現代ではどの業界・どの企業でもパソコンスキルは必須となっており、必要とされる人材を目指すのであればパソコンスキルの習得は欠かせません。特に、オフィスワークでは、パソコンを使わない日はない会社や、仕事も多くなっています。オフィスワークで活躍する人材を目指す、また、オフィスワークへの就職転職を目指すなら、パソコンスキルを取得するとともに、パソコン関連の資格取得を目指しましょう。資格を取ることで自分の強みとしてアピールしたり、業務を効率化して生産性を上げたりすることができます。
今回は、パソコンの資格を取るメリットと、オフィスワークの就職に有利なパソコンの資格を5つピックアップしてご紹介します。パソコンの資格取得を検討している方はぜひ参考してみてください。
1.パソコンの資格を取るメリット
まず、パソコンの資格を取るとどんないいことがあるのか、仕事における代表的なメリットを3つ紹介します。
1-1. 覚えた操作スキルの定着を図れる
パソコンの操作を学んでも、操作方法を知っただけではインプットに留まってしまい実際にパソコンの機能を使いこなせるようにはなりません。たとえば泳ぎ方を一度教わるだけでは実際に泳げないようなもので、教わった内容を何度も繰り返し練習する必要があります。
パソコンも同じです。状況に応じてパソコンを使いこなすには、さまざまな課題で繰り返し練習をしながら、機能の使い方をマスターしなければなりません。パソコンの資格では知識だけでなく実技も求められるため、資格を取るために、学習している段階で操作スキルの定着を図れ、より実践で使いこなせるスキルが身につきます。
1-2. 強みができてキャリアアップの足掛かりになる
「自分にこれと言った強みがなく、キャリアアップの足掛かりがない」という方にもパソコンの資格がおすすめです。デジタル化やオンライン化が急速に進んでいる今、どんな仕事でもパソコンが必要不可欠な存在になりました。そのため、パソコンの資格はあらゆる業務で生きる実用性が高い資格だと言えます。
1-3. 求人倍率が高い事務職に採用されやすくなる
パソコンを使う事務職ではほかの人との差別化がしにくく、面接などで自分の強みをアピールしにくいところがあります。。事務職は人気も高く倍率が高くなりがちなので、パソコンの資格を取得することで、ほかの応募者との違いをアピールしやすくなり、就職活動や転職活動が有利になります。
事務職では圧倒的に経験者が採用されやすいのですが、パソコンの資格を複数取得することで未経験でも採用される確率が上がります。事務職で活躍したい方は積極的に取得を目指しましょう。
2.パソコンスキルを上げ就職を有利にする資格5種類
パソコンスキルを高めたい方に向けて、オフィスワークをする際に取得しておくと評価されやすく、自己アピールにも使える資格を5つピックアップして紹介します。
2-1.MOS資格
「MOS資格」とはマイクロソフト社が認定するマイクロソフト・オフィス・スペシャリスト資格のことです。一般企業でよく利用するマイクロソフトオフィス製品のスキルを証明するもので、国際資格で世界的に通用する点も魅力です。
試験科目は文章作成ソフトのWord(ワード)、表計算ソフトのExcel(エクセル)、プレゼンテーションソフトのPowerPoint(パワーポイント)、データベース管理ソフトのAccess(アクセス)、電子メールソフトのOutlook(アウトルック)の5科目があり、好きな科目を選べます。いずれも会社であれば日常的に利用する汎用性が高いソフトばかりなので、あらゆるオフィスワークで通用する、かなり実用的な資格だと言えます。
MOS資格には一般的なスペシャリストレベルと上級のエキスパートレベルの2種類があり、自分のレベルに応じて選択することができます。実務レベルの基本的な機能を問われるのがスペシャリストレベル、難易度が高い操作で効率性も問われるのがエキスパートレベルです。受験料はスペシャリストは10,780円(税込)、エキスパートは12,980円(税込)と、ほかの資格に比べて高額なため、十分に準備をして受験したい資格です。
2-2. サーティファイ資格
サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催する「サーティファイ資格」も、MOS資格同様にWordやExcelなどの処理技能を保証するものです。Word文書処理技能認定試験、Excel表計算処理技能認定試験、PowerPointプレゼンテーション技能認定試験 初級・上級、AccessRビジネスデータベース技能認定試験などがあります。
MOS資格が国際資格なのに対して、サーティファイ資格は国内資格となります。また、Word1~2級、Excel1~2級、PowerPoint上級では知識試験と実技試験の両方がありますが、Word3級、Excel3級、PowerPoint初級では実技試験しかないため、最初に挑戦する資格として取り組みやすいのが特徴です。
