雑誌やゲーム、広告などの媒体に合わせてイラストを制作するイラストレーターにとって、Illustrator(イラストレーター)はもちろん、Photoshop(フォトショップ)も仕事に欠かせないツールです。これからイラストレーターを目指す人も、Photoshop(フォトショップ)の基礎知識は学んでおくべきでしょう。
そこで今回は、これからイラストレーターとしてのキャリアを積み上げていきたい方に向けてPhotoshopとIllustratorの違いやそれぞれの特徴、イラストレーターに必要な Photoshopスキルとその学習方法を解説します。
1.イラストレーターにはPhotoshopとIllustratorのスキルが必須
イラスト制作を仕事とするイラストレーターは、Photoshop(フォトショップ)とIllustrator(イラストレーター)をよく使います。どちらもWebサイト制作にも印刷物制作にも利用しており、デジタルとアナログの両方で活躍していますが、主な利用としては、Photoshopは画像編集、Illustratorは全体レイアウト、アイコン制作、バナー制作などによく用いられます。
そのため、イラストレーターとして質の高い成果物を納品し、活躍をしていくには、どちらのツールも使えるようにする必要があります。そのためにもPhotoshopとIllustratorのスキルをしっかり習得しておくといいでしょう。
2.PhotoshopとIllustratorの違い
どんな時にPhotoshopを利用して、どんな時にIllustratorを利用するのか?その違いが分からないという人は少なくありません。イラストレーターが知っておくべきそれぞれの特徴について解説します。
2-1. Photoshopの特徴
Photoshopはアドビシステム社が提供する画像編集・デザイン用ソフトです。多くの企業で活用されていて、多種多様な画像形式を読み込んで加工することができます。バージョンアップを重ねて多くの機能が搭載されるようになり、加工だけでなくCGを作成したり、素材をレイアウトしてデザインカンプを作ったりと幅広く利用されています。
具体的には、レイヤーやマスク機能を使って複数の画像を合成したり、カラーモードや色調補正、レタッチ、フィルタなどの機能を使って画像の加工・補正をしたり、3Dデザインをしたりと、さまざまな機能を活用することで豊かな画像表現が可能です。
また、Photoshopは点(ドット)の集まりで表示されるラスター画像なので、点それぞれに色調加工ができ、それによって豊かな表現が可能になります。そのためPhotoshopは特殊効果を施すなど、写真の加工をするのに適しているのです。ただ、拡大や縮小をすると点がぼやけてしまうため、画像のなめらかさではIllustratorに劣ります。
2-2. Illustratorの特徴
Illustratorもアドビシステム社が提供しているソフトで、ベクトルグラフィックソフトと定義されています。画質が一定なので、もともとは印刷物を制作するソフトとして活用されていました。バージョンアップを重ねた現在は、写真を加工したり3D図形を作ったりできるようになり、Webサイト制作や映像制作でも活躍しています。
Illustratorは、主にデザインのパーツを作る役割を担っています。たとえばロゴやマップ、イラスト、バナーなどがそのパーツに該当します。Illustratorで作った素材をPhotoshopで加工・制作したパーツを、再びIllustratorでレイアウトするといった流れで制作が進むケースが多いです。
Illustratorは拡大・縮小してもぼやけないベクター画像です。Photoshopのような繊細な画像処理はできませんが、ペジェ曲線と呼ばれるなめらかな線で図形が描けます。
3.イラストレーターに必須なPhotoshopスキル
イラストレーターの必須ツールであるPhotoshopを活用するために、習得しておくべき3つの基礎スキルを紹介します。
3-1.写真の切り抜き・合成スキル
Photoshopで画像編集する際、切り抜きと合成はほぼ必須と言っていいくらいよく使います。Photoshopには切り抜きツールがあり、画像の指定した領域以外を取り除いたり、奥行きのある画像を変形して切り抜いたりすることができ、使用する箇所に合わせて調整が可能です。
