試験を受験する前に!宅建試験の科目について知っておこう

不動産業界に就職・転職する際に役立つメジャーな資格として「宅建士」があります。宅建試験は誰でも受験することはできますが、不動産取引に関する幅広い専門知識が問われるため、合格率15%前後の難関国家資格試験となっています。そこで、今回は、宅建士の概要のほか、試験科目、合格率、各科目の内容を詳しくご紹介しますので、不動産業界に興味のある方や宅建士資格の取得を目指す方は、参考にしてみてください。

1.宅建試験とは

宅建試験とは「宅地建物取引士資格試験」の略称で、年間の受験申込者及び受験者の数が20万人を超える人気資格の一つです。不動産取引には欠かせない資格として知られており、専門性の高さから資格取得後は独立することも可能です。

1-1.宅建士の仕事内容

宅地建物取引士(宅建士)は、宅建試験に合格した者に付与される国家資格です。宅建士は建物や土地にかかわる法律、取引や技術に関する専門知識をもとに、不動産の購入者に対して重要事項を説明するなどの独占業務を有します。

不動産売買の仲介等を行う「宅地建物取引業者」は、事務所内に最低1人以上の宅建士を設置しなければなりません。そのため、宅地建物取引業者に当たる不動産会社にとって、宅建士は必要不可欠な存在となっています。

1-2.宅建試験の概要

宅建試験は宅建業法第16条に基づき、一般財団法人「不動産適正取引推進機構」が国の指定を受け、各都道府県知事の委任のもとで行われています。

試験の基準及び内容

宅建試験の基準は、宅地建物取引業についての実用的な知識を受験者が備えているかどうかが問われます。試験の主な出題内容は下記の通りです。

  • 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること
  • 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること
  • 土地及び建物についての法令上の制限に関すること
  • 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること
  • 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること
  • 宅地及び建物の価格の評定に関すること
  • 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること

宅建試験の概要と日程等

試験日程の発表 毎年6月の第1金曜日に官報や不動産適性取引推進機構のホームページで試験の実施内容を公示
試験方法 50問・四肢択一式(マークシート形式)による筆記試験
受験資格 年齢、性別、学歴等の制約なく、誰でも受験することが可能
※ただし、合格後の資格登録については、一定の条件を満たす必要あり
試験日 毎年1回、10月の第3日曜日に実施
試験時間帯は午後1時~午後3時の2時間
受験手数料 7,000円(2018年実績)
合格発表 原則的には12月の第1水曜日または11月の最終水曜日に各都道府県で発表

2.各科目の配点、合格点、合格率

宅建試験の科目(出題分野)と配点、合格点と合格率について説明しましょう。

2-1.宅建試験の科目・配点及び合格基準点

宅建試験の2014年~2018年の合格基準点は下表の通りです。合格基準点は出題50問中のうち合格に必要な点の目安です。

実施年度 合格基準点(一般受験者)
2018年 50問中37点 74%
2017年 50問中35点 70%
2016年 50問中35点 70%
2015年 50問中31点 62%
2014年 50問中32点 64%

また、50問の出題分野とその配点は下表のようになっています。

出題分野 出題数(=配点)
宅地建物取引業法(宅建業法) 20問(20点)
民法など 14問(14点)
法令上の制限 8問(8点)
税、その他 8問(8点)

2-2.宅建試験の合格率

宅建試験の2014年~2018年の合格率を含む受験状況は下表の通りです。

実施年度 受験者数 合格者数 合格率(一般受験者)
2018年 213,993人 33,360人 15.6%
2017年 209,354人 32,644人 15.6%
2016年 198,463人 30,589人 15.4%
2015年 194,926人 30,028人 15.4%
2014年 192,029人 33,570人 17.5%

ここ10年間で見ると合格率は概ね15~17%程度で推移しています。合格基準点も35点前後で推移しており、絶対基準による判定ではなく各年度の受験者数や確保したい合格者数などの状況によって各年度で合格率・合格基準点が調整されていると考えられます。

3.宅建試験の各科目の内容

50問の出題分野を大まかに分類すると「民法等に関する権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」になります。これらについての内容を確認していきましょう。

3-1.民法等に関する権利関係

「民法等に関する権利関係」の分野では、「土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令」として、民法、不動産登記法、建物区分所有法、借地借家法等にかかわる不動産取引の内容などが出題されます。

具体的には、不動産を購入する場合の契約書に関わる問題やその対処方法などの不動産取引について民法などの規定・判例に合致しているかといった内容になります。設問文は長めで、かつ法律用語が主体の文書であるため、初学者にはやや取り組みにくい分野と言えるでしょう。

3-2.宅建業法

「宅建業法」の分野は「宅地建物取引業法及び同法の関係法令」として、宅建業法や住宅瑕疵担保履行法を対象に宅建士の業務に関連した内容が出題されます。

宅建士の業務にかかわる様々な面から問われ、最も出題量が多い分野です。宅建士の実務に直結する内容であるため具体的で理解しやすい反面、暗記量が多くなります。また、計算を伴う問題もあることから事前に計算練習を繰り返しておくことが重要になるでしょう。

3-3.法令上の制限

「法令上の制限」の分野では「土地及び建物についての法令上の制限」を対象に都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、農地法、土地区画整理法、宅地造成等規制法等にかかわる内容が出題されます。

都市や街づくり、家づくり等にかかわる法律の問題が出されますが、個人の日常生活と接点の薄い用語などが多く使用されるため、この分野を苦手にする受験生も少なくありません。

市街化区域、田園住居地域、風致地区など初学者には馴染みの薄い専門用語や、都市計画区域等での開発面積といった内容が出題されます。

3-4.税・その他

「税・その他」の分野は「宅地及び建物についての税、価格の評定、需給に関する法令及び実務」「土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別」の内容が対象です。

法律としては、不動産取得税、固定資産税、所得税、印紙税、登録免許税、贈与税、地価公示法などが対象になります。不動産を購入する場合の税金、土地や建物に関する構造・種別、安全性・耐久性など多様な不動産についての知識が問われます。

4.まとめ

宅建試験は、建物や土地にかかわる法律、取引や技術についての知識を有する専門家である「宅建士」になるための国家資格試験です。宅建試験は合格率15%~17%程度の難関資格試験のため、各科目で7割の正解率を目指す学習が必要ですが、特に配点数が多く馴染みやすい宅建業法分野での高得点が合格に直結しやすいでしょう。日常生活では聞きなれない法律用語も多いですが、過去問の反復学習などで対策を進めてみてください。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、宅建士資格取得のための講座を用意しており、初学者でも無理なく宅建士資格取得を目指すことができるカリキュラムとなっています。

大栄の宅建士資格講座に興味がある方は、ぜひ一度資料請求や無料体験をお申し込みください。

【詳細ページ】資格スクール大栄の宅建士資格講座の詳細を見る