簿記の資格取得を目指して学習することは、経理関連の職種に従事する場合だけではなく、企業の経営数値の把握や個人で事業に取り組んでいる場合にも役立ちます。
なかでも簿記3級は、簿記スキルを身につけるスタートラインとして、多くの方が取得を目指しています。
今回は、簿記3級に合格するための勉強方法を徹底解説します。簿記3級取得を目指している方は、参考にしてみてください。
簿記3級の合格率や難易度は?
簿記3級の試験は統一試験として、年に3回実施されます。また、2020年からは、随時受験が可能なネット試験、団体試験の実施も行っています。統一試験の受験者数は、毎回7~8万人近くとなる人気の高い資格です。簿記3級の統一試験における受験者数・合格率は以下の通りです。
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第157回(2021年2月28日実施) | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
第156回(200年11月15日実施) | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
第154回(2020年2月23日実施) | 76,896名 | 37,744名 | 49.1% |
(日本商工会議所 簿記検定ホームページより引用)
※第155回は新型コロナウイルス感染症の影響により中止
合格率は例年40~50%前後となっています。
簿記3級の試験科目は商業簿記のみ、合格基準は70%以上、点数を取得することです。
簿記2級や1級は、合格率が20%以下となっており難易度が高めですが、簿記3級は、それほど高い難易度ではなく、比較的合格を目指しやすくなっています。
簿記3級を取得するメリット
簿記3級を取得することで、どのようなメリットがあるのか気になる方も多いでしょう。ここからは簿記3級を取得するメリットを解説していきます。
経理関係の就職に役立つ
簿記の知識は経理事務をはじめとする経理関係の職種には必須です。経理関係の就職を目指すために簿記資格を取得する方も多く、就職が有利になる資格となっています。場合によっては、資格手当などで昇給を目指すことができる企業もありますが、2級以上が対象である場合も多いようです。
個人事業主などの場合確定申告に役立つ
個人事業主・フリーランスとして働く方は、確定申告を自身で行う必要がありますが、その際の帳簿付けの知識などを学ぶことができます。確定申告の中でも青色申告の場合はかなり帳簿付けや経理が難しいため、スキルを獲得するため、簿記3級受験を目指す方も多いようです。数字の管理が苦手で、税理士を雇う人もいますが、自身でできるようになれば税理士費用削減にもつながります。
簿記2級や1級に向けての事前知識を得られる
簿記2級を取得すると、就職の幅が広がることや、昇給のチャンスを受けることができるなどのメリットがあります。また、簿記1級の資格保持者は、税理士試験を受験することができる要件の一つにもなっていることから、取得することで税理士試験を受験することができるようにもなります。
簿記3級は、こうしたステップアップにもつながる簿記スキルを習得するためのスタートラインであるため、簿記2級や1級の取得を目指す前のチャレンジとしても有効です。簿記2級では、商業簿記と工業簿記の科目が出題されるため、基本的な考え方を3級取得で理解しておくと、より効果的に合格を目指すことができるメリットがあります。
簿記3級に合格するための学習方法
試験を受けるのであれば、できるだけ高得点で合格を目指したい方もいるのではないでしょうか。満点に近い点数での合格を目指すことで、自信をもって合格ラインを突破することができます。ここからは、簿記3級に合格するための学習方法を解説していきます。
学習計画と対策は万全に!
簿記3級合格に必要な学習時間は、学習方法によっても異なりますが、約100時間以上だと言われています。資格スクールに通学した場合、合格までの期間を最短1~2か月と設定しているスクールが多くなっています。資格試験までの日数や必要な学習時間を考えたうえで、学習計画を練っておくことが重要です。
簿記3級試験対策は以下の3点を意識して行いましょう。
-
- 簿記の概要を理解する
- 繰り返し演習、アウトプットをする
- 試験頻出問題を知り、得点源を確保する
これをぬかりなく行いましょう。途中で挫折することがないよう、スケジュールを管理しましょう。
演習を繰り返し解く
簿記3級のテキストを読み込み、付属の演習を繰り返し解きましょう。まずは、テキストを参考に演習を最後まで解きます。その際、理解できない問題や間違ってしまった問題、勘で当たった問題などをチェックやマークしておきましょう。
2周目以降も、同じ要領で演習を解いていきますが、正解した問題も時間内に正解できるかどうか確認しましょう。2周目でも間違えてしまう問題は、苦手分野としてテキストの該当ページに印をつけて集中的に学習していくことで知識をインプットしましょう。すべての問題を理解して解けるようになるまで繰り返すことが理想です。
試験頻出問題を知り、得点源に繋げる
テキストとは別に、過去問を用意しておきましょう。過去2~3年分の過去問があればよいでしょう。過去問は、テキスト・演習を解き終えたのちに取りかかります。まずは何も見ずに解き、採点しましょう。
間違えている問題や、勘で当たった問題、正解だけど不安な問題などはチェックをつけ、テキストと照らし合わせながら再度確認していくことで知識の再確認ができます。
テキスト→演習→過去問→テキストのように繰り返し学習を進め、インプットとアウトプットを効率よく行うことで、合格に近づくことができます。
まとめ
簿記3級の難易度やメリット、高得点での合格を目指すための学習方法をご紹介しました。簿記3級は、簿記の知識がまったくない方でも合格を目指しやすい検定試験です。高得点での合格を目指すにはコツを掴んだうえで、集中した学習が必要となります。問題の意図や内容を理解できるように学習を進めてみてください。
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