「資格を取得したら、キャリアアップにつながり、仕事で稼げるようになるかな」と考える人は多いです。実際に資格がなければ働けない職業もありますし、現在の仕事でも資格取得が昇進や昇給のチャンスになることもあります。
そこで今回は、資格取得で稼げるようになる3つのポイントを解説したうえで、仕事で稼げるようになるためにおすすめの資格TOP5をランキング形式でご紹介します。資格取得に興味がある方はぜひ参考になさってください。
1.そもそも資格で稼げるようになる?
「面接では資格よりも実務経験が重視される」とよく言われますが、資格取得で今より稼げるようになるにはどうしたらいいのか、3つのポイントを解説します。
1-1. キャリアアップすれば稼げる職種が多い
転職活動する際に実務経験が求められる仕事は多いですが、未経験でも、資格があれば給与が高い仕事に就職できる確率が上がることは事実です。
また、就職してすぐには稼げるようにならなくても、仕事をしながら実務経験を積み重ねていくことで高収入を目指せ、最終的に稼げるようになる仕事も珍しくありません。短期的な収入だけでなく、今後のキャリアアップを踏まえて長期的な収入を見据え、職種を選ぶことがおすすめです。
1-2. 難易度が高い資格を求められる職種は稼げる
当然ながら難易度が高い職種は希少価値が高く、稼げる傾向があります。たとえば医師、弁護士、公認会計士、パイロットなどは学習習得の難易度が高く、一握りの人しかなれないため、給与が高いです。
「稼げる仕事に就きたい!」という方にはおすすめの職種ではありますが、就職するまでのハードルの高さが懸念点です。やみくもに目指すのではなく、現実的に目指せるかを冷静に判断してから行動に移すのが無難でしょう。
1-3. 資格取得にかかるコストとリターンを考えて選ぶ
取得したい資格を決定する前に、資格習得までに「どれくらいの学習量」が必要で、「どんな学習方法」があるかを調べましょう。これらを理解して取り組まないと、せっかく学習を始めたのに、途中で挫折しては、費やしたお金や時間が無駄になってしまうリスクがあります。
投資するコストと資格取得後のリターンを照らし合わせ、コストよりもリターンが大きい資格を選べば、努力した分だけ稼げるようになる確率が高いです。こうしたコスパの高い資格を見極めるのが重要です。
2.2021年度版!稼げる資格ランキングTOP5
稼げる資格の中でも比較的取得しやすく、小さな投資でそれなりのリターンを得られるものをランキング形式で5つご紹介します。
1位 ファイナンシャル・プランナー(FP)
フィナンシャル・プランナー(FP)はお金にまつわる生活設計のアドバイザーです。投資や節約、税金、ローン、教育、老後などのライフプランを想定し、収入に合わせてどうお金を運用していけばいいかを提案し、その提案を実行します。将来を見通してどのように生活していけばいいか、お金を使っていけばいいかをプロ目線でアドバイスします。
FP資格は、フィナンシャル・プランナーの実績や信頼の証明になります。NPO法人 日本FP協会が主催する民間資格の「CFP資格」「AFP資格」、日本FP協会や金融財政事情研究会が主催する国家資格である「FP技能士(1~3級)」のいずれかを目指すのが一般的です。学習期間は資格の種類によって異なりますが、一番目指しやすいFP技能士3級であれば最短2か月から、2級であれば4か月から取得が目指せます。
ファイナンシャル・プランナーの仕事の平均年収は600万円前後だと言われています。会社員もいれば独立している人もいるのでピンキリですが、比較的稼げる資格だと言えるでしょう。学習で得た知識は、自分の生活にも活かすことができます。
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2位 行政書士
法律系資格の登竜門とされる行政書士は国家資格です。行政手続きを専門とする法律家として活躍します。実際に行政書士の資格を取得すると、官公署に提出する書類・権利義務に関する書類・事実証明に関する書類の作成や提出手続きを行うことができます。これらの書類の作成は行政書士の独占業務であり、行政書士の資格なしでは作成することはできません。
受験資格は特になく、試験は3時間の筆記試験(マークシート方式・記述あり)となります。出題内容は「行政書士の業務に関し必要な法令等」(46題)と「行政書士の業務に関連する一般知識等」(14題)です。合格率は10%前後で、年1回開催されます。必要な学習時間は通学であれば500時間前後、独学だと800時間以上が目安です。
