簿記3級試験は、幾つかの団体が実施していますが、特に日本商工会議所にて主催している日商簿記検定試験(通称:日商簿記)3級は、毎回約8万人程度が受験する人気の高い公的資格です。
就職や転職のために簿記3級取得にチャレンジされる方は多いですが、キャリアチェンジやステップアップを期待する場合は年収の変化なども気になります。
今回は、簿記3級を取得することで就ける職業や年収の変化について詳しく見ていきましょう。
簿記3級の取得で年収は変わる?
簿記3級を取得することによる年収の変化は、実務経験の有無やスキル、勤務先条件によって異なります。
求人検索をかけてみると、「簿記3級以上で時給UP」「日商簿記3級以上が望ましい」と記載された募集も多く就職・転職に活かすことが可能であることが分かります。
しかし、もともとの年収や雇用形態などによって異なるため、一概に年収アップに繋がるとは言い切れません。
年収が変化する場合もあれば、変化がない場合もあると言えるでしょう。
実務経験があると年収アップに繋がりやすい
特に経理関連職では実務経験が重視されるケースが多く、簿記3級+実務経験で年収がアップする可能性があります。
経験があれば任せられる仕事内容も幅広く変化し、責任のある立場へキャリアチェンジを目指すこともできるでしょう。
しかし、全くの未経験で簿記3級スキルがあるだけでは、年収アップに繋げるのは難しいです。それは、簿記3級は簿記の基本的スキルであり、経理関連職では持っていて当たり前のスキルと認識されていることも少なくないからです。
未経験で簿記スキルを証明し、年収アップを目指す場合は簿記2級以上を取得するのが望ましいと言えるでしょう。
また、未経験であっても実務経験を積めば年収アップを目指すことができるため、コツコツと実務経験を積んでいくことも1つの方法です。
資格手当の支給はある?
企業によっては資格を有していることによって、給料に資格手当が上乗せ支給されるケースがあります。
簿記3級での資格手当の有無は企業によっても異なってくるとは思いますが、一般的には簿記2級から支給されることが多いとされています。
求人傾向調査から月の資格手当は、簿記1級で1,000~7,000円程度、簿記2級で1,000~5,000円程度、簿記3級は資格手当なしが一般的です。
企業によっても異なりますが、資格手当の支給を目指したい場合は、簿記3級をステップアップとして上級資格の取得を検討するといいでしょう。
上級資格取得や関連スキルを身につける
簿記2級・1級といった上級資格や、その企業で求められる関連スキルを身につけることで年収アップを期待することができます。
簿記2級以上の取得者を応募条件としている企業の年収は、企業や役職等によってさまざまですが、募集内容を見ると300万円~1,000万円を想定されており、現状より年収アップを目指せるかもしれません。
また、決算書作成スキルや原価計算スキルといった関連スキルを身につけることで経理職へのキャリアチェンジが有利となることもあります。(これらのスキルは簿記2級で取得可能です。)
外資系企業であれば、合わせて外国語スキルを持っておくことで年収がアップすることもあるでしょう。
就職希望企業や職業で有利とされるスキルを身につけておけば、未経験からでもスキルアップを目指すことが可能なケースが多いです。
簿記資格で年収アップが期待できる職業とは
簿記資格を取得することで、年収アップが期待できる職業は経理以外にも数多く存在します。
ここからは、簿記スキルを活かせる各職業と平均年収を解説していきましょう。
経理関連職
簿記スキルを活かせる最もポピュラーな職業は経理事務や総務事務をはじめとする経理関連職です。
経理は簿記スキルをそのまま仕事に活かすことができるため、簿記スキルや実務経験を採用条件とする企業が数多く存在します。
しかし、転職市場では経理関連職で簿記3級でも可能な採用募集は少ないのが現状です。経理関連職で簿記のスキルを活かしたい場合は、簿記2級以上の資格を取得しておくか、実務経験をしっかりと積んでおくのがいいでしょう。
営業職
簿記スキルは営業職でも役立ちます。
取引先の財政状況を把握することや、数字を根拠としたプレゼンが行えるといった面から営業職でも簿記スキル所有者を優遇するケースも増えています。
年収に直接影響するかどうかは各企業の条件面によっても異なりますが、ビジネスに関わる経済を把握しておくことは売り上げ数の増加などにも活かすことができるため、間接的に年収アップを期待することができます。
販売職・サービス業
販売職は、接客販売以外にも在庫管理や会計管理などのスキルが必要となります。
簿記スキルは経済を理解することができるため、販売職の中でも経済活動の把握や財政管理に役立てることが可能となるでしょう。それが売上の上昇にも活かすことにも繋がります。
また、サービス業や小売業などでも簿記スキルは注目されており、資格手当を設定する企業も増えています。そういった職業を上手く探すことができれば年収アップを期待することができるでしょう。
会社の規模や業種に関係なく、経済活動を把握することはビジネスに役立てることができるため、その面から言えばどのような職業でも年収アップを期待できる可能性は大いにあります。
簿記3級はステップアップの第一歩
先述したように、直接的に年収アップへ繋げたい場合は簿記2級以上の取得が望ましいです。
しかし、簿記3級の取得は無駄ではありません。
簿記の基礎を学んだ上で、2級や1級などの上級資格を目指せば、スムーズな合格を目指せる場合も多いでしょう。
キャリアパスとして、難易度が比較的容易な簿記3級からスタートするという方も数多く存在します。
簿記3級はステップアップへの第一歩としておすすめの資格であると言えるでしょう。
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