昇進・転職・就職するためには、ビジネススキルの向上につながる資格取得が堅実な近道のひとつです。今回は、スキルアップになる資格として人気の「日商簿記検定」「TOEIC」「医療事務」の3つをご紹介していきます。各資格の主な特徴やメリットのほか、取得に必要な勉強時間や難易度などを詳しく解説します。スキルアップを目指している方やキャリアを磨きたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.日商簿記検定
企業会計の基盤となる簿記は、経理業務及び経営全般に不可欠な知識です。日商簿記検定はその簿記の能力を判定する試験として、毎年40万人前後が受験する国内最大級のビジネス資格となります。
日商簿記検定は日本商工会議所が運営し、「1級」「2級」「3級」「簿記初級」「原価計算初級」という5つの等級に区分されます。各等級の取得(認定)は簿記検定試験に合格することで得られ、誰でも受験することができます。
受験者の多い1級〜3級試験で求められる知識は次の通りです。
簿記3級 | 社会人が習得しておくべき会計の基本知識です。基本的な商業簿記を身につけ、小規模企業などにおける企業活動や会計実務での対応、経理関連書類の適切な処理を行える程度が求められます |
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簿記2級 | 実際の経営管理にも役立つ能力が求められます。高度な商業簿記のほか工業簿記(原価計算を含む)の知識を習得し、財務諸表から経営内容が把握できるなど、企業会計に関する処理や分析が可能な水準となります |
簿記1級 | 商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算に関する非常に高度な理解が求められます。会計基準や会社法、財務諸表等規則などに基づき、経営管理や経営分析が可能なレベルです。合格すると国家資格である税理士試験の受験資格が付与されます |
1-1.日商簿記検定を取得するメリット
日商簿記検定の取得が就職・転職の採用要件となっている場合があるなど、キャリアアップを目指す方にとって有利に働くシーンは数多くあります。また、企業経営に不可欠な知識でもあるため、経理・会計業務以外にも営業・企画などの分野でも役に立ちます。
独立起業・開業する場合でも、簿記の知識を活用して資金計画や事業計画を作成することで、起業の成功も現実味を帯びてくるでしょう。
さらに日商簿記検定は、上位資格となる税理士・公認会計士・中小企業診断士などの試験科目とも直結するため、難関国家資格を取得する際にも有利になるでしょう。
このように日商簿記検定は、入試・就職・転職・転属・独立する際のスキルアップにつながるだけでなく、他の資格取得にも役に立つなど、活躍の場を大いに広げる可能性を持っています。
1-2.日商簿記検定の難易度や勉強時間
日商簿記の合格率は、例年おおよそ次のような水準になっています。
3級 | 30%台~40%台 |
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2級 | 10%台~40%台(年度によるバラツキがある) |
1級 | 8%~11%程度 |
就職・転職で評価される2級の場合、勉強時間は一般的に200時間程度の確保が必要だと言われています。1日2時間勉強したとすると、3~4ヶ月ほどかかる計算になります。
2.TOEIC
TOEICは英語のコミュニケーション能力を測定する世界共通のテストです。テストによる合否判定はなく、そのスコアの高さが進学や就職・転属・転職などに影響します。
TOEICの試験では「聞く」「読む」「話す」「書く」の4つの英語能力が問われます。おもに聞く・読む力を測定する「TOEIC® Listening & Reading Test(L&R)」、話す・書く力を測定する「TOEIC® Speaking & Writing Tests(S&W)」などがあります。
テスト結果はスコアが示されるだけで合格・不合格という判定はありません。L&Rの場合、リスニングは5~495点、リーディングは5~495点、合計10~990点で表示されます。
なお、テスト結果は公式認定証として発行され、試験日から30日以内に発送されます。公式認定証は、入試や就職などで提出を求められることもあるため、大切に保管する必要があります。
2-1.TOEICスコアを取得するメリット
