世間には民間資格から国家資格までさまざまな資格が存在します。なかでも簿記資格は取得することで就職や転職、社内のキャリアアップに有利にはたらくなど実務的なメリットがあり、毎年60万人以上、これまで延べ2,600万人以上が受験している人気資格です。
そこで今回は、簿記を取得することで具体的にどのようなメリットがあるのか、大学入試、就職、転職、独立開業などさまざまなシーン別に紹介していきます。簿記を学ぶことでどのようなメリットを享受できるのかイメージが湧かないという方はぜひ参考にしてみてください。
- メリット1 就職・転職に有利
- メリット2 どんな仕事にも活かせる
- メリット3 AO入試に活かせる
- メリット4 独立時にも活かせる
- メリット5 他の資格にも活かせる
- まとめ
メリット1 就職・転職に有利
簿記とは、企業活動の経営状況や財政状況を明らかにするために、日々の経済活動を帳簿に記録する技術のことを言います。簿記を学ぶことで、決算書類を読む力やビジネスの基本でもあるコスト感覚を身につけることができるため、多くのビジネスマンに役立つ基礎スキルとして人気があります。
近年では新人研修や、内定者向けの教育などで簿記の学習機会を設ける企業もあるなど、簿記の知識は重視されています。
ハローワークで日商簿記検定1級~3級を資格要件としている求人募集を調べてみると、6,481件の求人が当てはまりました。2級と3級だけでも6,255件の求人が確認できます(2021年10月現在)。
また、生活総合情報サイト「ALL about」では、上記のハローワークの求人情報をもとに「資格別求人数ランキング」を発表しており、「2019年10月版」の内容をみると、日商簿記検定は第2位にランクインしています。このように、簿記は求人の資格要件として需要が多く、簿記資格を取得していることは就職・転職に有利になるケースが多いといえます。
簿記は企業活動全般で役立つ知識であるため、希望の職種が簿記資格と直接関係がなくても、資格を有していること自体が評価されて昇進・転職の際に有利にはたらくこともあります。
メリット2 どんな仕事にも活かせる
経理業務では「伝票記帳・整理」「入出金管理」「財務諸表の作成」、会計業務では「会社の財産管理」「収支管理」、財務業務では「予算編成」「金融関連情報の収集・分析」「資金調達・資金管理」などが行われます。簿記は企業会計の基本ですので、企業の経理・会計業務に関わる人にとっては欠かせない知識です。
また、営業職や経営者など一見関係なさそうな職種でも簿記の知識は役立ちます。経営者や営業担当者が自社の業績を把握して、その内容を分析し業務改善や営業力強化などを実施する際に簿記の知識が活用できます。損益計算書や貸借対照表の見方や内容についてある程度理解できていると、業績の分析・評価に取り組みやすくなるメリットもあります。
企業活動はお金の動きが頻繁であり、企業活動におけるお金のやり取りをルールに従って記録するのが簿記の役割です。どんな内容の仕事であっても簿記と無縁でいることはできず、簿記を取得することはどの仕事でも無駄にはなりません。簿記は活躍する機会を広げる可能性を持った資格なのです。
メリット3 AO入試に活かせる
現在、簿記の知識が求められるのは、企業に就職・転職する際に限った話ではありません。簿記、英語、情報技術など実務で役立つ資格の取得をAO入試等での出願要件とする大学は近年増えており、なかでも経営学科、経済学科などを受験する際に求められるケースがあります。
なお、AO入試の際に必要とされる簿記資格は、日本商工会議所簿記検定の2・3級、全国商業高等学校協会主催検定試験1・2級、全国経理教育協会2級以上などが多いようです。
簿記は就職活動の際に企業にアピールできる材料のひとつにもなるので、学生のうちに学んでおくことでその後のキャリアに活かせる場面が多い資格といえるでしょう。
メリット4 独立・開業にも活かせる
勤めていた会社から独立して個人事業主やフリーランスになった際には、会社員のときには不要だった確定申告や決算書を作成するために帳簿をつける必要があります。また会社を立ち上げて経営していくには資金計画や事業計画書の作成が必要ですが、簿記の知識はこの場合でも役に立ちます。
簿記の知識があれば企業活動に必要なさまざまな費用の把握や計算が容易となります。また、起業後においても「予算計画の作成」「業績の評価」「改善」「決算作業」「税務申告」などのシーンでも業務遂行の支えとなってくれます。
経営者は企業全体をマネジメントし、企業の業績や財政状態を客観的に分析する必要がありますが、それには簿記の知識が不可欠であり、簿記資格の取得が役立つわけです。
また、金融機関等から融資を受ける際、簿記の資格を持つ経営者は審査で有利になることもあります。企業経営では財務諸表の内容を理解し、その状態をある程度分析できる能力が経営者に求められるため、簿記資格があれば有利に働くこともあります。
メリット5 他の資格にも活かせる
簿記は企業活動に関わる幅広い分野の仕事に関連することから他の資格取得への足がかりにもなります。
経理や会計職に従事する方は日商検定1級などの難易度の高い資格を取得する方も多いですが、そこから税務や会計の専門家である税理士や公認会計士の難関国家資格を目指すケースもみられます。
一方、2級や3級など初級~中級程度の資格を持つ販売職や営業職などに従事する方のなかには、販売士や中小企業診断士などの経営に関する資格を取得する方も多いでしょう。また、ファイナンシャルプランナーの資格はお金に関するさまざまな領域(金融、税金、不動産等)を扱うため、簿記を取得した方には相性の良い資格といえます。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、簿記資格を取得するメリットを入試、就職・転職、独立時などさまざまなシーン別に紹介しました。簿記の知識はさまざまな方面で役に立つことがわかります。
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