宅建資格とは、正式には「宅地建物取引士資格」のことで、主に不動産業界で必要とされている国家資格ですが、近年では不動産業界に限らず金融業界などでも活躍できる資格として注目されています。
今回は、宅建試験の難易度や合格率、さらに他の国家資格との難易度を比較していきます。
宅建試験の難易度・合格率は?
まずは、宅建資格の合格率や合格基準、難易度などを見ていきましょう。
合格率
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年度試験 | 209,749名 | 37,579名 | 17.9% |
2020年度試験 | 168,989名 | 29,728名 | 17.6% |
2019年度試験 | 220,797名 | 37,481名 | 17.0% |
(一般財団法人 不動産適正取引推進機構 宅建試験実施概況資料より抜粋)
例年、15~17%前後の合格率となっています。
合格基準
宅建資格試験は、毎年の受験者数によって合格点が変化する相対評価方式を採用しています。
そのため合格基準は毎年変化する点が特徴です。
過去の合格点推移を見ていきましょう。
宅建試験の合格点(50点満点中)
2021年度試験:34点
2020年度試験:38点
2019年度試験:35点
(一般財団法人 不動産適正取引推進機構
https://www.retio.or.jp/exam/takken_shiken.html#topic3)
例年35点前後の合格点でしたが、2020年度は38点と高めの基準設定となっています。
合格ラインは、70~80%程度の得点を取っておく必要があるでしょう。
難易度
宅建試験の難易度は、不動産関連の専門知識が必要とされ、合格率も15%程度と難易度の高い試験であると言えます。
合格ラインが毎年変化するため、この点数を取れば絶対に合格できるという基準点がなく、余裕を持った点数を取っておく必要があり、試験対策はしっかりと行っておくことが重要です。
他資格との難易度を徹底比較!
ここからは、宅建試験と他の国家試験の難易度を解説していきます。
行政書士、司法書士、マンション管理士、社労士、FPの5つと比較して見ていきましょう。
資格名 | 合格率 | 合格基準 |
---|---|---|
宅地建物取引士 | 15~17% | 相対評価方式 70~80%(50点満点中) |
行政書士 | 6~10% | ・法令等科目122点以上(244点中) ・一般知識科目24点以上(56点中) ・試験全体で180点以上(300点中) ※いずれの要件も全て |
司法書士 | 4%前後 | 相対評価方式 ・午前択一問題:70~80点前後(105点満点) ・午後択一問題:70~80点前後(105点満点) ・記述問題:30~40点以上(70点満点) ※いずれの要件も全て |
マンション管理士 | 7~8%前後 | 相対評価方式 70~80%前後(50点満点中) |
社会保険労務士 | 3~7%前後 | 相対評価方式(2020年度) ・選択式:総得点25点以上かつ各科目3点以上(40点満点) ・択一式:総得点44点以上かつ各科目4点以上(70点満点) |
FP技能士 | 3級:40~50%前後 2級:30~50%前後 1級:10~20%前後 |
3級: 学科36点以上(60点満点) 実技60点以上(100点満点) 2級: 学科36点以上(60点満点) 実技60点以上(100点満点) 1級: 120点以上(200点満点) |
国家試験の中でもかなり難易度が高いと言えるのは、行政書士・司法書士・社会保険労務士です。
特に合格基準の規定が細かい国家試験は合格率が低くなる傾向にあり、これらも例外ではありません。
また、マンション管理士の合格基準設定は、宅建試験と似通っていますが、合格率はかなり低く、難易度は高いといえるでしょう。
FP技能士は1・2・3級の3つの級位がありますが、3級は比較的合格率は高く、合格を目指しやすい資格となっています。
以上の5つの国家資格と比較すると、宅建試験は国家試験のなかでも比較的難易度が低く、合格を狙いやすい資格であるということが分かりました。
宅建試験は独学でも合格可能?
宅建試験は、独学でも合格を目指すことは可能ですが、一般的に必要な学習時間の目安は250時間以上とされており、学習時間の確保は必要です。
宅建試験は年に1回のみなので、試験日に向けて学習計画をしっかりと立てておく必要があります。
また、宅建試験の出題範囲は、民法等・宅建業法等・法令上の制限・その他の関連知識の4科目です。全問マークシート方式ではありますが、専門的な内容のため、かなり深めた学習が必要です。
不動産業界未経験の方は、知らない専門用語や内容がほとんどかと思いますので、独学の場合は250時間よりもかなり多めに学習時間を見積もっておいた方がいいでしょう。
宅建試験合格のコツとは?
宅建試験合格を目指す場合以下のポイントを意識しましょう!
- 試験日から逆算した計画的な学習計画を立てる
- インプットとアウトプットを繰り返す
宅建試験は年1回の実施であるため、試験日から逆算し、試験計画を立てる必要があります。一般的には250時間以上の学習が目安ではありますが、初学者の場合は余裕をもって学習に取り組みましょう。
また、学習にはテキスト学習などのインプットと、演習や過去問を解くアウトプットがあります。効率的に知識を定着させるためには、インプットとアウトプットの比率を3:7にすることであると言われています。
学習計画を立てる際は、インプットとアウトプットのバランスを考えてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。宅建資格は近年では不動産業界以外の業界でも注目されている国家資格です。他の難関資格と言われる国家資格と比較すると、相対的に難易度の低い資格ではありますが、専門知識を要するため合格は容易ではありません。
しっかりと計画的に学習を進めながら合格を目指しましょう。自分で学習計画を立てる自信がないという方は、資格スクールなどの利用を検討してみるのもおすすめです。
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