就職ではTOEICのスコアが採用基準となるケースも多く、企業によっては一定のスコア以下の場合は足切りになることもあります。上場企業や海外事業が主体の企業では、800点以上の高スコア保持者を高く評価するなど、TOEICスコアによる優遇措置や手当を設けている場合もあります。
企業内部においてもTOEICスコアが異動の判断材料になることもあるため、海外事業部などに転属を希望する際には、高スコアの獲得を求められることが多いでしょう。
また、政府は外国人労働者を積極的に受け入れる方針を打ち出しているため、職場で英語を使用する機会はますます増えることが予想されます。英語力の向上は、自身のスキルアップや対外交渉のためだけなく、外国人社員とのコミュニケーションを円滑に図る目的で、上司・部下問わず、習得することが求められるようになるでしょう。
2-2.TOEICの難易度や勉強時間
TOEICテストの受験者数と平均点は以下の通りです。
受験者数 | 平均点 | |
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TOEIC L&R | 約100万人 | 596.9点(990点満点) |
TOEIC S&W | 約1.2万人 | 123.3点(200点満点) |
(2018年5月~2019年4月のデータを元に作成)
就職・転職時には一般企業で600~650点以上、一部上場企業などでは750~800点以上が高く評価される目安となります。
なお、TOEICの難易度について、英語能力は個人差があるため一概に評価するのは難しいですが、たとえばTOEIC350点の英語初学者が850点以上を狙う場合は1000時間以上の学習が必要とも言われており、高校卒業程度の450点レベルの人では900時間前後の学習が目安となります。
高スコアを狙うには難関資格並みの勉強時間が必要になる場合もありますが、国際化がさらに進展していく現代においては、TOEICの高スコアの獲得は今後のキャリアアップには不可欠な武器となるでしょう。
3.医療事務
民間資格である医療事務にはさまざまな種類の資格がありますが、ここでは日本で最初の「医療事務の資格」として、幅広く医療機関に認知された「医療事務管理士」試験をご紹介します。
医療事務管理士は、株式会社技能認定振興協会(JSMA)が運営している国内初の医療事務資格で、病院等での患者受付、治療費計算、診療報酬明細作成やカルテ管理などの医療事務に不可欠な知識や技能の保有を証明する民間資格として医療機関で評価されています。
「医療事務管理士」は、平成17年10月に特許庁から商標登録が認められたことで名実ともに認知された資格で、2016年5月~2017年3月の受験者数は1万3000人に及ぶ人気の資格となっています。
3-1.医療事務管理士を取得するメリット
医療事務は、治療費計算や診療報酬明細作成などの一般事務にはない専門知識や技能が求められるため、近年その需要が高まっています。
専門知識を有していることを証明する医療事務管理士資格を保有することで、医療機関では高い評価を得られます。
また、引っ越しなどがあった際にも、全国の広い地域で就職先を見つけることができるという点も大きなメリットといえます。
3-2.医療事務管理士の難易度や勉強時間
医療事務管理士の全体(学科と実技)の合格率は約50%と比較的高い資格試験のため、勉強が無駄にならず仕事に直結しやすい資格と言えるでしょう。
資格取得のための勉強時間は、医療事務管理士資格の取得を目指すための講座を開設している資格スクールの例では、おおよそ40回の講義を前提にカリキュラムが組まれていました。1講義2.5時間で計算すると、100時間の授業とプラスアルファの自学自習で資格取得が狙えるため、医療事務管理士は学習効率の高い資格と言えるでしょう。
4.まとめ
スキルアップにつながるビジネス資格や免許はいろいろありますが、日商簿記検定の取得は企業の会計業務だけではなく、さまざまな業務で役立ちます。また、TOEICの高スコアの獲得は英語能力の高さを証明することになるため、就職・転職・転属などキャリアアップに直結するでしょう。医療事務資格も医療機関での特殊な事務業務に不可欠な知識・スキルを証明するものであり、就職・転職等を有利にする学習効率の高い資格です。
なお、今回ご紹介した資格の取得やTOEICの高スコア獲得を効率的に実現するには、出題のポイントや試験傾向を徹底的に分析している、資格スクール・英会話スクールの講座を利用するのも一つの手です。今後の目指すキャリアに合ったスキルアップにつながる資格取得を検討してみてください。
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