宅建士試験は難易度の高い国家試験です。宅建業法や民法などを中心とした法律に関する問題が出題されるため、しっかりと対策をしてから試験に臨まなければ、スムーズに合格するのが難しい試験となっています。また、2020年度試験や2021年度試験は新型コロナウイルスの影響により開催スケジュールへの影響も懸念されています。
そこで今回は、宅建士試験のスケジュールや試験対策を始める適切な時期、新型コロナウイルスによる試験の影響について詳しく解説します。2021年の宅建士試験合格を目指す方は参考にしてみてください。
1.宅建士試験のスケジュール
宅建士試験は年1回実施される誰でも受験可能な国家資格試験です。試験のスケジュールは官報公告で具体的な日程が発表され、例年は以下のような流れとなっています。
1-1.宅建士試験スケジュール
例年6月上旬頃に宅建士試験のスケジュールが官報で公告されます。2020年の試験は令和2年6月5日の官報に掲載され公告されました。
1-2.試験案内の配布
試験案内の配布開始は例年7月上旬です。2020年の試験では7月1日~7月31日の期間で試験案内が配布されました。
1-3.受験申込
受験申込は郵送とインターネットの2つの方法から選択可能です。郵送の場合、例年7月末が申込期限となっており、2020年の試験も7月31日に申込が締め切られました。
一方、インターネットの場合、例年試験案内の配布開始日から申し込むことが可能です。締め切りは7月15日前後となっており、2020年は7月1日9時30分~7月15日21時59分までの期間となっていました。郵送とインターネットは申込方法によって締め切りが変わるため注意しましょう。
1-4.本試験
本試験は例年10月の第3日曜日に実施されます。2020年の試験は10月18日に実施されましたが、新型コロナウイルスの影響によって一部の受験者は12月27日に試験が実施される予定です。
1-5.合格発表
例年、合格発表は11月の最終水曜日または12月の第1水曜日に行われます。合格発表は都道府県ごとに所定の場所で行われ、一般財団法人不動産適正取引推進機構のホームページでも確認することが可能です。2020年の試験は12月2日(12月27日の試験を受験する方は2021年2月17日)に合格発表が予定されており、合格者には後日簡易書留で合格証書が届きます。
スケジュールの詳細は一般財団法人不動産適正取引推進機構ホームページで確認することができるので、宅建士試験を受験する方は官報公告の時期などに必ず最新の情報を確認するようにしてください。
2.2021年合格を目指すために今から対策を始める理由
宅建士試験は過去10年の合格率が15~18%で推移するなど、難易度の高い国家試験のひとつです。宅建業法や民法などの法律の学習が必要となるため、法律分野の学習経験がない受験者にとっては法律用語の理解から始めなければならず、対策にはある程度時間がかかってしまいます。
2020年の試験が終わったばかりですが、2021年度の試験対策もなるべく早めに始めるのがおすすめです。一般的に、宅建士試験の合格の目安となる勉強時間は300~400時間と言われていますが、この目安時間にはもちろん個人差があります。
また、宅建士試験はもともと過去問を解ければ合格できると言われていたほど過去問対策が重要になる試験です。そのため、過去の出題傾向に則した形式で出題される問題も多く、問題演習を多くこなすほど知識のインプットができるだけでなく、解答を導くノウハウも増えるため、合格に近づくことができます。
特に2020年4月から大幅に改正された民法の対策には、過去に学習経験がある方でも時間を要する内容となっているため、早い時期から余裕を持った試験対策を行うのがおすすめです。
3.新型コロナウイルスの影響は?
私たちの日常生活を大きく変化させた新型コロナウイルスの影響は、宅建士試験にも及んでいます。ここでは今年実施された2020年の試験が受けた影響と2021年に実施される試験にも影響が及ぶ可能性についてご紹介します。
3-1.2020年宅建士試験の変更点
2020年の宅建士試験は新型コロナウイルスの影響によって例年には見られない異例の状況となりました。まず、試験のスケジュールが官報で公告された6月5日には、試験の実施団体から受験申込希望者に対して受験自体を自粛するよう要請がありました。
当時は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が解除された直後の時期ですが、試験の実施団体が受験の自粛を呼びかけるのは異例の事態です。同日には試験地における感染状況によっては試験が中止になることや試験会場が変更となる可能性についても呼びかけられており、受験会場でのマスク着用や体調不良者の受験自粛などについてもお知らせが出されています。
また、7月1日には新型コロナウイルスの影響によって試験会場の確保が難しくなるという情報もあり、確保できた試験会場のキャパシティを超える申し込みがあった場合、従来の試験日である10月18日ではなく、12月27日に追加の試験日を設けて実施される予定であることも知らされました。
基本的には、都道府県ごとの申し込み順に当初の試験日である10月18日に割り振られ、収容人数を超えた時点から追加の試験日である12月27日に変更となる旨が発表されているので、受験の申し込みが遅くなった受験者は都道府県によって追加の試験日で受験することになります。
この他にも香川県や神奈川県、福島県で試験会場が当初の予定から変更されるなど様々な影響が出ています(記事執筆時点での情報となるので、最新情報については必ず一般財団法人不動産適正取引推進機構ホームページで確認するようにしてください)。
3-2.2021年宅建士試験の変更点
2020年の宅建士試験に大きな影響を及ぼした新型コロナウイルスですが、2021年の宅建士試験にも影響が及ぶ可能性はあります。2021年の試験においても試験会場や受験者の安全確保等のため2020年と同様の対応がなされる可能性もあり、地域の感染状況などによっては試験会場や試験日の変更などが起こることも想定されます。
そのため、2021年の宅建士試験を受験する方は試験の実施団体である一般社団法人不動産適正取引推進機構のリリース情報などを確認しながら早めの準備を行うことが重要です。
また、宅建士試験は不動産業界などに入社すると会社から取得を勧められる資格の一つとなっており、働きながら受験する社会人の方も多い試験です。2020年の試験では新型コロナウイルスの影響で受験を断念する社会人の方も相当数いたと予想されます。そのため、2021年の試験が正常に実施されたとしても2020年に試験をやむを得ず断念した既学者の方が多く受験することも考えられるため、試験全体のレベルが上がる可能性がある点にも注意が必要です。
これらのことも考慮すると、2021年に宅建士試験の合格を目指す方は例年以上に入念な対策が求められます。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、2021年の宅建士試験合格に向けた早めの対策をおすすめする理由についてご紹介しました。宅建士試験の合格に必要な目安の勉強時間には個人差があるため、まずは一通りの学習を早めに終えることで余裕を持った試験対策が可能です。また、2021年の試験も新型コロナウイルスの影響などが考えられるため、最新の情報を確認しながら早めに願書の提出や試験対策を行うようにしましょう。
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