簿記は幅広い業種や職種でその知識を活かせる汎用性の高い資格です。中でも簿記2級は企業から求められる資格ランキングで常に上位にランクインする人気資格のため、就職や転職市場においても注目を集めています。また、簿記2級は資格取得に要する時間や費用の面からみてもコストパフォーマンスが高いため、キャリアアップ等を考える方にとっても狙い目の資格です。
今回は、簿記資格を取るなら2級がおすすめできる理由について様々な視点から解説するので、資格取得やキャリアアップの取り組みを考えている方は参考にしてみてください。
1.簿記資格を取るなら2級が狙い目である5つの理由
簿記は経理職などの専門分野以外でも活かせる資格のため、社会人の一般教養としても身につけておきたい知識となっています。中でも、簿記2級は人材サービス会社大手のリクルートキャリアが発表している「企業が求める資格ランキングトップ10」でも1位にランクインしています。就職や転職を考える際に有用な資格となる簿記2級について、資格取得が狙い目の5つの理由を確認してみましょう。
- 履歴書で評価されやすい
- 学ぶ内容が3級よりも実務に即している
- 合格にかかる時間とのバランスが1級よりも優れている
- 経理職以外でも業務に活用できる
- 経理は安定した需要があるため転職に役立つ
1-1.履歴書で評価されやすい
簿記2級は履歴書の資格欄に記載することで素直に評価されやすい資格です。「簿記資格は何級から履歴書に記載するべきか」という問題について、簿記3級なら履歴書に記載しないほうがいいという意見もありますが、応募する仕事に関係するのであれば簿記3級も履歴書に記載して差し支えはありません。
簿記3級では簿記の基本体系に関する知識を得られるため、履歴書に記載することで一定の評価を受けることは可能です。ただし、2018年度以前の簿記3級は個人商店に関する会計知識が主な試験範囲であったため、採用企業においては「少し物足りない」と評価される場合もあります。
一方、簿記2級は中規模の株式会社に関する会計知識を学ぶため、経理職などの専門分野でも活用できる知識を習得することができます。そのため、履歴書に記載することで相応の会計知識を有していることが明らかになり、簿記資格が応募条件となっていない求人においても素直に評価されやすい資格となっています。
1-2.学ぶ内容が3級よりも実務に即している
簿記2級が狙い目である理由の一つに簿記3級よりも実務に則している点が挙げられます。もともと、簿記3級では個人商店に則した会計処理が試験範囲となっていたため、株式会社などの法人の処理ではなく個人事業主の会計処理がメインでした。そのため、株式会社などの実務処理で必要な知識に欠ける部分もあり、あまり実務に則していない資格と判断されることが少なくありませんでした。
しかし、2019年度の簿記3級試験からは個人商店ではなく小規模の株式会社における会計処理が主な試験範囲となったため、「株式の発行」「準備金の積立」「法人税・住民税および事業税」「消費税」などの新たな試験範囲が追加されています。
これにより、簿記3級は以前と比べて会社実務に則した資格となりましたが、「有価証券の購入・売却処理」「固定資産の減価償却(直接法)」「手形の裏書譲渡」などの法人実務で必要な知識は従来の簿記3級から簿記2級の試験範囲へと変更されました。
これらを総合的に考慮すると未だに簿記3級は会社実務に則した資格だとは言い切れず、簿記2級のほうがより実務に則した資格と判断されるのが現状です。
1-3.合格にかかる時間とのバランスが1級よりも優れている
簿記1級は就職・転職市場において高く評価される資格です。会計事務所や企業の経理職などの専門的な職場でも重宝されるだけでなく、税理士の受験資格も得られるため様々なキャリアアップにもつながります。
しかし、簿記1級は毎回10%前後しか合格できない難易度の高い試験で、合格に要する目安の勉強時間も個人差はあるものの、一般的に500~600時間程度かかると言われています。
一方、簿記2級も会社の経理職や簿記の知識を必要とする様々な部署で重宝される資格ですが、試験の合格率は実施回によってバラツキはあるものの、20%~30%と合格を比較的目指しやすい資格です。また、合格に要する目安の勉強時間も200~300時間なので、1日2時間の勉強をすれば半年程度での取得を目指すことができます。そのため、簿記2級は比較的短時間で合格を目指すことができる上、資格取得によるメリットも大きいことから、合格にかかる時間とのバランスが1級よりも優れている資格となっています。
1-4.経理職以外でも業務に活用できる
簿記2級は経理職以外でも業務に活用できる点が狙い目となる理由の一つです。会社の会計処理に必要な知識を身に付けられるため、専門的な経理職以外でも営業や企画開発、生産管理、人事総務などの様々な分野でその知識を活かすことができます。
例えば、営業では原価の仕組みを理解することができ、数字的な裏付けを伴った営業活動を行うことが可能です。また、売掛金や買掛金の管理などもしなければなりませんが、これらも簿記の知識があることでスムーズに行うことができます。
企画開発や生産管理などの管理部門においては原価計算やコスト管理で簿記の知識が必要不可欠です。原価計算やコスト管理などの会社の経営に役立つ数字を管理する会計手法を管理会計と言いますが、現在は大小様々な企業で管理会計が導入されているため、簿記の知識は必須とも言えるレベルで求められています。
また、人事総務においても給与計算や従業員の給与から源泉徴収した所得税・社会保険料の処理などで簿記の知識が必要になるため、身に付けておいて損をすることの無い資格です。
1-5.経理は安定した需要があるため転職に役立つ
簿記は労働市場において安定した需要があるため転職にも役立つ資格です。特に、経理は会社の運営に欠かすことのできない部署のため、景気にも左右されにくく安定している傾向にあります。
もちろん、不景気の際には経理職も含めた余剰人員の削減などが行われることもありますが、企業が経済活動を続ける限り経理職はなくてはならない存在です。そのため、必ず企業規模に合わせた経理職の人員が必要になります。
また、経理と聞くと管理部門の経理部署を想像するかもしれませんが、工場や営業所などを構える会社ではそれぞれの部署でも経理処理のできる人材が必要です。このような理由からも経理の仕事は転職市場においても安定した需要があります。
簿記1級の資格を持っていると転職の際には大きなアドバンテージとなりますが、資格取得には相当の時間と労力が必要です。また、簿記3級の資格だけだと不景気なときなど、競争率の高い就職活動を勝ち抜くためには決め手に欠けてしまいます。これらのことを考えると、簿記1級よりも時間や労力が少なくても取得でき、簿記3級よりもしっかりとアピールできる簿記2級は転職を考える際に役立つ資格です。
2.まとめ
簿記2級は履歴書で評価されやすい、経理職以外でも業務に役立つなどの様々なメリットのある資格です。また、簿記1級よりも気軽に資格取得を目指すことができ、簿記3級よりも就職市場において価値の高い資格となっているため、簿記の中でも簿記2級の資格は狙い目の資格となっています。簿記2級は3級試験とのダブル受験も可能なので、効率的な資格取得を考えている方は、検討してみてください。
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