本試験までの期間も残りわずかとなり、最後の追い込みに入る方も多いのではないでしょうか。宅建士試験は本試験前の勉強の仕方で合否が決まることもあるため、限られた時間の中で最適な試験対策を模索することはとても重要です。
この記事では、宅建士試験を控えている方向けに、最後の追い込みを実践する勉強方法について詳しくご紹介しています。今年、宅建士試験を受けられる方は参考にしてみてください。
1 宅建士試験の追い込みのポイントとは?
宅建士試験は本試験の直前まで得点アップを目指すことのできる試験です。しかし、追い込み時期はむやみに時間をかけて勉強するだけでは点数が伸びないこともあるため、以下の4つのポイントに絞って学習を進めることが重要です。
- 新しい参考書を使わない
- 配点の高い科目や間違えやすい問題を整理する
- 前年の過去問や予想問題を解く
- わからない問題の解説を中心にインプットする
1-1 新しい参考書を使わない
本試験が迫ってくると、あれもこれもと手を出したくなる気持ちが強くなります。しかし、新しい参考書をむやみに使い始めても、当初予定していた学習計画から大きく遅れてしまうこともあるため注意が必要です。
他の資格試験にも当てはまるように、追い込み時期には知識のインプットだけでなく問題演習などを中心としたアウトプットの練習が重要です。しかし限られた時間の中で、新しい参考書やテキストを使い始めると、インプット作業に余計な時間を取られることになります。
また、参考書は出版社や本ごとにレイアウトや解説の仕方などが異なるため、新しい参考書に慣れるための時間もかかります。
最近はSNSなどで試験対策の情報を簡単に探せるため、「あの参考書が特に使える」などの一見有力な口コミも多くあります。しかし、直前期にこのような投稿を見つけても安易に手を出さないことが大切です。
資格スクールで学習を進めている場合、試験の合格に必要な参考書やテキスト、問題集などは基本的に揃っているため、これらの教材を中心に学習を進めることがおすすめです。
一方、独学の場合でも、これまで使用してきた信頼できる参考書があれば、それを中心に学習を続けることが大切です。
1-2 配点の高い科目や間違えやすい問題を整理する
宅建士試験は1問1点で50問出題され、過去5年ほどは35~38点が合格基準となっています。しかし、科目ごとの出題数には偏りがあるため、直前期には得点を伸ばしやすい科目を中心に、メリハリをつけた勉強法がおすすめです。
科目 | 配点 |
宅建業法 | 20点 |
権利関係(民法など) | 14点 |
法令上の制限 | 8点 |
税・その他 | 8点 |
上表は宅建士試験の科目と配点をまとめたものです。最も配点の多い宅建業法は出題数の4割を占める20点分が出題されます。
宅建業法は基礎的な問題が多く、暗記で得点を伸ばせる科目でもあるので、多くの受験者が8~9割の正答を目標にする科目です。そのため、宅建業法が目標点数に達していない場合、追い込み時期に優先的して学習するべき科目となっています。
特に、直前期の見直しは重要になるので、「〇日以内」のような日数や月数、年数などの間違いやすい問題を中心に「以内」「以上」「未満」などの表記と合わせて再度整理しておくと効果的です。
次に配点が大きいのは、14点の配点となっている民法を中心とした権利関係の科目です。権利関係(特に民法)は学習範囲が広いため、短期間で点数の伸びにくい科目となっています。
そのため、権利関係が苦手な方は追い込み時期に「あれもこれも」と新しい知識を増やすのではなく、過去の頻出問題などを中心に時間の許す範囲で、基本事項の理解や最新の判例などの問題を整理しながら勉強する方法がおすすめです。
法令上の制限は8点の配点となっていますが、暗記である程度の点数がとれる科目のため、追い込み時期には優先的に対策したい科目です。
法律用語は難しい単語も多く使われていますが、過去問などを中心によく出題される問題を整理しておくと効果的な学習が可能です。
一方、「税・その他」の科目は、税金や土地・建物などの問題が出題されるため、出題範囲は広くなっています。しかし、過去問題集を通じて出題傾向を把握し、要点を押さえながら暗記を進めることで、全範囲を網羅しなくてもある程度の得点は可能になります。
また、土地白書などの不動産業界の統計に関する問題は毎年必ず1問出題されています。そのため、余力のある方は最新の統計問題などを扱った模試や答練などの問題を見直しておくと、たった1点ではありますが、合格に近づける対策となります。
1-3 前年の過去問や予想問題を解く
試験前の追い込み時期には前年の過去問や予想問題を解いておくことも重要です。これには2つの理由があります。
1つ目は、本試験のレベルや自分の力量を確認するためです。実際に本試験やそれに準じた予想問題を解くことで本試験のレベルを肌で感じることができ、これに慣れておくことで本試験で難しい問題が出題されても冷静に対処することができます。
また、過去に実際に出題された問題や同レベルの問題を解くことで、現時点の理解度を客観的に把握できる点は大きな収穫です。
学習の進捗状況によって出来は変わりますが、あまり正解できなくても悲観せず、弱点などを冷静に把握することで、その後の対策を効率的に行うことが大切です。しかし、本試験の直前だと対策できる時間も限られてくるため、2、3か月前くらいの時点で一度解いておくことがおすすめです。
もう1つの理由は、前年の過去問や本試験の予想問題を解くことで、法令改正などの新しい論点の学習に役立つためです。
新傾向問題を自分で分析して対策を立てることは、時間のない直前期には大きな負担となります。そのため、最新の過去問で改正項目の出題傾向を把握し、試験の専門家が予想する問題でこれらの論点を確認できれば、勉強時間の大幅な短縮につながります。
1-4 わからない問題の解説を中心にインプットする
理想的な学習スケジュールは、本試験前に全範囲の内容を再確認することですが、限られた時間の中では計画通りに進まないことのほうが多くあります。
そこで、本試験前の追い込み時期は、わからない問題の解説を中心に勉強することで、理解できていない論点の再確認と知識の定着を同時に進めることが可能です。
これまで実践してきた問題を解くというアウトプットに上手くつながらなかった論点に絞って対策できるため、弱点となっている論点の再確認をしながら、足りない知識のインプットを効率的に進められる点がメリットとなります。その上で余力があれば、不安な論点を再確認しましょう。
2 まとめ
試験前の追い込み時期は焦りも出てきますが、限られた時間の中でどのように対策すればいいのかをしっかりと理解しておくことが重要です。10月または12月実施の本試験まで残された時間は多くありませんが、焦って新しい参考書に手を出すのではなく、これまで学習してきたことを再確認し、冷静に対策を立てることが重要です。
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