「文章理解」は公務員試験での出題数が多く、教養択一試験を突破するためには避けて通れない重要分野の一つです。「国語は苦手」「そもそもどう勉強すればいいのか分からない」という理由で十分な対策を行わない受験者もいますが、ポイントを押さえた対策を行えば得点を大きく伸ばせる科目でもあります。公務員試験コラムの第1回目は、「文章理解」について出題範囲や形式、その難易度と対策・勉強方法、対策講座受講の必要性について解説しますので、公務員試験対策としてぜひご活用ください。
1.「文章理解」とは?出題範囲と形式
「文章理解」は公務員試験の教養択一試験で必ず出題される分野です。「数的処理」と併せた知能分野として出題され、知識分野の各科目と比較しても1科目あたりの出題数が多いため、教養択一試験において最重要項目の一つとなります。
1-1.「文章理解」の問題形式
「文章理解」の問題は、現代文、英文、古文・漢文の3つの科目から出題されますが、古文・漢文は一部の地方上級試験などで出題されているだけで出題数は少ないと言えます。なお、「文章理解」は主に以下の4つの問題形式で出題されています。
内容把握問題 | 出題文の内容をしっかりと把握できているかどうかが問われる問題で、出題文の内容と合致する選択肢を選ぶ |
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要旨把握問題 | 文章の趣旨や筆者の考えを出題文から読み取れているかどうかが問われる問題で、選択肢の中から最も妥当な解答を選ぶ |
空欄補充問題 | 出題文の内容に即して文章中の空欄に当てはまる最も適当な選択肢を選ぶ |
文章整序問題 | 与えられた短文を正しい順序に並べ替え、正しい順序となっている選択肢を選ぶ |
1-2.「文章理解」の科目
「文章理解」の現代文、英文、古文・漢文は、以下のような内容が問われます。
現代文
主に500〜1,000文字超の文章読解に関する問題が出題されます。現代文では、長文読解能力が問われる内容把握問題や要旨把握問題だけでなく、空欄補充問題や文章整序問題も出題されるのが特徴です。文章を正確に読み解くことが重要になるほか、限られた試験時間の中で解答するスピード力も問われる科目になります。
英文
主に200〜500語前後の長文について読解力が問われる内容把握問題がメインとなりますが、要旨把握問題や空欄補充問題、文章整序問題も出題されます。現代文と同様に限られた試験時間で正確に読み解く力が試される科目です。
古文・漢文
古文は200字前後の文章読解問題が中心となって出題されます。前述の通り、一部の地方上級試験などで出題されていますが、出題数は1問のみで、さらに漢文は近年どの公務員試験でも出題されていません。
2.「文章理解」の難易度と対策・勉強法
公務員試験は国家公務員と地方公務員が職種ごとに試験を実施するため、レベルや出題形式はそれぞれ異なります。「文章理解」の難易度を一言で表すのは難しいですが、基本的には大学入試センター試験のレベルと同等か、それ以上のことが多いでしょう。
2-1.「文章理解」の対策方法
教養試験は択一式で試験が実施されるため、「文章理解」の分野についても正しい選択肢を選べるように対策を行うことで正答率はアップします。現代文、英文、古文・漢文のそれぞれの科目について対策や勉強方法を確認してみましょう。
現代文
現代文は文章読解力を問われる問題が中心となっていますが、問題文を隅から隅まで丁寧に読んで全てを理解する必要はありません。内容把握問題や要旨把握問題を回答する上で重要なことは、「問題として問われている部分はどこなのか」「問われている内容は何か」を設問ごとに理解することです。
問われている内容を正確に理解することで、必要な箇所だけを素早く読み返して短時間で解答できるようになります。そのためには、問題集などで数多くの練習問題をこなして慣れるのが近道です。正解ではない誤った選択肢のパターンなどを経験によって身につけることで、誤った選択肢を素早く消去できるようになり、短時間で正答を導くことができます。
また、先に設問の選択肢を確認してから本文を読む方法も有効だと言われていますが、人によっては選択肢を先に読むことで先入観を持ってしまうケースもあるため、自分に合わなければこだわる必要もありません。
このほか空欄補充問題や文章整序問題も、内容把握問題や要旨把握問題と同様に問題練習を積み重ねることが重要です。自分に合った解き方が確立できるまで、根気よく時間をかけて問題演習を繰り返すことが大切です。
英文
英文では英語力と文章の読解力が問われます。なお公務員試験の英文対策として単語学習に多くの勉強時間を割くのは、効率的ではない場合もあります。例えば内容把握問題では、選択肢で問われている文章とその前後が理解できれば十分解答できるケースもあります。分からない単語があったとしても周りの文章などから単語の意味を推測できることもあります。公務員試験対策の問題集を数問解けば、ある程度の傾向が見えてきますが、英単語の記憶に関しては単語帳などで基本的な単語を押さえておけば問題ないでしょう。
このほか、時事問題や現在の社会情勢に応じた英文の練習問題などを解きながら、頻出する単語やキーワードを別途押さえていくことで、公務員試験に必要な英単語をカバーすることもできます。文法については、高校レベルの基本的な文法を学び直すことで対応可能です。現代文と同様に、問題集などで数多くの問題に触れて出題形式に慣れること、また制限時間内で問題を解けるように練習する必要があります。
古文・漢文
古文については高校レベルの古典の知識があれば対応可能です。文法の細部まで問われるような難問は出題されないため、基本的な単語や助動詞の用法を押さえることで対策することができます。なお、過去に古文が出題されていない職種の試験では今後も出題される可能性は低いため、基本的に対策は不要でしょう。
また、一部の地方上級試験などを受験する場合でも、1問のために時間を割いて対策するのは効率的ではありません。思い切って古文の対策をしないという判断も選択肢の一つとなります。漢文については、近年の出題実績がないため基本的に対策は不要です。
3.「文章理解」対策をするなら対策講座受講がおすすめ!
「文章理解」の対策をするなら資格スクールなどが開講している対策講座を受講するのがおすすめです。問題形式が決まっている「文章理解」では、誤った選択肢やひっかけ問題を見抜く解法テクニックを知れば、解答時間の短縮も図れます。
また、過去の試験傾向などを徹底的に分析した講義内容やテキストなども効率的な学習を手助けします。特に、時事問題なども出題される公務員試験では、最新の社会情勢やニュースに日頃から目を通すことが重要になります。対策講座では無数にある時事ネタから試験に出題される可能性の高いものをピックアップしてくれるため、効率的に対策できます。
公務員試験は教養試験だけでなく専門試験や二次試験も行われるため、全ての対策をいかに効率よく行うかが合否の分かれ目になります。そのため、一次の教養試験で出題される「文章理解」についても効率的に学習できる勉強方法を選択することが必要です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事では公務員試験の「文章理解」について難易度や勉強方法などを解説しました。「文章理解」は教養択一試験での出題数も多く、公務員試験に合格するためには避けて通れない分野です。しかし、問題形式を把握して効率的に学習することで大きな得点源にもなるため、「文章理解」対策は欠かせないでしょう。この記事で紹介した対策や勉強方法はあくまでも一例ですので、資格スクールの対策講座なども活用するなど、自分に最も適した試験対策と勉強方法を検討してみてください。
なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、公務員受験対策コースが用意されており、効率的に教養試験を含む一次試験対策が行えるだけでなく、最後の関門となる二次試験対策までトータルで対策を行えるようにカリキュラムが組まれています。
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