宅建試験の「権利関係」科目の概要・勉強法・対策まとめ

宅建試験は受験資格に特段の定めがないことから誰でも気軽に受験することができます。そのため社会人だけでなく就職を控えた学生などにも根強い人気のある資格です。しかし、宅建は難関な国家資格試験の一つに数えられるため、勉強法などに悩む受験者も少なくありません。中でも、「権利関係」は民法などの学習負担が大きい法律を中心に出題されるため、対策が難しい科目となっています。この記事では、宅建試験の「権利関係」について概要や勉強法、対策について分かりやすく解説しますので、興味のある方は参考にしてみてください。

1.宅建試験の「権利関係」とは?

「権利関係」は宅建試験の中でも求められる学習量が多く、得点の取りにくい科目とも言われています。まずは「権利関係」の概要や出題形式、難易度について確認してみましょう。

1-1.概要

「権利関係」は宅建試験の4つある試験科目の一つです。「権利関係」科目で問われる試験内容は宅建業法施行規則で「土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること」と定められています。具体的には、一般法である民法、特別法である不動産登記法、建物区分所有法、借地借家法の4つが出題範囲となります。

一般法とは人や事象を限定せず広く一般的に適用される基本的なルールであり、限られた人や事象に対するルールを定めた特別法とも深い関係がある法律です。そのため、「権利関係」では一般法である民法からの出題が最も多く、借地借家法などの特別法と絡めた問題なども出題されます。

このように「権利関係」は出題数の多くを占める民法のボリュームが非常に多く、他の特別法と併せると相当の学習量を求められます。宅建試験の全50問の出題の中でも全体の約3割を占める14問が出題される科目でもあり、その勉強法は宅建試験対策の中でも重要なカギを握ります。

1-2.出題形式

「権利関係」の出題傾向は、近年大きな変化はありません。例年、民法から10問と特別法から4問の割合で出題されており、特別法の内訳は借地借家法2問と区分所有法1問、不動産登記法1問となります。最も多く出題される民法の問題は、主に「~のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいもの(誤っているもの)はどれか。」という正誤問題の形式で出題されています。

「権利関係」の出題形式では、民法とその判例に基づく知識が求められるため、単純に条文を暗記するだけの勉強法では対応が難しくなります。
同様に、特別法でも条文や判例の理解力が問われる問題が主となるため、条文の暗記だけでなく判例等の事例も含めた理解を深める対策が必要になります。中には、「民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいもの(誤っているもの)はどれか。」という、民法と特別法との関連を問われる問題まで出題されているため、全ての問題に対応するためには深い理解力が求められます。

1-3.難易度

宅建試験の「権利関係」科目は非常に難易度の高い科目です。宅建試験は毎年20万人前後が受験しますが、合格率は例年15%ほどと狭き門になっています。合格に必要な合格基準点は年度によって増減はあるものの、50点満点のうち35点前後が必要です。つまり、宅建試験に合格するには試験全体で7割前後の正答率が求められています。

・宅建試験の合格基準点と合格率

年度 合格基準点 合格率
2018 37点/50点 15.6%
2017 35点/50点 15.6%
2016 35点/50点 15.4%
2015 31点/50点 15.4%
2014 32点/50点 17.5%

(不動産適正取引推進機構公開の情報より抜粋)

また、資格スクールや通信講座などで集計されている合格者の科目ごとの正答率を見ても、宅建試験に合格した受験者の「権利関係」科目の正答率は概ね60%~70%となっており、他の主要な試験科目である「宅建業法」の85%前後と比べても非常に低くなっています。実際に、合格するために目標と定める点数も「宅建業法」の科目では9割前後となりますが、「権利関係」は14問中9問から10問の正答率7割前後を目標とするのが現実的です。

2.「権利関係」の勉強法・対策

「権利関係」は宅建試験の中でも難易度が高い科目となるため、その勉強法や対策が合否を大きく左右します。ここからは、「権利関係」の具体的な勉強法や対策について解説し、2020年度から宅建士試験に大きな影響を与えることが予想されている民法改正への対応についても説明します。

