2020年9月、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない状況を受け、日本商工会議所は簿記検定3級の試験でCBT試験(インターネット試験方式)の導入することを決定し、2020年12月14日から実施されました。
日商検定の中でも簿記初級検定などでは早くから導入されていた試験方式ですが、簿記検定3級の試験では実施されていなかった方式なので、従来との変化に戸惑う方も多いでしょう。
今回は、簿記3級で実施しているCBT試験について、特徴や従来の試験方式との違いを詳しく解説します。
簿記3級の受験を検討されている方は、試験を受ける前に確認しておきましょう。
簿記3級のCBT試験とは
新型コロナウイルスの影響で第155回簿記3級試験が中止となったことを踏まえ、感染拡大予防の観点から簿記2級・3級で導入されたCBT試験ですが、今後も感染症や自然災害による受験機会の喪失を防ぐために継続的に導入されることとなりました。
CBT試験とは、Computer Based Testingの略称で、コンピューターを利用した試験方式のことを指します。
受験会場に設置されたコンピューターに表示される問題を解き、コンピューターで回答を入力するという受験方法です。
ネット試験方式と記載されていることもあり、在宅受験と勘違いをされる方もいますが、各試験会場へ出向く必要があるため注意しておきましょう。
CBT試験に関する従来との相違点は?
簿記3級でCBT試験が導入されたことにより、従来の試験方式と大きく変化する点があります。
ここからは、簿記3級に関する受験情報から、従来との変化を確認していきましょう。
申し込み方法
申し込みはCBT試験を運営する株式会社CBT-Solutions(CBTS)の簿記試験専用ページからのネット受付のみ対応しています。CBTSでのCBT試験が初めての方は、事前に受験者登録を行い、ユーザーIDとパスワードを取得する必要があります。
受験料
受験料は従来と変わらず、2,850円(税込)での受験が可能です。ただし、別途550円(税込)の事務手数料が必要となります。なお、支払方法は、クレジットカード決済かコンビニエンスストア決済、Pay-easy決済のいずれかを選択することができます。
試験日
従来までの統一試験(ペーパー試験)との大きな違いは試験日です。
統一試験の場合、試験は年3回決まった日程で開催されていましたが、CBT試験は随時開催なので日程の決まりはありません。
ネット会場により開催日が異なるため、CBTSのテストセンター空席照会で状況を確認し、申込日より3日目以降で空席があればいつでも申し込むことが可能となります。
受験会場
CBTSのテストセンター空席照会で選択したネット会場が試験会場となります。在宅受験ではなく、会場へ直接足を運ぶ必要があるため注意が必要です。
受験形式
従来までの紙と鉛筆を使用したペーパー試験ではなく、試験会場に設置されたパソコンで問題に解答する形式となります。計算用紙となるA4の白紙は2枚配布されますが、試験終了後に回収され、試験後の自己採点や振り返りなどがしづらくなりました。
また、統一試験の場合は受験者全員同じ問題が出題されていましたが、CBT試験は1人1人のコンピューターで出題される問題が異なる仕組みが採用されています。
出題範囲
出題範囲は従来の試験と大きな変更点はありませんが、統一試験の場合120分で設定されていた試験時間が、CBT試験では60分となります。
なお、統一試験では5問出題されていましたが、CBT試験では3問の出題となっています。
合格発表
試験終了後、自動採点によって合否判定がされます。点数と合否、QRコードが記載されたスコアレポートが配布されるので、合格者のみQRコードがからデジタル合格証を取得します。
不合格になってしまった場合、再試験は最短3日後に実施される試験から申し込みが可能となりますが、試験会場および試験日時については、再度CBTSのテストセンター空席照会で改めて確認する必要があります。
統一試験ように、次回の試験日が決まっていて、その日まで待つ必要が無いため、スピーディーに再試験を受けることができる点もCBT試験ならではの特徴といえるでしょう。
統一試験が廃止となるわけではない
CBT試験導入に伴い、統一試験が廃止となるわけではありません。第157回統一試験も予定通り2月28日に実施致しました。
また、2021年度からは、従来通りの統一試験と2020年12月から始まったCBT試験に加え、企業や教育機関等に商工会議所の方が出向いて実施する団体試験が7月から導入される予定です。
試験問題は持ち帰れない
CBT試験ではコンピューターの画面で問題回答を行うため、試験問題を持ち帰ることはできません。併せて計算用紙も回収されるため、受験後の振り返りや自己採点ができなくなる点がデメリットといえるでしょう。再受験をするまでの対策難易度が以前よりも高まります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。社会状況の変化に伴い、2020年12月14日から簿記3級のCBT試験が導入されました。
他の公的資格でも早くからCBT試験が導入されているケースも増えており、今後の資格試験ではCBT試験が主流となる可能性もあります。
申し込み時や受験時など、従来の試験との変化もあり、戸惑う部分は大きいかもしれませんが、実力を発揮できるよう十分な対策を行いましょう。
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