MOS資格より知名度は劣りますが、実務を想定した実践的な課題で、ゼロから案内資料などの「完成物」を作成する出題形式のため、直ぐに実務に活かせるスキルが身につくと言ったメリットがあります。実務で活用するなら1~2級の取得がおすすめです。受験料は3,000円~6,700円(税込)と比較的リーズナブルです。
2-3. 日商PC検定
日本商工会議所および各地商工会議所が創設した「日商PC検定」も、パソコンの初心者向けの認定資格で、MOS資格とよく比較されます。ITを活用する実践的なスキルや知識の習得を目指す資格です。試験レベルは1級、2級、3級、Basicに分かれ、1級は年に2回の実施、その他の級は全国約2000か所の試験会場で開催に応じて随時受験できるネット試験です。試験の実施は各機関ごとによりますが、基本的に毎月第3金曜日が統一の試験日となっています。
具体的にはパソコンソフトなどでビジネス文書を作成する能力や、データの処理・分析能力、ネットワークを活用する事務能力、情報収集・発信能力を問います。MOSが幅広い基礎知識や操作を覚えるパソコン資格なのに対して、日商PC検定では仕事で実際に操作する実践力や知識が問われるため、より現場で生かしやすい資格だと言えます。
ただし、サーティファイ資格と同様に知名度がMOS資格よりも低いため、履歴書に書くならMOS資格のほうが有利にはたらきやすいでしょう。受験料は挑戦しやすいBasicは4200円(税込)~最難関の1級は10,480円と(税込)価格に幅があります。
2-4. P検(ICTプロフィシエンシー検定)
「P検(ICTプロフィシエンシー検定)」は、株式会社ベネッセコーポレーションが主催する総合的なパソコン能力を認定する資格です。「ICT」とはITにコミュニケーションのCを掛け合わせたもので、パソコンの知識やスキルだけを部分的に習得だけを評価するのではなく、習得した知識やスキルをどれだけビジネスの現場で生かせるか、といった課題解決能力を確認する資格になっています。
1~5級まであり、受験資格の制限はありませんが、1級だけは2級に合格していることが受験条件となります。大学や短大の入試が優遇される資格でもあるため、学生も多く受験しています。一般的な事務職であれば3級以上の取得を目指すのがおすすめです。できれば2級を目指しましょう。
受験料は5級であれば無料で、4級から受験料が必要です。4級から2級までの受験料には学割価格が設定されており、高校生以下だと4級が1,530円(税込)~2級が4,180円(税込)、一般では4級が3,060円(税込)~1級が10,000円(税込)と学生の方に挑戦してもらいやすい資格となっています。
2-5. ITパスポート(iパス)
「ITパスポート(iパス)」とはITの基礎知識の証明となる国家資格です。ITパスポート試験を実施している独立行政法人であるIPA(情報処理推進機構)によれば「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべきITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験」と定義されていて、幅広いIT知識を身につけられます。
ITパスポート試験はパソコンを使用したCBT方式で、4択から選んで回答します。問題数は100問で、試験時間は120分です。試験内容は3分野あり、ストラテジ系(経営全般)が約35問、マネジメント系(IT管理)が約20問、テクノロジ系(IT技術)が約45問です。いずれも1,000点満点中300点以上を取る必要があります。
ITパスポートはIT管理や技術だけでなく、経営全般の知識も問われるので、より総合的な知識を学べます。MOS資格などのパソコンやオフィスソフトの知識を問うものとはまったく立ち位置が異なるため、それぞれ別で取得するのもおすすめです。受験料は5,700円(税込)ですが、2022年4月から7,500円(税込)に改定となります。試験は全国100か所以上で随時実施されています。
3.まとめ
パソコンに関連する資格には多くの種類がありますが、今回ご紹介した5つの資格は比較的取得しやすく、あらゆる業界・企業で活用できる汎用性が高い資格です。「パソコンが使える!」ことを証明したいけれども、どの資格を取得するか迷っている」という方は、ご紹介した資格を目指してみてはいかがでしょうか。
パソコン資格を取得するには、独学で学ぶ方法とスクールで学ぶ方法があります。パソコンに対する苦手意識がある方、短期間で資格取得を目指したい方は、講師からのサポートが受けられるスクールで講座を受講するのがおすすめです。通学とオンラインの両方の学習方法が選べるアビバでは専門インストラクターが個別にサポートしているので、これから資格取得を検討される方はぜひご検討ください。