2-1.勉強法と対策

「権利関係」は、その圧倒的なボリュームから対応に苦慮する受験生が多くいます。出題の大半を占める民法は条文の数だけでも1,044と膨大で、限られた勉強時間の中で全ての項目を完璧に対策することは大変難しくなります。そこで重要となるのが合格ラインである7割弱の得点を目標とした勉強法です。

まずは、過去の出題傾向から出題頻度の高い項目を重点的に学習します。その後、出題頻度の低い項目については過去問などを中心にあまり時間をかけずに学習します。このように出題頻度によってメリハリをつけた学習をすると、ボリュームの多い民法を合格ラインまで効率的に引き上げることができるようになります。

なお、民法以外の特別法は基本的に重要性の高い項目が多いため、2問出題される借地借家法を筆頭に全ての特別法をまんべんなく対策する必要があります。

2-2.民法改正への対応

2020年4月から大幅に改正された民法が施行されます。宅建試験は実施される年の4月1日時点で施行されている法律が試験の出題範囲となるため、2020年10月に実施される宅建試験では改正後の民法が試験の出題範囲です。

大幅な改正が行われているため、宅建試験への影響はかなり大きなものになると予想されていますが、もともと宅建試験は法改正の項目が出題されやすい傾向もあるため、重点的な対策が必要になります。

今回の民法改正では契約などに関する基本的なルールを定めた債権法と呼ばれる部分が大きく改正されているため、宅建試験ではまずこれらの改正項目を把握することが大切です。主な改正内容については以下の通りです。

賃貸借契約に関するルールの見直し

不動産などの賃貸借契約において、これまで判例などをもとに運用されてきたルールが明文化されるなどの改正が行われます。具体的な内容としては、賃借人の原状回復義務および収去義務等の明確化や敷金に関するルールの明確化などが挙げられます。

売買契約に関するルールの見直し

不動産などの売買において、目的物が契約内容と異なっている場合の買主の保護が明文化されるものです。売主に対して契約解除や完全な契約履行を求めることや、代金の減額請求を要求できることが法律上明記されました。

保証人の保護に関する改正

根保証契約についても大きな改正が行われ、極度額の定めのない個人の根保証契約が無効となります。住宅の賃貸借契約に付随する保証人契約は「根保証契約」に該当することもあるため、実務上は保証人が支払う限度額に上限を設けるなどの対策が必要です。

上記の改正項目は民法改正のほんの一部に過ぎません。宅建試験に関係のある項目だけでも相当数の改正が行われているので、2020年度以降に受験する方は重点的な対策が必要です。

ただし、全ての改正項目を自分で調べながら対策するのは相当の労力を要し、宅建試験で重要となる過去問は法改正においては活用することができません。そのため、民法改正の対策を効率的に行うには、受験ノウハウを持った資格スクールや通信講座といった受験予備校を活用するのが有効な選択肢の一つとなります。

もちろん相応の費用はかかりますが、勉強時間の確保が難しい社会人の方が、独学で難関国家資格を突破するにはある程度の予備知識も必要になる場合もあるでしょう。特に法律を学んだことがない方にとって、権利関係や不動産に関する法律は難解な部分もあります。

その点、資格スクールの対策講座では法律初学者でもわかるように体系的にまとめられたテキストを活用でき、疑問点があれば質問することもできます。専門のチューターに勉強のスケジュールや受験上の悩みを相談することも可能です。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。宅建試験の「権利関係」について概要や勉強法・対策などを説明しました。「権利関係」はボリュームが多く、難易度が高いためその勉強法と対策が合否のカギを握る科目です。宅建資格を効率的に取得するためにも、必要に応じて資格スクールなどの対策講座を利用するなど、ご自身に最も合った勉強法を検討してみてください。

なお、リンクアカデミーが運営する資格スクール大栄では、宅建士資格の試験対策講座も開設しており、民法大改正にも対応したカリキュラムとなっています。

民法大改正への対応で試験対策に不安がある方は、ぜひ一度資料請求や無料体験をお申し込みください。

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