幼稚園教諭とは学校教育法に基づく資格であり、満3歳から就学前までの幼児を対象に子どもの教育を行う職業です。
幼稚園教諭は就業先の違いから、公立幼稚園教諭と私立幼稚園教諭の分類がなされます。
今回は、公立幼稚園教諭の概要や特徴、受験資格や、私立幼稚園教諭との違いを見ていきましょう。
公立幼稚園教諭とは?
公立幼稚園教諭とは、都道府県や市区町村などの地方自治体が運営する公立幼稚園に従事する幼稚園教諭のことを指します。
幼稚園教諭には公立幼稚園教諭の他に、社会福祉法人や学校法人・NPO法人・株式会社などが運営する私立幼稚園に従事する私立幼稚園教諭があります。
公立幼稚園教諭は地方公務員となるため、幼稚園教諭免許取得後に公務員試験を受けなければなりません。
公立幼稚園教諭の仕事内容
公立幼稚園教諭・私立幼稚園教諭のどちらであっても仕事の内容に大きな違いはありません。就業先の幼稚園によって多少の違いはありますが、基本的な業務は同じといえるでしょう。
幼稚園教諭の主な仕事内容は、3歳児から小学校就学前の子供を成長発達に合わせて教育することです。
文部科学省が定めた「幼稚園教育要領」に則ったカリキュラムが設定され、カリキュラムに沿って子供たちの教育にアプローチします。
また、子供との関わり以外にも保護者との関係形成や事務仕事なども業務の範囲となっています。
公立幼稚園教諭と私立幼稚園教諭の違い
公立幼稚園教諭と私立幼稚園教諭の主な違いは、就業先の運営団体です。
先述したように、都道府県や市区町村などの地方自治体が運営する幼稚園で働く場合は公立幼稚園教諭、それ以外の幼稚園で働く場合は私立幼稚園教諭となります。
それ以外にも公立幼稚園教諭と私立幼稚園教諭を比較すると異なる点があるので、詳しく見ていきましょう。
教育方針や園の特色
公立幼稚園も私立幼稚園も業務内容に大きな違いはありませんが、園の特色や教育方針が異なる場合があります。
特に私立幼稚園の場合、宗教色が強いケースや、勉強・スポーツ特化タイプ、小学校受験を意識した教育方針など、それぞれの特徴によって他の園との差別化を図っている場合があります。
もちろん、幼稚園教諭も就業先の教育方針に合わせて働く必要があるため、事前に調査しておくと良いでしょう。
異動の有無
公務員には付き物だと言われている異動ですが、公立幼稚園教諭も公務員に該当するため2~4年の頻度で異動が発生することがあります。
また、公立幼稚園だけではなく、児童福祉センターや児童福祉施設への異動となるケースもあるため意識しておくと良いでしょう。
私立幼稚園教諭の場合、単体運営の幼稚園であれば異動や転勤は生じませんが、全国に複数の幼稚園運営を行っている場合は異動・転勤が生じるケースもあります。
特に、大規模な団体が運営する幼稚園への就職を望む場合は、異動や転勤の有無を事前に確認しておきましょう。
収入・福利厚生
福利厚生の面で見ると、公立幼稚園教諭の場合は、厚生年金や社会保険・健康保険・労災保険などの雇用保険加入はもちろん、産休や育休の取得が保証されるといった特徴があります。公務員なだけあって、福利厚生は非常に手厚いと言えるでしょう。
私立幼稚園教諭の場合は、就業先によって福利厚生は異なります。
産休・育休制度がないケースも生じるため、福利厚生面にも着目しておくと良いでしょう。
給料に関しても大きな差がつく場合があります。
平成29年度の数値ですが、幼稚園教諭の平均収入は以下の通りとなっています。
平均月収:23万1,600円
平均賞与:63万7,700円
平均年収:341万7,000円
公立幼稚園教諭の場合は各自治体によって収入は異なります。また、学歴や手当によっても差は生じますが、公立幼稚園教諭は公務員なので毎年昇給があり、働き続けるほど収入がアップしていくため、場合によっては私立幼稚園教諭との月収差が数万円になるケースもあります。
公立幼稚園教諭は各種手当も豊富であることが多いため、安定した収入で働き続けたい方におすすめの仕事です。
公務員試験の受験資格
公立幼稚園教諭になるためには、幼稚園教諭国家資格の取得後、各自治体が開催する公務員試験に合格しなければなりません。
公立幼稚園教諭は地方公務員に分類されるため、地方公務員試験の受験資格に当てはまる必要があります。
各自治体によって受験資格は異なりますが、今回は東京都特別区を参考に条件を確認していきましょう。
受験資格(令和2年度)は、「幼稚園教諭普通免許状を有する者又は令和3年4月1日までに確実に取得できる見込みの者で、昭和61年4月2日以降に出生した者」とされています。
基本的に、どの自治体でも幼稚園教諭免許の取得と年齢制限が設けられているため注意が必要です。
また、地方公務員法で定められている以下の欠格事由に該当する場合は受験ができません。
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
- 当該地方公共団体において懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
- 人事委員会又は公平委員会の委員の職にあつて、第六十条から第六十三条までに規定する罪を犯し、刑に処せられた者
- 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
公立幼稚園教諭はこんな人におすすめ
公立幼稚園教諭は以下のような方におすすめの仕事です。
- 福利厚生など仕事上の安定を意識して働きたい
- できるだけ長く働き、収入をUPしていきたい
- 標準的な教育方針を掲げている職場で働きたい
公立幼稚園教諭は地方公務員となるため、安定は保証されます。
また、園の教育方針も特徴がなく標準的なものであるケースがほとんどなので、園独自の特徴が強い職場は苦手だという方におすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。公立幼稚園教諭は地方公務員として子どもたちの教育を行います。幼稚園教諭として働くうえでのメリットが大きい公立幼稚園教諭ですが、地域によっては倍率が高くなってしまうケースもあります。
幼稚園教諭免許取得と、公務員試験への合格を両立して目指していけるよう、余裕を持った学習計画を立てておきましょう。
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