宅建士は合格率15%前後の難関国家資格の一つです。しかし、宅建士試験は過去の傾向などに基づいた的確な対策が有効な資格試験で、一発合格する方も少なくありません。
そこでこの記事では、宅建士一発合格のための勉強法をご紹介します。合格のために必要な勉強時間の目安やスケジュールなども併せてご紹介するので、宅建士試験の一発合格を目指したい方はご参考にしてください。
1 宅建士一発合格のために必要なこと
宅建士試験で一発合格するためには、まず正確な難易度の把握が重要です。その上で、難易度に合わせた学習計画を立てることが一発合格に近づくための第一歩となります。まずは、これらの点から詳しく確認してみましょう。
1-1 合格点や合格率を正しく理解する
合格点や合格率は難易度を示す重要なデータです。以下の表をもとに過去5年間の宅建士試験の合格率や合格点について確認してみましょう。
実施年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 |
令和2年12月 | 55,121人 | 35,261人 | 4,610人 | 13.10% | 50問中36点 |
令和2年10月 | 204,163人 | 168,989人 | 29,728人 | 17.60% | 50問中38点 |
(令和2年合計) | 259,284人 | 204,250人 | 34,338人 | 16.80% | - |
令和元年度 | 276,019人 | 220,797人 | 37,481人 | 17.00% | 50問中35点 |
平成30年度 | 265,444人 | 213,993人 | 33,360人 | 15.60% | 50問中37点 |
平成29年度 | 258,511人 | 209,354人 | 32,644人 | 15.60% | 50問中35点 |
平成28年度 | 245,742人 | 198,463人 | 30,589人 | 15.40% | 50問中35点 |
(注)宅建士試験は例年10月に年1回の試験が実施されますが、令和2年は新型コロナウイルスの影響により10月と12月の2回に分けて実施となっています。2回の試験はそれぞれ別の試験問題で実施されましたが、令和2年合計として受験者数と合格者数を合算した数値から合格率を算出しています。
過去5年間の合格率は概ね15~17%で推移しており、受験者の約6人に1人しか合格できない試験です。合格率のみに着目すると、超難関とされる合格率3%前後の司法書士試験や10%前後の行政書士試験よりも合格しやすい水準です。
しかし、合格率20%を切る資格試験では一部に記念受験の人がいたとしても、事前に試験対策を行った受験者との競争で一歩抜きんでる実力が必要です。そのため、事前に相応の時間と労力を費やした試験対策をしてから試験に臨まなければ、スムーズな合格は難しいでしょう。
また、過去5年間の合格基準点は1問1点の計算で50問中35~38点となっており、合格のためには最低7割以上の正答率が必要です。つまり、宅建士試験はあらかじめ合格基準点が決まっている試験ではなく、受験者同士の比較で合格点が決まる競争試験であることが分かります。多くの受験者が正答できる問題を取りこぼすことなく正解し、さらに他の受験者と差がつく問題に正解して、かつ、7割以上の正答率を確保しなければなりません。
このように宅建士試験は知識量が問われるだけでなく、ミスの少ない解答力も問われる難しい試験となっています。
1-2 難易度に合わせた学習計画
例年必要合格点や合格率を把握した後は難易度に合わせた学習計画を立てることが重要です。そこで最も重要になるのが出題科目ごとの目標点数の設定で、目標として具体的な点数を定めることで試験対策のゴールをより明確にすることができます。
宅建士試験の場合、過去5年間の合格基準点は35~38点となっているため、現実的な目標点数として掲げるのは40点前後が妥当なラインです。
また、出題科目ごとの目標目安は「宅建業法20問中18問」「権利関係法令14問中10問」「法令上の制限8問中5問」「税その他の分野8問中5問」で合計38問となります。ここに得意分野の出題科目でさらに2問の正解を稼ぐイメージです。
50点満点を取れるような学習方法を理想とする考え方もありますが、法律系の資格試験は関連する法令が極めて多くなるため、一定の合格基準に達することを目的とする資格試験の勉強方法としては向きません。
そこで、合格基準のやや上の水準である40点前後を目標にすると、「模試や過去問などで常に目標点数に達するレベルを目指す」という明確なゴールが定まるので、効率的な学習計画を立てられるようになります。
2 宅建合格のために必要な時間とは?
宅建士試験に一発合格するためには限られた時間の中での効率的な対策が必要です。そのためには、試験対策に要する勉強時間を測り、本試験から逆算して学習スケジュールを立てる必要があります。
2-1 合格に必要な勉強時間は平均200−400時間
宅建士試験の合格には平均で200-400時間の勉強時間が必要です。しかし、これはあくまでも過去の合格者の実体験などに基づいた目安の時間なので、個人差があります。その個人差を自分で把握しながら合格に必要な勉強時間を見極めることが大切です。
例えば、宅建士試験では民法や宅建業法に関する問題が数多く出題されますが、過去に大学でこれらの法律の勉強をしたことのある方と、初めて学習する方では知識量に差があります。
このような個人差を把握しながら必要な勉強時間の把握に努め、勉強時間がもっと必要だと分かった場合はスケジュールの組み換えなどを行いながら、勉強時間を確保することが重要になります。
2-2 半年前から準備を始める
宅建士試験の合格に必要な勉強時間は200-400時間なので、2〜3か月前から学習を始めても間に合うと考える方もいますが、できれば半年以上前から準備することが大切です。
既にご説明した通り、合格に必要な勉強時間には個人差があるほか、当初予定していたよりも多くの勉強時間が必要になることがあります。しかし、本試験までに時間的な余裕がなければ対応できない可能性もあるので、余裕を持った準備期間が必要です。
また、試験勉強は仕事や私用などでなかなかスケジュール通り進まないこともあります。これらのことを考慮すると、余裕を持って試験対策を行うためには、半年前から準備を始めておくと安心です。
3 模試や過去問を活用することが重要
宅建士試験の一発合格には模試や過去問の活用も重要です。宅建士試験では過去問と同じ傾向の問題が頻出しているため、過去問やその類似問題などに時間を割くことが得点力アップにつながる勉強方法となります。
また、本試験と同じ試験時間で回答する模試は現時点のレベルを把握することができる重要な機会です。模試の会場を経験することによる本試験慣れや、法律改正などの新しい論点の確認にも役立つため、一発合格を目指す方には積極的に各資格スクールなどで実施している模試の活用をおすすめします。
4 まとめ
学習環境や学習スタイルには個人差があります。万人に共通する学習方法はありませんが、試験の難易度を把握し、明確な目標点数を設定することで、自分に最も合う勉強方法を確立することは可能です。
また、学習を進める上では合格のために必要な学習時間を見直すことも重要です。学習時間が増えた場合、本試験から逆算して学習スケジュールを組み直す必要もあるので、これらのポイントに注意しながら宅建士試験の一発合格にチャレンジしてみてください。
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