企業の経理・財務職への就職や転職を考えるとき、持っていると有利に働くのが簿記2級資格です。試験合格率は25%と決して高くはなく、合格するには体系的に効率よく勉強する必要があります。そこで今回は、簿記2級試験の内容やおすすめの勉強法をご紹介します。簿記3級を取得した方や、経理・財務職に就いている方でさらなるスキルアップを目指す方は簿記2級試験に是非チャレンジしてみましょう。
1. 簿記とは
簿記とは、日々の経済活動を帳簿に記録して、企業の財政状況を明らかにする会計ルールのことです。
簿記には単式簿記と複式簿記があり、簡単な記帳方法である単式簿記は個人事業主やフリーランスの方が確定申告する際などに利用されます(白色申告)。一方、複雑な記帳方法(いわゆる正規な簿記)に従う複式簿記では、企業や法人が取引内容を詳細に記録し、財務諸表を作成します。
2. 簿記検定とは
日本商工会議所が主催する日商簿記検定試験の試験等級には1級~4級があり、今回取り上げる簿記2級試験は企業の経理担当者・財務担当者に求められる知識として、商業簿記・工業簿記に対する理解が求められます。
3. 簿記検定2級の試験
日本商工会議所が実施する日商簿記検定2級の内容を見ていきましょう。
3-1 受験者数と合格率
日商簿記検定2級の直近3回の受験者数と合格率は以下の通りです。
回 | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第149回(2018.6.10) | 38,352 | 5,964 | 15.6 |
第148回(2018.2.25) | 48,533 | 14,384 | 29.6 |
第147回(2017.11.19) | 47,917 | 10,171 | 21.2 |
毎年約5万人が受験していますが、合格率は約15〜30%と高くはありません。充分な試験対策が必要でしょう。
3-2 試験日程
日商簿記検定2級の試験は、毎年2月、6月、11月に実施されています。2018年度の試験は「6月10日(日)」「11月18日(日)」「2019年2月24日(日)」でした。
受験の申し込みは、「商工会議所に直接申し込む方法」と「インターネットで申し込む方法(ネット試験)」の2つがあります。「商工会議所に直接申し込む方法」では希望する受験地の商工会議所に受験を申し込みます。一方、ネット試験では「商工会議所ネット試験施行機関リスト」から希望するネット試験会場を選び、ネットを介してパソコン等で受験します。合否も試験直後に判明するため、近年受験者が増加している受験方法です。
3-3 簿記2級試験の内容
簿記2級の試験科目は「商業簿記」と、3級試験にはなかった「工業簿記」が加わった内容になっています。
商業簿記では決算書を作成するために企業の経済活動を正確に記録・計算できる技能が求められ、工業簿記では企業の製品製造にかかる材料・燃費などを明らかにし、原価計算をする技能が求められます。
・簿記2級の試験内容
商業簿記・会計学 | 簿記の基本原理(記帳内容の集計・把握)、諸取引の処理(銀行勘定調整表)、株式会社会計など |
工業簿記・原価計算 | 工業簿記の本質、原価計算、労務費計算、製造間接費計算、標準原価計算、直接原価計算、営業費計算など |
・試験時間:120分
・合格基準:5題出題で70%以上の得点が必要
・筆記用具、計算用具:黒鉛筆やシャープペンシルに限られるが、計算機(電卓など)を使用してもよい
4. おすすめの勉強方法
簿記2級は3級と比較して難易度が上がるため、効率良く質の高い学習がより求められます。
市販の学習参考書を使用して独学で挑むことも可能ですが、1回の受験で合格するには通信講座や資格予備校を利用したほうが良いでしょう。
2級試験では仕訳問題のレベルが上がり、各勘定科目に対する正確な理解が求められます。正しい仕分処理を理解できていないと、記帳の誤りを見抜けなかったり勘定科目を正確に記入できないというミスも発生したりします。
通信講座や資格予備校では初学者でもわかりやすく体系的にまとめられたテキストを使用し、またベテラン講師陣のバックアップを受けることもできるため、効率良く学習を進めるにはやはり通信講座・資格予備校の受講がおすすめです。
5. 簿記2級はこんな人におすすめ
簿記2級で問われる知識は社会人のみならず大学の推薦入試で役立つこともあり、就職や転職する際のアピール材料にもなります。
5-1 経済学部・商学部の受験生
簿記2級を推薦入試の基準の一つに設けている大学もあります。国立では一橋大学、滋賀大学、広島大学など。私立では中央大学、日本大学、同志社大学、立命館大学などです。
5-2 上級資格を目指す方
すでに簿記3級を持っている方は更なるレベルアップを目指しましょう。簿記2級の学習内容は公認会計士や税理士など会計系の上級資格にもつながるため、これらの資格取得を目指す際には役立つことでしょう。
5-3 経理、財務を担当するビジネスパーソン
簿記2級は経理や財務の実務に携わる全ての人に求められるスキルです。就職・転職する際の採用条件に掲げている企業も少なくありません。
6. まとめ
いかがでしたでしょうか?簿記2級を取得する実力があれば財務諸表を読み解き、企業の経営内容を把握することも十分に可能です。簿記3級に合格した方、経理部に勤めている方、これから就職する方などは経営管理に役立つ実践的な知識として簿記2級の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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