平均年収は600万円前後ですが、ファイナンシャル・プランナー同様に個人差が大きいです。ただ、行政書士の資格取得者が独占する業務に加え、他の資格で独占されていない業務も仕事とすることができるため、非常に広い業務範囲を持ちます。そのため、自分の興味がある分野やキャリアのある分野を専門として効率よく稼げるようになりましょう。
3位 社会保険労務士
社会保険労務士(社労士)は、労務管理や社会保険に関する知識を持つプロフェッショナルで、企業において人にまつわる業務を担当します。申請書の作成や手続き代行、帳簿書類の作成、労働管理業務のコンサルティングが主な仕事です。労働及び社会保険に関する手続き代行や労働社会保険諸法令に基づく帳簿作成は独占業務に分類されるため、社労士の資格を持っていないと行えません。
社労士試験を受けるには短大・大卒、高等専門学校卒の学歴、3年以上の指定実務経験、指定の国家試験合格が必要です。詳しくは社会保険労務士の公式サイトからご確認ください。
さらに1回の試験で全科目を一発合格しなければならないため、合格率は5%~10%と低くハードルが高いです。出題範囲も広いので、約1年間の勉強期間を確保するのがおすすめです。
社労士の平均年収は500万円程度で、一般的な年収よりもやや高めです。独立すると1,000万円プレーヤーになってかなり稼げるようになる人もいます。
4位 宅地建物取引士(宅建)
不動産系の人気資格である宅地建物取引士(宅建)は、不動産取引の専門家です。宅建士になるには宅建試験に合格して資格を取得する必要があります。不動産業では、ひとつの事務所において「業務に従事する者」5人につき1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を設置することが義務付けられていることもあり、不動産業界に就職するなら非常に有利な資格で、手当がつくなど評価されやすく、キャリアアップに役立ちます。
合格率は15~18%ほどで、受験資格がなくチャレンジしやすい資格です。試験は4択のマークシート方式で、50問中32~38問程度正解して合格となります。合格の基準は変動するため、どの科目でも8割ほど正解できる実力を養っておきましょう。勉強の期間は半年以上が無難ですが、3か月ほどで合格を目指すこともできます。
宅建士の年収は500~600万円が相場です。不動産業界は実力次第で稼げる業界なので、資格取得を機にキャリアアップを目指しましょう。
5位 日商簿記検定2級
経営活動を記録・計算して経営や財政の状態を見える化するのが簿記です。そのスキルの証明となるのが日商簿記検定で、企業のビジネス全体を見通せるようになるため、あらゆる業界・業種の人に役立つ資格です。特に、日商簿記検定2級では、売買取引を記録する商業簿記に加え、原価計算をする工業簿記のも学習もするため、自社のお金の流れに興味を持つキッカケになったり、取引先の財務諸表を読み解くことができるようになります。
日商簿記検定2級の合格率は20%前後のため、きちんと学習時間を確保することが大切です。勉強時間の目安は4か月(200時間以上)と言われていますが、2級に合格するためには、3級の範囲を理解していることが大切になるため、簿記初学者の方は3級から学習を始めることがおすすめです。
日商簿記検定2級を取得した人の年収は職種や経験によってまちまちですが、未経験者として経理職で働くのであれば300万円前後、経理の経験者として働くのであれば400万円前後です。簿記2級の知識は、経理職で働く人だけでなく、様々な職種で働く人に役立つ知識のため、今の仕事でさらに稼ぎたいと考えている人にも最適な資格です。
3.まとめ
ご紹介した稼げる資格をスムーズに取得するには、自分に合った学習方法を選ぶ必要があります。自分で学習時間をコントロールできることが前提ですが、コストを抑えたいなら参考書や過去問を活用して独学での学習を進めていくのもよいでしょう。何より、資格の学習を始めるハードルが低いことが良いところです。しかし、なかなか自分で学習スケジュールをコントロールできない、また、独りでは分からないことがあった時に学習が続かない方はスクールなどで講座に通い、最新の傾向なども学びながら対策していくことを検討してみてもよいかも知れません。
どの資格が自分の理想とするキャリアに近づきそうか考えて資格を選び、将来仕事で稼げるように学習を進めていきましょう。