就職や転職では学歴が重視されることも珍しくなく、高卒者にとっては不利に働く場合もあります。しかし、就職する業界や仕事先で役立つ専門性の高い資格を持っていると、大卒者よりも高い評価を受けられるだけでなく、活躍の幅を広げることができます。
今回の記事では、特に高卒の方にお勧めの資格について、ランキング形式でご紹介していきます。高卒で資格取得を考えている方、専門性や専門知識を身に付けたいと考えている方は、参考にしてみてください。
1 1 高卒の方にお勧め資格ランキングTOP5
高卒の方が資格を検討する場合、社会人として身に付けておきたい教養を学べる資格や、就職先・転職先の業務と関連性の高い資格を選ぶのがおすすめです。以下、詳しく確認していきましょう。
1-1 第1位 簿記
簿記とは、日常的な企業のお金の収支や取引内容を帳簿上に記録する作業のことを言い、簿記資格はその知識を証明する資格です。簿記検定試験では、企業の各取引を帳簿上に記録する仕訳方法、貸借対照表や損益計算書などの決算書作成方法などの知識が問われます。
簿記資格を取得すると、経理のスキルが身に付くだけではなく、企業のキャッシュフローや財務状況などを把握できるようになり、経理業務、営業業務、管理業務など幅広い業種で役立ちます。そのため、簿記資格取得者は、各企業内で重宝されるケースが多くあります。
簿記検定試験には、「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の3種類があります。中でも、最も規模の大きい簿記検定試験が商工会議所主催の日商簿記です。日商簿記には、1~3級までありますが、商業簿記と工業簿記の知識が問われる2級を取得すると、経理分野での専門性を高く評価してもらえます。
日商簿記検定試験は、受験資格は一切なく、取得後の専門性の評価が高いため、特に日商簿記2級の資格取得はお勧めです。
1-2 第2位 医療事務
医療事務とは、医療機関で事務の業務を行う仕事で、一般の事務スキルに加えて、医療に関する知識も求められる場合があります。医療事務の業務内容には、「受付・会計」「レセプト作成」「クラーク」の3種類に大きく分けられます。
受付・会計 | 患者が診察を受ける際の受付業務、診療費用の会計業務等 |
レセプト作成 | 患者の自己負担部分以外の診療費用を保険機関などに請求する際に提出する「レセプト(診療報酬明細書)」を作成する業務 |
クラーク | スムーズに診察が受けられるように患者と医師や看護師の間をつなぐ業務 |
医療事務の業務は無資格でも行うことが可能です。しかし、医療事務資格があると専門性が評価されやすくなるため、就職・転職・キャリアアップなどで有利になります。
医療事務資格には、「医療事務技能審査試験」「医療事務管理士技能認定試験」「診療報酬請求事務能力認定試験」「医療事務認定実務者試験」などがあります。このうち、医療事務認定実務者は、受験者の約60%~80%が合格できる受験し易い試験です。一方、診療報酬請求事務能力認定試験は、医療の専門性が問われる難度の高い試験となります。
また、上記の医療事務資格はすべて民間資格であり、受験資格もないため、高卒の方にもお勧めの資格です。
1-3 第3位 FP
FP(ファイナンシャルプランナー)とは、相談者の生活に必要な資金計画を立てて、経済面において人生設計をサポートする専門家です。相談者の経済的な問題に対して、各種ローン、資産運用、節税、年金・保険などの金融に関する知識を提供した上で、アドバイスや提案を行うのが主な業務です。また、金融業務や不動産業務に付随する形でFP業務を行ったり、講演業や執筆業を行ったりするケースもあります。
FP試験には、国家資格である「FP技能検定試験」があります。FP技能検定試験には1~3級まであり、3級の難易度が一番低く、1級の難易度が最も高くなっています。3級では、個人の家計管理・資産運用、年金・保険、各種税金、不動産・相続などに関して浅く幅広い知識が問われます。
2級は、3級の試験範囲に加えて、企業の資金計画や決算、法人関連の税金や事業承継などの知識も試験範囲に含まれます。また、3級よりも出題内容のレベルが高く、より実用的なものになります。そのため、2級を取得すると評価されやすく、就職や転職の際でも有利になることがあります。
1級の試験内容は、金融業者が業務を行う際に必須で、経営者や資産家のコンサルティングを行えるレベルです。1級を取得すると、就職や転職で有利になるだけではなく、独立や高収入を目指すことも可能です。
FP技能検定の3級試験の受験資格は、「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」です。また、3級試験の合格者は2級試験の受験資格を得られます。そのため、3級合格後、2級を受験して合格という流れでスムーズに取得を目指せます。
1-4 第4位 保育士
保育士とは、保護者から預かった子どもの世話をする職業です。資格を持っていない場合でも、保育士の仕事をすることは可能ですが、業務中に保育士の名称を使用するためには、保育士資格を取得している必要があるので、保育施設などの現場で資格保有者の需要が高まっています。
保育士の資格を取得するには、保育士の資格試験に合格しなければなりません。保育士の資格試験は筆記と実技があり、筆記試験では、「保育原理」「教育原理」「社会福祉」「子どもの保険・食と栄養」などに関する問題が出題されます。一方、実技試験では、保育実習に関する実技が行われます。
高卒の方の保育士試験の受験資格は、高校卒業年月日が平成3年3月31日以前である方、または平成8年3月31日以前に高校の保育科を卒業している方です。
また、上記以外でも、利用定員20名以上の保育所、児童養護施設など、児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設に2年以上かつ2880時間以上、児童等の保護や養護に関する業務経験があれば、保育士試験の受験が可能です。
1-5 第5位 宅建士
宅建士は、不動産売買や賃貸などの取引時に専門家として立ち会う国家資格です。不動産売買や賃貸の契約前に行われる重要事項の説明、重要事項説明書や契約書への記名押印は、宅建士にしかできない独占業務となっています。
また、宅建業法では、1店舗5人に1人の割合で宅建士を置く規定が定められています。そのため、不動産業界への就職や転職をする際、宅建士資格があると高く評価してもらえます。
宅建士試験は、毎年10月の第三日曜日に行われています。試験内容は、「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税金」など不動産取引で必要な知識に関する問題が50問出題されます。出題問題はすべて多肢択一のマークシート形式で、試験時間は13~15時までの2時間です。
合格率は年度によって異なりますが、15~17%程度です。合格の目安は、全50問中35~38問の正解が必要です。宅建士試験に受験資格はなく、学習して受験をすることで誰でも合格が目指せる資格です。
2 まとめ
高卒の方にお勧めの資格は、会計・医療・金融・福祉・不動産など幅広くあります。就職・転職では、資格取得の過程で得られた専門性が認められると、高く評価してもらえるほか、活躍次第で高収入や独立を目指すことも可能です。
高卒で働き始めてから手に職を付けたいという方や、高校卒業後に働き始める予定の方は、上記資格を含めて仕事先で役立つ資格試験を検討してみてください。
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