営業職が簿記を学んだら、仕事はどう変わる?

 「簿記」を学ぶのは、事務職に就きたい女性、または、経理や会計の部署に配属になった方が主!と思われがちですが、決してそれだけではありません。簿記の知識は「お金に関する知識・流れを体系的に把握できるようになる!」ことからも、「社会人の基礎素養」とも言われ、どんな職種・業種にも生かすことができるので、簿記の研修を取り入れている会社も少なくありません。

◆営業職でも簿記知識は役立つ

 営業職も、例外ではありません。営業の世界では「原価率」「回転率」「減価償却」「決算書」といった言葉を耳にします。こういった言葉が意味する内容を理解していることで、商談相手との交渉・提案の場においても、相手先企業の経営への効果を具体的に提案することが可能になります。

 また、法人営業で新規の取引を行う場合、「与信管理」というプロセスを経る場合があります。この場合の「与信管理」とは、取引する企業として問題ないかを確認することです。つまり、商品サービスを納品した後に、きちんと支払ってもらえるかどうかを見極めることです。適切な「与信管理」をするためには、相手企業の財務諸表を適切に読める必要があります。

 財務諸表は簿記の知識がなければ、本質的な理解はできません。せいぜい今期は赤字だったか、黒字だったかがわかる程度です。しかしそれでは企業の適切な評価はできません。その期が黒字でも、経営状況としては深刻な企業もあれば、仮に赤字であっても財務余力等が十分あり倒産等は考えにくい健全な企業といった場合もあります。
 これらの判断を行うには、簿記の知識をもって財務諸表を分析する必要があります。つまり取引先を開拓する上で重要な「与信管理」というプロセスにおいて、簿記の知識があれば取引してよい企業かどうかを早く、的確に判断出来るようになります。

 さらに、取引企業だけでなく、競合する企業に対しても簿記の知識は役立ちます。
競合企業の経営戦略、財務状況が把握できれば、顧客にどのタイミングで営業をかけるのか、どの額で話を進めるのかなど、新たな視点での戦略を練ることも出来るのではないでしょうか。

◆おまけに、家庭でも役立てることも出来る

 簿記は会社会計をベースに学びますが、それをスモール化したのが「家庭」です。
 家計簿などをつけて家計管理をしている方もいますが、ここでも簿記の知識を役立てられます。通常の家計簿は「単式簿記」、つまり、お金と言う一面にのみ注目して記録をしていくことが多いです。これを「複式簿記」で記入することで、一定期間において何にいくら使っているのかを把握する(企業でいう『損益計算書』)ことが楽になり、ある時点においての自身の資産総額(企業でいう『貸借対照表』)を作成することも可能になります。
 生きていく上では、お金と上手く付き合っていくことは大切な能力です。一日に何度も物を買ったり、通信費や光熱費などの引き落としも月に何度もあります。簿記の感覚を身に付けることで、新しい発見がきっとあるでしょう。

 少しですが、簿記の知識が様々な分野で活用できることをご紹介しました。意外と身近な知識だと気付かれたのではないでしょうか。 仕事でも実生活でも、簿記の知識を学んで最大活用していきましょう!