宅建士は不動産業界で人気が高い資格です。受験者が毎年20万人を超える資格だからこそ「どれくらい合格難易度が高いのか」が気になりますね。
そこで今回は、これから宅建士の資格を取得したい方に向けて、宅建士の難易度や試験内容、おすすめの勉強方法などを一挙に解説します。ポイントを押さえて学習すればスムーズに合格を目指せる資格です。ぜひ参考になさってください。
1.宅建士の難易度
最初に、宅建士の合格率や合格基準、合格するために必要な目安の勉強時間について解説します。
1-1. 宅建士の合格率
宅建士の資格は、受験者数が年間20万人超に対し、合格者数は約3万~4万人と、合格率約15%~18%の競争試験となっています。
競争試験とは、宅建の試験は絶対評価ではなく相対評価の試験であり、明確に何点以上を取れば合格だというラインが決められていない試験と言うことです。つまり、受験者のレベルや試験問題の難易度によって合格ラインが変動する試験なのです。そのため、受験者の多くがきちんと対策をとればとるほど合格ラインがあがり、合格難易度が高くなる試験となっています。
1-2. 宅建士の合格基準
具体的な宅建試験の合格ラインは、4択のマークシート方式で50問中何問正解するかで決まります。受験回によって変わりますが、近年では32問~38問の正答で合格となることが多いです。10月の試験から12月の結果発表までの2か月を安心して過ごすためにも、宅建の資格勉強をする段階では40問以上は正解できるように学習を進めていくとよいでしょう。
1-3. 目安の勉強時間
宅建資格に合格するための勉強時間の目安は300~400時間だと言われています。試験は4択のマークシート方式ではありますが、4科目の知識を幅広く学んでいく必要があり、難易度が低いわけではありません。
普段から不動産業に関連する仕事をしている方の短期集中型であっても、3か月以上の学習期間を設けたほうが良いでしょう。学習にかけられる時間(量)にもよりますが、スクールなど通学で学ぶ場合は半年以上前から学習をスタートする人が多いですが、日頃は不動産業にかかわっていない初学者の方など、余裕を持って学習したい人は1年ほど前から学習スタートすることをおすすめします。試験前にもう少し時間があれば…と思うことほど、残念なことはないですから。
2.宅建試験の内容
次に、宅建士の資格を取得するにあたって、宅建試験の内容を把握しておきましょう。全4科目の概要と配点を紹介します。
2-1. 宅建業法(20問)
50点満点中20点と、4科目のなかで最もボリュームがあり、一番重視するべき科目が宅建業法(宅地建物取引業法)です。
他の科目と比べると出題範囲も狭く、出題される内容も基本的な内容が多いため得点しやすい科目です。
近年の宅建士試験は受験者のレベルが上がり、合格ラインも上がってきているため、この科目でいかに満点に近い点が獲得できるかが合格の鍵を握ります。
宅建業法は宅建業者と宅地建物取引士のルールを定めたもので、不動産取引において不利になりやすい顧客が損しないように順守すべきものです。取引時の重要事項の説明やクーリングオフについてなど、仕事をする際も必要な知識を問う部分なので、しっかり学習をしましょう。全体像をしっかりつかんだ後、過去問を繰り返し解くことで着実に点数を稼げます。
2-2. 権利関係(14問)
宅建業法の次にボリュームがあり、4科目の中で最も難易度が高いのが、権利関係です。権利関係のメインは民法で、不動産を購入する時の契約書にまつわるトラブルの対処法など、不動産取引に関するトラブルを未然に防ぐための知識が問われます。出題範囲が広く、民法のほかにも借地借家法、区分所有法、不動産登記法、さらに最新の判例なども試験範囲に含まれ、且つ単なる暗記だけでは対処できないため、深入りしすぎず要点となるポイントを効率的に学習することが大切です。
事例が複雑だったり、用語が難解だったりと、手ごわい科目であることは間違いないですが、民法は最も身近な法律でもあり、家を購入する時はもちろん、ビジネスでも、日常の買い物でも、そして相続の時なんかも、知っておくと日常生活におけるリスク回避にも役立てることができます。
