税理士は、税金に関する相談を受けたり、納税者に代わって申告書を作成したりするなど、税務にまつわる様々な仕事をしています。
そんな税理士になるためには、税理士試験に合格する必要があります。今回は、税理士試験の試験内容や受験資格、おすすめの勉強方法のほか、税理士の仕事内容などをご紹介します。税理士が普段どのような仕事をしているのか気になる方や、税理士試験にチャレンジしようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
- 税理士の仕事内容
- 税理士試験とは?試験内容と受験資格
- 税理士試験の試験内容
- 税理士試験の受験資格
- おすすめの勉強法
- まとめ
税理士の仕事内容
税理士は税金のプロフェッショナルとして、個人や企業にまつわる税金の申告や、納税の手助けをする専門家です。
税理士資格は国家資格であり、税理士法という法律によって税理士しか行うことのできない独占業務が定められています。税理士法によって定められている税理士の独占業務は、以下の3つです。
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
税務代理は、納税者に代わって税金の申告を行ったり、国税庁による税務調査が行われた際に立ち会ったりする仕事です。
税務書類の作成は、納税者に代わって税金の申告書を作成する業務です。企業を対象とした場合には法人税の申告書、個人を対象とした場合には確定申告書の作成などを行います。
税務相談とは、法人税・所得税・相続税・贈与税・固定資産税など、あらゆる税金に関する納税者からの相談を受け、その相談に対する意見や解決策を提案する業務のことをいいます。
税理士試験とは?試験内容と受験資格
税理士は国の根幹を支える税金を扱う仕事です。税理士試験は最難関国家資格のひとつに数えられるほど、難易度の高い試験となっています。国税庁が公表している合格率は、毎年15%程度です。
税理士試験の試験科目と、受験に必要な条件を見ていきましょう。
税理士試験の試験内容
税理士試験は毎年8月に3日間の日程で開催され、試験時間は3日間とも午前9時~午後5時頃となっています。
税理士試験の合格には会計学2科目、税法3科目の合格が求められます。会計学は2科目とも必須科目となっており、税法は全9科目のうち3科目を選択受験します。
会計学(必須科目) | 簿記論 | |
財務諸表論 | ||
税法(次のうち3つを選択) | 選択必須科目 (どちらか1つを選択) |
所得税法 |
法人税法 | ||
選択科目 (次のうち2つを選択) |
相続税法 | |
消費税法 | ||
酒税法 | ||
国税徴収法 | ||
住民税 | ||
事業税 | ||
固定資産税 |
会計学は「簿記論」と「財務諸表論」の2科目で構成されており、どちらも必須科目です。この2科目は、税理士の中心的業務である納税額の計算や、会社における会計帳簿の記録や簿記の原理、商業簿記の他に工業簿記も含む内容です。簿記論では、原価計算を除く複式簿記について幅広く出題され、財務諸表論では会社法や企業会計原則に準じた計算問題、会計に関する規定や考え方に関しての記述問題が出題されます。
一方、税法は9科目の中から3科目を選択して受験します。科目選択にはルールがあり、選択必須科目である「所得税法」か「法人税法」のどちらかは必ず選択し、残りの2科目を「相続税法」「消費税法」「酒税法」「国税徴収法」「住民税」「事業税」「固定資産税」の7つの選択科目の中から選択します。ただし、「消費税法」と「酒税法」、「住民税」と「事業税」は同じ時間帯に試験が行われるため、同時に受験することはできません。
税法では、それぞれの税金の根拠となる法律に基づく事項や、関連する租税特別措置法などの範囲から出題されます。
税理士試験では科目別合格制度を用意しています。科目ごとに合格基準が設定されており、合格した科目については以後その科目を受験する必要がなくなります。科目ごとに合格に必要な勉強量は左右しますが、どの科目も学習範囲は非常に広いです。ただ、一年に5科目受験が難しければ、「今年は簿記論を」「来年は所得税法を」といったスケジュールで試験に臨むことも可能ですので、個人のスケジュールやレベルに合わせて受験科目を決めると良いでしょう。
税理士試験の受験資格
税理士試験の受験資格は、以下に挙げる条件を一つでも満たすこととされています。
- 大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
- 大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者
- 一定の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
- 司法試験合格者
- 公認会計士試験の短答式試験に合格した者
- 日商簿記検定1級合格者
- 全経簿記検定上級合格者
- 法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者
- 銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸付け・運用に関する事務に2年以上従事した者
- 税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助事務に2年以上従事した者
おすすめの勉強法
税理士試験でカバーしなければならない学習範囲は広く、合格に要する勉強時間は2000時間~3000時間と言われています。そのため、独学で合格に必要な学習範囲をカバーし、モチベーションを維持したまま学習を継続することは難しく、多くの受験生は税理士試験講座のある資格スクールを利用しています。
資格スクールではこれまでの受験者のデータから分析された合格に最適なカリキュラムやテキストが用意されており、カリキュラムに従って勉強することで、効率的に合格までの道のりを進むことができます。また、毎年行われる税制改正に独学で対策することは難しいですが、資格スクールでは最新の税制改正対策も万全ですので、勉強に集中することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は税理士の担っている仕事や試験の内容、受験資格、おすすめの勉強法をご紹介しました。税理士は税金に関する独占業務を行うことのできる非常に魅力的な職業である反面、試験合格には多くの学習時間が必要です。資格スクールを利用するなどして効率的に合格を勝ち取りましょう。
なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール「大栄」では、税理士試験の合格を目指す方向けの「税理士資格講座」を用意しています。大栄では、長年にわたる合格ノウハウを詰め込んだオリジナルテキストを使用し、試験に合格できるまでの実力づくりを徹底サポートしてくれます。
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