不動産業界だけでなく、金融機関や建築会社で働きたい場合にも就転職で有利になると人気の高い宅建士ですが、仕事内容や資格試験、年収などについては、詳しく知らないという方も少なくありません。
今回は、そんな宅建士について、仕事内容や年収などの基本的な情報や、資格取得のための試験に関する情報など、幅広くご紹介します。
宅建士とは
宅建士とは、正しくは宅地建物取引士といい、建物や土地に関する法律、取引や技術などの専門知識を持ち、不動産知識に乏しい一般購入者が不動産取引を行う際、安定的かつ公正な取引を確保するために、重要事項の説明や専門的なアドバイスをすることができる国家資格です。
宅建試験の内容
宅建士として働くためには、宅建試験に合格し、試験地の都道府県での登録を受け、さらに当該知事の発行する宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。
ここでは、宅建士として働くための第一歩ともいえる宅建試験の概要を確認しておきましょう。
試験内容
宅建試験は宅地建物取引業法施行規則により試験の内容が定められており、宅地建物取引業に関する実用的な知識を有しているかどうかが判定基準となります。同施行規則に定められている試験の内容は以下の通りです。
- 土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
- 土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
- 土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
- 宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
- 宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
- 宅地及び建物の価格の評定に関すること。
- 宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。
受験資格
宅建試験に受験資格は設けられておらず、年齢や性別、学歴等に関係なく誰でも受験することが可能です。
日程
例年、6月上旬頃に宅建試験のスケジュールが官報で公告され、7月に試験案内の配布・受験申込が行われます。
本試験については、コロナ禍以前は例年10月の第3日曜日に実施されていましたが、コロナ禍の影響により、2020年度(令和2年度)、2021年度(令和3年度)については、10月と12月の2度実施されました。今後も新型コロナウイルスの感染拡大状況とそれに伴う試験会場の確保状況によっては、年に2回、10月試験と12月試験が実施される可能性があります。
(受験できるのは10月試験、12月試験のいずれか指定された試験のみとなり、2度受験することができるわけではありません。)
難易度・合格率
例年、試験はマークシート形式の問題50問で構成されており、全50問中34問~38問の正解が合格ラインの目安となっています。合格率は、過去10年では受験者の約15%~17%となっており、難易度の高い国家試験です。
宅建士の資格が必要な仕事
宅建士には、公正な不動産取引を支援する専門家として、宅建士だけが行うことができる独占業務があります。下記の業務を行うためには、宅建士資格が必要です。
- 重要事項説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 契約書への記名・押印
宅建士を取得するメリット
宅建士の資格を取得すると、不動産会社や金融機関、建築会社への就職や転職が有利になります。宅建士のみが行える独占業務がある上に、不動産取引などを行う宅建業者は事務所などに業務に従事する者の5分の1以上の割合の専任宅建士を設置しなければならないと宅建業法で定められており、労働市場で一定数以上の需要が見込まれます。
また、宅建士は企業に所属する働き方だけでなく、独立開業も視野に入れることができる資格のため、今後のキャリアの幅を広げられる資格でもあります。
宅建士の年収
宅建士の平均年収についての明確な統計情報はないものの、大手就転職サイトの求人データなどを見てみると、求人時の条件では400万円~のものが多くなっています。就職・転職後にキャリアを重ねて昇給している宅建士もいることを考えると、宅建士全体の平均年収は400万円~550万円程度になると考えられます。
宅建士はこんな人におすすめ
宅建士は、その資格の性質や資格取得に伴う学習・実務などを鑑みると、以下のような方におすすめの資格といえるでしょう。
- 不動産が好きな人
- 手に職をつけたい人
- 真面目できっちりしている人
まとめ
いかがでしたでしょうか。宅建士(宅地建物取引士)は、公正な不動産取引を支援する専門家であることを示す国家資格で、年間20万人以上の人が取得を目指して受験する人気の資格です。
不動産業界で活躍したい方や、宅建士の取得を目指している方は、仕事内容や資格取得に必要な情報を確認しておきましょう。
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宅建士一発合格のための勉強法。必要な勉強時間、スケジュールを解説
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