税理士とは国家資格で認められた税金の専門家です。最難関の国家資格の1つとして知られていますが、合格に必要な5科目を複数年に分けて受験できるため、働きながらでも取得できる資格として根強い人気があります。今回は、税理士の仕事内容や資格取得方法などを解説し、税理士資格を取得するメリットや税理士の年収、税理士に向いている人などについても詳しく説明していきます。税理士資格取得を検討している人はぜひ参考にしてください。
1.税理士とは?
税理士は税金に関するエキスパートですが、確定申告などの税務業務以外の仕事も行っています。まずは税理士の仕事や資格取得の方法を確認してみましょう。
1-1.税理士の仕事
税理士には税理士法で定められた税理士にしかできない以下の独占業務があります。
- 税務書類の作成
- 税務代理
- 税務相談
「税務書類の作成」とは確定申告書や各種届出書などを顧客の依頼を受けて作成する仕事を指します。また、作成した書類を顧客に代わって申告や申請し、必要に応じて税務調査の対応等を行う「税務代理」、様々な税金の相談に応じる「税務相談」が税理士業務の柱となります。その他にも税務業務に付随する会計帳簿の記帳や資金繰りに関する相談やアドバイスなども日々の業務の中で大きな割合を占めます。
1-2.税理士資格の取得方法
税理士資格を得るためには税理士試験に合格する必要があります。税理士試験は、会計科目の2科目と税法科目の3科目の合計5科目で行われ、5科目全てに合格すると実務経験を経て税理士として登録することが可能です。
試験は科目合格制となっており、一度合格した科目は生涯有効になることが大きな特徴です。1年で5科目全てに合格する必要はなく、自身のペースに合わせた学習で受験することができるため、社会人が挑戦しやすい資格として人気があります。また弁護士や公認会計士の資格を有している人は税理士登録することで税理士になることができます。
2.税理士資格を取得する4つのメリット
税理士資格を取得するメリットには次の4つが挙げられます。
- 企業経営に関する知識がつく
- キャリアアップにつながる
- 就職・転職に有利になる
- 独立・開業も可能
それぞれ見てきましょう。
2-1.企業経営に関する知識がつく
税理士試験に合格するには一定レベルの会計や税務に関する知識が必要となります。そのため高度な専門知識をもとに財務諸表や会計帳簿などから企業のお金の流れや収益構造を理解できるようになることが一番の強みとなります。さらに経験を重ねるごとに読み取った数字を的確に把握し、経営判断のもととなるアドバイスができるようになります。
2-2.キャリアアップにつながる
税理士資格を保有していると、一定レベルの会計や税務に関する知識が国家資格という形で保証されるため、キャリアアップしていくうえで大きな武器となります。また企業によっては国家資格を保有する従業員に別途資格手当を支給する制度などもあり、待遇面での改善にもつながることがあります。
2-3.就職・転職に有利になる
就職・転職の際には税理士資格は有利に働きます。経理部や財務部などの管理部門は募集人数が少ないことも多く、転職の際に未経験者で採用を望むことはほぼありません。しかし税理士資格は一定レベル以上の知識を持っている強力な証となるため、同じようなキャリアを歩んだ者同士の選考となった場合には決定的な決め手となります。
2-4.独立・開業も可能
税理士法人や企業で働いたのち、独立・開業している税理士も多くいます。税理士のみに認められた独占業務を担えるプロとしての資格を活用し、新規顧客開拓などを行うことで大幅な収入増加を目指すことも可能です。一人の経営者としても活躍したいと考えている方は独立・開業して新しい道にチャレンジしてみる価値があります。
3.税理士の年収
税理士は働き方によって大きく年収が変わる職業です。企業や税理士法人などで働く勤務税理士の年収は、厚生労働省が行っている賃金構造基本統計調査によると約700万円(平成27年)です。この数字には企業などに勤める公認会計士なども含まれているため、実際にはもう少し低くなることも考えられますが、勤務税理士の実態としては年収300万円〜1,000万円超と勤め先によっても大きく条件が変わります。
一方で、独自に税理士事務所などを開業している開業税理士は自身の経営能力・営業能力によって年収に大きな差が出ます。年収の幅は約300万円〜1億円超で、税理士としての営業努力や高収益を上げられる優良顧客の確保などで大きく変動します。
4.税理士はこういう人におすすめ
税理士は地道に努力を続けられる人におすすめの資格です。税理士試験に合格するためには5科目全てに合格しなければなりませんが、短期集中型の学習で2年を目安に合格する人もいれば、科目合格制を活用しながら計画的に地道な学習を進める人もいます。どちらもモチベーションを保ちながら継続して努力する必要がありますが、日々コツコツと数字を積み上げるような作業という点では、決算申告書や財務諸表を作成する税理士の仕事にも通じるところがあります。
また、税理士は税法に精通する必要があるため、税法を細かく覚えられる記憶力が良い人が向いていると思われがちですが実際にはそうではありません。税法は年々改正により内容が変わっていくため、記憶していても最新の情報でなければ意味がありません。実務上は、「改正内容をこまめにチェックできる能力」「見落としてはいけない重要なポイントをその都度調べてチェックできる能力」が必要になります。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。会計や税務の仕事に携わりたい人にとって税理士資格は大きな武器となります。また、開業して税理士となる場合には必須ですが、企業や税理士法人に勤める場合でも税理士資格があることで仕事の幅が広がるでしょう。勤務税理士としての活躍だけではなく、将来の独立・開業に向けたプランも描くことが可能です。興味を持たれた方はこれを機に税理士資格にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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