簿記の資格取得に興味のある方はご存知の方も多い『簿記試験での電卓持ち込み』、どんな電卓を持ち込んだらよいのか考えたことはありますか? 簿記試験は、電卓の性能の差や使い方の違いで、合格率に差が出てくると言っても過言ではありません。今回は、電卓の選び方や、使い方をご紹介していきます。
簿記試験で使う電卓の必要機能
既に簿記を学習されている方であれば、電卓を使っていらっしゃる方が多いと思いますが、今使っていらっしゃるのは、どんな電卓でしょうか?普段から仕事や家庭で利用している電卓を使っていらっしゃる方や、これから学習が進むにつれて専用の電卓を用意しようと考えている方もいらっしゃると思いますが、持ち込み不可の電卓もありますので注意して下さい。
簿記試験に持ち込む電卓は、計算機能(四則演算)のみのものに限り、例えば、以下の機能があるものは持ち込みできません。
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- 印刷(出力)機能
- メロディー(音の出る)機能
- プログラム機能(例:関数電卓等の多機能な電卓、売価計算・原価計算等の公式の記憶機能がある電卓)
- 辞書機能(文字入力を含む)
(注)ただし、日数計算、時間計算、換算、税計算、検算 の機能が付いたものでも可
上記以外であれば、どんな電卓でも問題ないのですが、簿記試験の補助をすると考えると【12ケタ・ルート機能(簿記1級、中小企業診断士2次試験でも必須)・メモリー機能】は最低限押さえておきたい機能です。
早い段階で試験に使う電卓で学習を進め、慣れた電卓で本番に挑んでください。もしも、スクールに通って学習をしている場合は、先生にどんな電卓が良いのか相談してみると良いかもしれませんね。
簿記試験で使うための電卓の設定
簿記の学習で電卓を使い始める前に、〔ラウンドセレクター〕〔小数点セレクター〕の設定をしましょう。
〔ラウンドセレクター〕では、小数点以下の計算結果をどう表示するのか、以下のような処理方法選択をすることができます。
- 「F(フリー)」電卓ディスプレイの表示桁限界まで表示
- 「CUT(メーカーによっては「↓」と表示)」指定した桁で切り捨て
- 「UP(メーカによっては「↑」と表示)」指定した桁で切り上げ
- 「5/4」指定した桁で四捨五入
また、〔小数点セレクター〕では、小数点の位置を指定します。
例えば、「1÷6=」の計算結果は、〔ラウンドセレクター〕〔小数点セレクター〕この2つの組み合わせで下記表のように表示されます。
〔小数点セレクター〕
0
1
2
3
4
ADD2
〔ラウンドセレクター〕 CUT
0
0.1
0.16
0.166
0.1666
0.16
〔ラウンドセレクター〕 5/4
0
0.2
0.17
0.167
0.1667
0.17
※「ADD2」は、少し特殊な機能です。アドモードと言い、「.(コンマ)」を押さなくても、入力した数値の2桁目に、小数点を自動的に付けてくれるもので、ドル・セント単位の計算に便利です。「A」と表示されている機種もあります。
簿記では、〔ラウンドセレクター〕を「F(フリー)」に設定してください。その設定以外では、簿記試験の答えに影響が出てきてしまいます。(ラウンドセレクターが「F」に設定されていれば、小数点セレクターはどの位置にあっても機能しません。)しかし、このセレクター…気付かず動かしたり落としたりで、知らないうちに動いてしまうことも間々あります。計算していて、数値がオカシイ…と思ったら、まずラウンドセレクターの位置が「F」になっているかチェックしてみましょう。
<h2簿記試験での計算順
上記表の、割算結果から気付かれる方もいるかも知れませんが、簿記試験での四則演算では、「割算は出来るだけ最後に」してください。なぜ最後にした方が良いのでしょうか?
問題:12万円の借入金で年利率2%、借入期間73日の支払利息の計算をする
計算:○ 120,000×2% ×73÷365=480
× 120,000×2% ÷365×73=479.9999999…
割切れなかった場合に計算結果が変わってくることが分かったかと思います。
持ち込むべき電卓、そして、その設定について理解頂けましたでしょうか。因みに、ソロバンも持ち込み可!です。試験会場に、ソロバンを弾くパチパチとした音が響く会場を想像すると、、、きっと、一緒に受験する人達は音が気になってどうしようもないでしょうね。
次回は、知っておくと「簿記試験」でも得をする、電卓の便利な機能を2つご紹介する予定です。楽しみにしていてくださいね。