接では採用後に取り組みたい政策などについて質問されることも多くあります。特別奇抜なことを答える必要はありませんが、あまりにも模範解答的なありきたりな受け答えにならない注意も必要です。
2次試験の面接はその「人物」を見るための試験となります。さまざまな質問に対して事前に考えた「回答」を用意しておきましょう。また、集団面接では限られた時間の中で5人前後の受験者を一斉に面接するため、個別面接に関する注意点と併せて簡潔かつ端的に受け答えすることが重要です。
3-3.集団討論で気をつけること
集団討論は5~10人ほどの受験者を一つのグループとして、与えられた社会問題などの課題に対する結論を導き出す試験です。グループ内で話し合いを行い、結論を導き出す過程で各受験者のコミュニケーション能力やリーダーシップ、社会性が顕著に現れます。通常の面接では把握できないコミュニケーション能力やリーダーシップなどを測ることがこの試験の目的で、面接よりも多くの対応能力が求められます。
集団討論では与えられた課題に対する知識やデータが大きな武器となります。まずは、ニュースや新聞などで社会時事に関する情報を収集しておくことが重要です。また、受験する試験で過去に出題された課題から傾向を把握し、想定される課題について作文などを作成することも本番の集団討論に向けた重要な練習になります。可能であれば、資格スクールなどで開催されている本番形式の集団討論に参加することもおすすめです。本番に近い雰囲気やコミュニケーションで必要な対策を把握できると、本番でも落ち着いて対応することができます。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。公務員試験の2次試験について気をつけたいポイントについて確認しました。論作文や面接、集団討論などの2次試験については資格スクールなどで必要な対策を行うことも重要です。公務員試験では、1次試験の対策はバッチリできていたけれど、2次試験対策まで手が回らなかったという人も多いので、公務員試験受験を考えている方は、資格スクールの活用も含め2次試験対策まで万全になるように、計画を立ててみてください。
なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、独学では乗り越えづらい2次試験に対応するため、1次試験から2次試験までをトータルにサポートする戦略的な試験対策指導に力を入れています。また、2次試験の前には論作文の添削や集団面接練習、集団討論練習など受験者の必要に応じた対策講座を設けています。
エントリーシートの作成から面接対策まで行うカリキュラム構成により、早くから2次試験に向けた準備を行うことができます。職種別のコース選択が可能なことや、受験者一人ひとりに合わせた徹底的なサポートは、最後の難関と言われる2次試験対策では頼りになるでしょう。
公務員試験の2次試験対策もしっかりと行いたいと考えている方は、ぜひ一度資料請求や無料ガイダンスをお申し込みください。
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