効率的に学習を進めるには、宅建業法の次に優先して学習時間を確保しながら、過去問を解いて傾向と対策を練って暗記するのがポイントです。
2-3. 法令上の制限(8問)
法令上の制限では、土地を利用する上での制限を規定する各種法律が出題されます。その地域に適した健全な街づくりをするために、土地によって建物を建てられる高さや場所などが制限されていて、土地の価格に直結するため、公正な不動産取引のサポート役である宅建士にとって欠かせない知識です。
そのため宅建士の試験では、都市計画法、建築基準法、国土利用計画法、土地区画整理法、宅地造成等規制法、農地法などから出題されます。専門用語が多く最初のうちは理解しにくい分野ですが、頻出ポイントが決まっているので傾向を押さえればじゅうぶん対策ができます。
2-4. その他関連知識(8問)
その他関連知識では、税金に関する問題などが出題されます。難易度が高く感じる人もいますが、宅建士の試験では不動産に関する税金のみが問題になるのでポイントを絞って勉強すれば問題ありません。
主に鑑定評価基準、土地・建物の税についての問題が出題されます。いずれにせよ50問中8問と配点数は少ないので、過去問に沿って必要な個所に絞った対策をすれば大丈夫です。
3.難易度が高い宅建士になるための勉強方法
ほかの国家資格と比べればさほど難易度は高くないものの、資格全体で見れば宅建士の難易度は高めだと言えます。そんな宅建士の資格に合格するための勉強方法について、それぞれのメリット・デメリットを含めて解説します。
3-1.独学
まず、必要最低限のコストで自分のペースで学習を進めたい方におすすめなのが独学での学習方法です。必要なコストは主に参考書や問題集などのテキスト費用だけで、あとは自分の努力次第で学習を進められます。最近はYouTubeなどで無料公開されている動画で学習する人も増えています。
デメリットは自力で学習を進めるため、理解ができなかったりモチベーションを保てなかったりすると挫折しやすいことです。また、最新の傾向なども自分で調べて把握する必要があり、リサーチ力や忍耐力が求められます。
3-2.スクールに通学して学ぶ
学習する時には学習する、とメリハリをつけてしっかり入念に学習を進めたい方におすすめなのは、スクールに通学して宅建試験講座を受講する学習方法です。モチベーションを保つのが苦手な方、自分で学習のペースを守るのに自信がない方は直接足を運ぶ通学が向いています。分からないところを質問して解決できる、こともスクールに通学する大きなメリットです。
デメリットは通学の時間とコストがかかることです。学校・会社・自宅などの近くでアクセスがいい場所にスクールがあれば問題ありませんが、そうでないと通うのが負担になります。
3-3.通信講座で学ぶ
限られた時間で効率よく学習を進めたい方におすすめなのは、場所や時間にとらわれず自分のペースで学習を進められる通信講座です。忙しくじっくり独学で勉強したり、足を運んで通学したりする時間が取れない方でも、スキマ時間を有効活用してスムーズに学習を進められます。
デメリットは、淡々と一人で学習を進めるタイプの通信講座だと独学同様にモチベーションを保ちにくい点です。ただ、ここ数年の間に、通信講座は大きく進化しており、専門講師や他の受講生といっしょにオンライン講座を受けられたり、スタッフとカウンセリングを行って相談できる通信講座もあるので、自分に合ったものを探しましょう。
4.まとめ
宅建士は不動産業界で活躍するためにとても有利な資格です。難易度は低くないものの、独学が難しければスクールや講座を活用することで無理なく合格を目指せます。
資格スクール大栄の宅建士(宅地建物取引士)講座であれば、自宅でも教室でも講座を受けられますし、専門教師やスタッフに質問したり相談したりしながら疑問点を払しょくできます。特に、仕事や家事、学校生活で忙しい方に、限られた時間で合格するための講座設計となっています。宅建士の資格に興味がある方は、ぜひご検討ください。
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