合成する時はレイヤーやパス、マスク機能を使って、何枚かの画像を重ね合わせて一枚の画像に見えるように編集していきます。複数の画像を組み合わせることで、理想のイメージに近い合成画像が作れます。
3-2.バナー作成スキル
Illustrator だけでなくPhotoshopでもバナー作成することはよくあります。Photoshopのレイヤー機能を使って合成したり画像を加工したりして、ユーザーの目を引く魅力的なバナーを作れます。
バナー制作はWeb業界で非常にニーズのある業務で、サイズが小さく未経験者や初心者でもチャレンジしやすいこともあり、基礎を学ぶ段階で優先的に習得したいスキルです。まだ経験が浅い方も、バナー制作に挑戦してPhotoshopの基本機能やデザインの基礎を学ぶといいでしょう。
3-3.デザインスキル
Photoshopであらゆる制作物を手掛ける際は、必ずデザインスキルが必要です。Photoshopの機能を覚えて使いこなせるようになっても、土台となるデザインスキルがなければいい制作物は作れず、イラストレーターとしては活躍できません。
デザインスキルを磨くには、さまざまなデザインパターンを学習し、どんな場面でどんなデザインをするべきか考える力を養う必要があります。デザインは生まれながらのセンスではなく努力で育つスキルなので、多くのデザインに触れて知識を吸収しましょう。
4.Photoshopを学ぶ方法
これからイラストレーターになりたい方などがPhotoshopを学ぶには、ポイントを押さえて学習する必要があります。Photoshopには多種多様な機能があり、直感的に使うだけではなかなかうまく扱えません。おすすめのPhotoshop学習方法を2つご紹介します。
4-1. 参考書や動画で学ぶ
Photoshopの基本機能や使い方について一通り解説してある参考書を読んだり、実際の操作画面を確認できるPhotoshop動画をYouTubeやAdobe公式チュートリアルサイトなどで視聴したりすると、基本をしっかり押さえてから実践につなげられスムーズに学習できます。独学なので授業料というお金がかからないのもメリットです。
参考書など本を購入する場合は、まずは入門書から読むようにしましょう。まだ知識がない段階で中級者・上級者向けの本を買っても理解できず、挫折してしまいます。「初心者」「入門」といったキーワードがタイトルに入っている本を選ぶのがおすすめです。動画を探す際も同様に初心者向けの動画から見るのがおすすめです。
4-2. スクールで学ぶ
独学だと分からない部分が出てくることも多く、基礎的な知識が抜け落ちてしまったり、学習途中で挫折してあきらめてしまったりするリスクがあります。本や動画だけでは理解しきれず、実際の操作まで落とし込めないこともあるでしょう。
特に、パソコン操作に不慣れな場合、IllustratorやPhotoshopを学ぼうとすると、初期の段階でつまずくことがあります。せっかく、IllustratorやPhotoshopを使ってイラストレーターを目指してみようと考えたのに、最初の学習の仕方が悪くて諦めてしまうのはもったいないです。Photoshopの基礎知識がないと、イラストレーターとしては通用しません。確実にPhotoshopスキルを習得したいなら、スクールでPhotoshop講座を受けるのも近道のひとつです。実務で生かせるスキルを経験豊富な講師から直接学び、分からない部分はすぐに質問して解決する。実践課題に取り組んでフィードバックをもらったり、就職相談ができたりと独学では得られないサポートを受けられるのもメリットです。
また、スクールの生徒限定でお得にPhotoshopを購入できるケースもあります。Photoshopは比較的高額なので、これから学習する人はこうした特典も必見です。
5.まとめ
イラストレーターはクリエイティブな仕事ができる人気の仕事です。まずはイラストレーターに欠かせないPhotoshopのスキルを身につけ、活躍できるイラストレーターを目指しましょう。
アビバのPhotoshop講座であれば、写真加工やデザインの必須スキルを効率的に学び、イラストレーターとしてのキャリアにつなげることができます。モチベーションを保ちやすい通学式の教室レッスンだけでなく、忙しい方でも気軽に学べるオンラインレッスンも開催しているので自分に合った方法で学習できます。Photoshopのスキルを磨きたい方は、ぜひご検討ください。